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※紙面抜粋
※2024年4月16日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
稀代のペテン師(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
あろうことか、国会審議の場で公然と「巨額詐欺」が進行中だ。被害者は広く国民、騙し取られる額は毎年1兆円に上る。ドジャース・大谷翔平の通訳だった水原一平容疑者が騙し取った額とは比べ物にならない。
詐欺の舞台は衆院の特別委員会でヤマ場を迎えた「少子化対策関連法案」の審議だ。岸田首相が「2030年までが少子化反転のラストチャンス」と息巻く肝いり法案で、16日、岸田本人が特別委に出席。この日で質疑を終えるというのが、すこぶる怪しい。
結論を急ぎ、けむに巻こうとするのは詐欺師の常套手段。全国民約1億2435万人をはめるワナが、26年4月創設を目指す「子ども・子育て支援金」だ。少子化対策の財源をふんだくるため、公的医療保険料に上乗せして新たに徴収。段階的に増額し、3年目の28年度には年1兆円を確保する算段である。
岸田は1人当たりの負担額について、2月に「粗い試算で28年度は月平均500円弱」と国会で説明したが、実際には支援金を負担しない子どもなどを含んで算出した額だと判明した。この時点で相当いかがわしい。
政府は審議入り直前の先月末、野党にせっつかれる形で渋々、加入する医療保険別の試算を公表したが、平均負担額にとどまった。ようやく、年収別の負担額の試算を示したのは先週9日のこと。そのデータとて対象は会社員や公務員らが加入する「被用者保険」のみ。遅ればせながら自営業者が加入する「国民健康保険」の試算まで出揃ったのは11日。まだ1週間も経っていない。
負担額の全容をひた隠しにし、小出し・後出しの連続。誠実さのカケラもない対応は、国民を騙す気マンマンだ。
「実質負担ゼロ」の詭弁はイカサマ師の口上
実際、岸田の「ワンコイン」答弁は真っ赤なウソ。政府試算によると、被用者保険の負担額(28年度時点)は年収400万円で月650円、年収600万円で月1000円、年収1000万円で月1650円となる。年収400万円でもワンコイン超え、年収600万円では2倍に達する。あからさまなインチキだ。
国民健康保険に関しては年収1000万円の試算額を非公表。保険料負担の上限額に達する可能性もあるとして「現時点で申し上げることができない」(加藤こども政策相)と逃げた。高所得者の負担は頭打ち。「金持ち優遇」の欠陥制度と認めたも同然だ。立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)が言う。
「医療保険料は所得税などに比べて累進性が弱く、応分負担の公平性に疑義が生じます。財界は産業の担い手不足を招く少子化に危機感を募らせており、ならば法人税を財源に充てるのも有力な選択肢のはず。『増税めがね』のイメージ払拭に腐心するあまり、岸田首相が税負担の議論を封じたから、制度設計は無理筋です。増税にせよ、保険料の上乗せにせよ、国民にとって『負担増』に変わりはない。正面を切って国民に説明しない『負担増目くらまし』です」
やっと議論に資するデータが出てきたばかりなのに、サッサと審議終了とはウサンくささがプンプン漂う。よほど、国民に知られたらマズイ制度なのだろう。「1兆円詐欺」の極め付きの証拠は、今なお岸田が繰り返す「実質負担ゼロ」なる詭弁である。こんな屁理屈だ。
歳出改革で医療や介護などの社会保障費を抑え、企業の賃上げ効果も加味すれば、支援金の負担分は相殺できる──。もはや、イカサマ師の口上にしか聞こえない。
賃上げ効果を信じれば1兆円詐欺のいいカモ
34年ぶりの円安水準(C)日刊ゲンダイ
大体、公的医療保険料はあくまで「医療サービス」を目的に支払うものだ。負担を増やすなら本来、医療サービスの拡充に回さなければおかしいのに、支援金の上乗せ分のサービスを享受できるのは子育て世代に限られる。「受益者負担」の原則に反し、支援金は「流用」にほかならない。
「目的外使用による負担増を軽減するため、本来の目的である『医療・介護』の歳出を抑制するのは本末転倒。もうムチャクチャな制度です」(浦野広明氏=前出)
ましてや被用者保険は労使折半だ。事業主の負担も増えるため、支援金創設は岸田の言う「賃上げ効果」を抑制しかねない。
そもそも、実質賃金は物価高騰に追いつかず、前年同月比マイナス続き。今年2月まで実に23カ月連続の減少だ。物価を押し上げる「円安地獄」も収まらない。15日のニューヨーク市場で1ドル=154円半ばに急落、1990年6月以来、約34年ぶりの円安水準を再び更新した。
それでも岸田は「物価高を上回る所得増」にシャカリキだ。一定割合の賃上げを実現させた企業の法人税を軽減する「賃上げ税制」を拡充。中小企業が賃上げ分を適正に価格転嫁できるように後押し。24年春闘は33年ぶり賃上げ率5%超の高水準で、6月には1人4万円の定額減税も実施される。今夏には実質賃金がプラスに転じ、景気の好循環をもたらすかのような言説も飛び交う。
しかし、そんな戯言に惑わされるような国民はいいカモである。日本人はつくづくお人好しだけに、心配になる。結論から先に言おう。いつまで待っても実質賃金は上がらない。経済評論家の斎藤満氏は強引な賃上げの弊害をこう指摘する。
「経済は一種の均衡の上に成り立ちます。実質賃金が今、マイナスなのはそこが均衡だからです。政府が旗を振り、無理やり賃金だけを引き上げようとすれば、人件費上昇分が当然、価格転嫁されます。せっかくの賃上げが物価高でカキ消される悪循環に陥ってしまうのです。企業が生産性を向上させ、売り上げを伸ばさなければ、賃上げと物価上昇のイタチごっこが延々と続くだけ。結局、実質賃金は増えません」
平安時代さながらの“ペテン貴族”支配
専門家の一部から上がる「これから賃上げ効果が出てくる」という期待の声にも懐疑的だ。
「物価は政府の統計以上に高騰しているのが現実だからです。スーパーに行けば数%どころか、2割くらい値上がりしている商品ばかり。政府の調査対象となる品目は限られており、内容量を減らす『実質値上げ』などもカウントしていません。物価統計は年金支出などに影響するため、政府には値上げ幅を小さく見せたい思惑がある。一方、個人消費は弱く、好調なのはインバウンドで潤うサービス業くらいなものです。個人消費が上向かないのに、政府が価格転嫁を奨励すれば、景気は冷え込むいっぽうです」(斎藤満氏=前出)
とりわけ苦しいのは、年金頼みの高齢者だ。4月から医療保険料も介護保険料も跳ね上がった。賃上げ税制による法人税控除のシワ寄せも、庶民に押し付けられていく。そこに少子化対策の負担増が重くのしかかってくるのである。
よくぞ岸田は臆面もなく、「実質負担ゼロ」などと言えるものだ。アベノミクスの「トリクルダウン理論」も足かけ10年以上のヒドイ詐欺だったが、岸田もえげつないタマだ。就任時に掲げた「所得倍増」を、いつの間にか「資産倍増」にスリ替え。今度は1兆円詐欺とは、安倍元首相に劣らない大ボラ吹きである。
この国の首相には代々政治一家のボンボンで、口から先に生まれたような犯罪的な“ペテン貴族”しか就けないようだ。
「NHK大河ドラマ『光る君へ』の中で、段田安則さんが演じる藤原兼家が、息子の道長にこんなセリフを言っていました。“おまえが守るべきは民ではない。家の存続が政だ”。脚本家・大石静さんの強烈な自民党政府への批判だなと思いましたよ。今の政治は平安時代そのままです」(斎藤満氏=前出)
そう言われれば、段田安則と岸田の顔はソックリだ。今を逃すと1兆円詐欺の魔の手から抜け出せなくなる。もう政府の戯言に騙されるな。
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