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止まらない円安インフレと武器調達コスト拡大の悪循環 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/338987
2024/04/16 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
米軍の下請けとして従属すると、この国の主権を売り渡した格好の軍事同盟を(日米共同会見での岸田首相とバイデン米大統領)/(C)ロイター
岸田首相は実態解明をしないまま、裏金議員の“処分”を実行し、自らはおとがめなしである。客観的基準がない内輪の大甘処分をやりながら「国民に判断してもらう」とのたまった。支持率10%台なのに解散をチラつかせ、脅しをかけている。
その後、岸田は9日に訪米。国賓待遇のセレモニーで政権浮揚を狙っている。世襲政治家はどこまでも自民党の内輪の論理。米国の覚えがめでたければ政権維持できると思い込んでいるのだろうか。国民の支持率よりアメリカの支持率優先だ。
アメリカ政府に受けるようにとしたのか、日米首脳会談の合意内容を見ると、大半が米国との軍事同盟の話だ。岸田は米軍の下請けとして従属すると約束してしまった格好だ。首相であり続けることだけが最大目的の岸田が、この国の主権を売り渡すという前代未聞の事態だ。
しかも、岸田が留守の間に、日本は投機マネーによって「円安攻撃」を受け続けた。米国の消費者物価指数の上昇率が再上昇していることがきっかけだが、植田日銀の腹は完全に見透かされている。植田日銀は無意味な口先介入を繰り返しているが、本音は金融緩和をやめられないだけ。国会で利上げ発言をした途端に1ドル=153円台の円安になった。
この円安インフレは防衛費に直撃する。2024年度当初予算の主な装備品の購入価格と、19〜22年度の平均価格を比較すると、約1.5倍に膨張しているとされる。このままだと、さらなる値上がりもあり得るだろう。
防衛省が組織した「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」のメンバーは、自民党に献金している三菱重工の宮永会長と、リフレ派の若田部前日銀副総裁が加わっている。いまやリフレ派は防衛費の膨張を日銀の金融緩和で支えようとしている。
このままでは日銀が緩和を続けざるを得ない。円安インフレはさらに進み、武器調達コストの高騰を招く。それがまた財政赤字と金融緩和に拍車をかけ、また円安インフレが進む──、こうした悪循環は避けられない。まるで「新しい戦前」そのものだ。
だからといって、財務省が為替介入すれば、今度は、投機マネーは国債売りの攻撃を仕掛けるだろう。あっという間に日銀は上がった金利を下げるために国債を買わなければならなくなり、ファンドはボロ儲けだろう。
結果的に金利は上がり、国債費は増大。すると、社会保障や少子化対策への予算配分が困難になる。その行く末は破綻である。岸田は破綻に向かっていることも想像できずに、国賓扱いでご満悦とは何と愚かなことか。
金子勝 淑徳大客員教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。
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