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沈没船上で日米首脳最後の晩餐(植草一秀の『知られざる真実』)
http://www.asyura2.com/24/senkyo293/msg/894.html
投稿者 赤かぶ 日時 2024 年 4 月 15 日 19:20:07: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

沈没船上で日米首脳最後の晩餐
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2024/04/post-0cdeb7.html
2024年4月15日 植草一秀の『知られざる真実』

岸田首相の訪米を懸命に美化して報道する読売、日経、産経の各紙。

御用報道機関の報道は従軍報道機関のもの。

社会の木鐸としての報道機関の本文を忘れ去っている。

昨年秋に発覚した自民党の組織ぐるみ巨大犯罪。

権力機関の一翼を担う検察・警察は重大犯罪の一部だけを摘発した。

この国では権力側の犯罪は放置される。

日本は権力犯罪の放置国家。

反権力側の行動は無実潔白でも犯罪に仕立て上げる。

検察・警察には巨大犯罪を無罪放免にする裁量権と無実潔白の市民を犯罪者に仕立て上げる裁量権が付与されている。

刑事司法は自民党巨大犯罪の大部分を無罪放免にしたが、国民は自民党巨大犯罪を許していない。

このことから、政治的な処分が求められていたが、岸田首相にはけじめをつける考えがなかった。

意味不明な自民党内責任処理を実行して問題に終止符を打とうとする姿勢が鮮明。

自民党内処分を検討している最中から心は米国への旅行に向かっていたのだろう。

米国の議会で演説をさせてもらい、夕食会に招待されてご満悦の様子だったがそのためにどれだけの手形を切らされたのか。

ウクライナが敗北寸前の状況にある。

米国議会はウクライナへの軍事支援にブレーキをかける。

ウクライナ大敗北はバイデン大敗北を意味する。

バイデン大統領は、その「敗戦処理」費用を岸田首相に命じたと見られる。

いくばくもなく退場を迫られるバイデン大統領と岸田首相。

難破船の上で最後の晩餐を楽しんだようだ。

しかし、日本国民は岸田首相が振り出した手形の決済を求められる。

国民生活が疲弊し、能登半島では劣悪な避難所に避難者が収容されたままのなかで、岸田首相が自分の利益のために国民の血税を無駄遣いする。

日本政治の劣化は目を覆うばかり。

岸田首相は6月23日の通常国会会期末に衆院を解散して7月21日に衆院総選挙を実施するシナリオを描いていると見られる。

総選挙の結果、政権を維持して自民党総裁再選を狙う。

このシナリオを現実化させるには4月28日の衆院3補選で1勝でも勝ち取らなければならない。

選挙が行われるのは東京15区、島根1区、長崎3区。

長崎3区は不戦敗が確定している。

島根は自民王国。

島根の議席を死守することが求められている。

東京15区は小池百合子氏の都民ファーストの会が擁立する候補者に乗りかかることが目論まれていた。

ところが、都民ファーストの会が擁立する候補者の女性スキャンダルが影響して支持が集まっていない。

自民党は便乗推薦を企図していたが、当選可能性が低いと見て便乗を取りやめる模様。

東京15区も不戦敗になる可能性が高まっている。

残る牙城は島根1区。

自民王国で、島根1区で自民候補が落選すると3戦全敗になる。

立憲民主党元職の候補が出馬予定。

自民が島根1区を取りこぼす可能性がある。

衆院補選で3戦全敗なら岸田氏の衆院解散=総選挙シナリオを強行することは極めて困難になる。

自民党内で岸田降ろしの嵐が一気に吹き荒れることになるだろう。

やるべきことをやらず、物見遊山の外遊にいそしむ岸田首相に対する主権者の目は極めて冷ややかだ。

御用報道機関が懸命に提灯記事を掲載しても効果は薄い。

自民党巨大犯罪の落とし前をつける最重要要件は法改正。

政治資金規正法抜本改正が最重要課題だ。

後半国会の焦点は政治資金規正法改正になる。

いい加減な法改正しか実行しようとしないなら、主権者国民が岸田内閣に退場通告を示す必要がある。
 

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コメント
1. 赤かぶ[214357] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:20:29 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2450] 報告
<△22行くらい>

2. 赤かぶ[214358] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:26:39 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2451] 報告

3. 赤かぶ[214359] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:27:25 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2452] 報告

4. 赤かぶ[214360] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:28:03 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2453] 報告

5. 赤かぶ[214361] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:28:37 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2454] 報告

6. 赤かぶ[214362] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:29:19 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2455] 報告

7. 赤かぶ[214363] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:29:50 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2456] 報告

8. 赤かぶ[214364] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:30:56 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2457] 報告

9. 赤かぶ[214365] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:33:12 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2458] 報告

10. 赤かぶ[214366] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:33:57 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2459] 報告

11. 赤かぶ[214367] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:34:42 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2460] 報告

12. 赤かぶ[214368] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:36:26 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2461] 報告

13. 赤かぶ[214369] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:37:06 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2462] 報告

14. 赤かぶ[214370] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:37:57 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2463] 報告

15. 赤かぶ[214371] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:38:54 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2464] 報告

16. 赤かぶ[214372] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:40:08 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2465] 報告

17. 赤かぶ[214373] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:40:46 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2466] 報告

18. 赤かぶ[214374] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:41:42 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2467] 報告

19. 赤かぶ[214375] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:42:16 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2468] 報告

20. 赤かぶ[214376] kNSCqYLU 2024年4月15日 19:42:49 : m4SbJdZL5k : Q2kzRWQ4QXpsclE=[2469] 報告

21. 阿部史郎[509] iKKVlI5qmFk 2024年4月15日 20:54:28 : H3qewymxyA : akJmdGxndm1hajY=[-9052] 報告
司法試験には毎年、150人の外国人が合格、一部は帰化し、裁判官や検察官になっているとのこと。

弁護士(外国籍でもなれる)
検察官(司法試験合格後に帰化)

日本で犯罪を犯した外国人が次々と不起訴処分になっている!!😠💢
rapt-plusalpha.com/77258/
rapt-plusalpha.com/76311/

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

22. 2024年4月16日 11:42:11 : xutrAnH8Uc : RTEwU1BmR3dDMEU=[4922] 報告
ただでも読まない読売、日経、産経、正に御用新聞、この新聞テレビがこの国の政治を腐敗堕落させた大きな原因でもある。権力に寄り添い自分たちの利権だけを得、国民の為の政治など自民党議員と同じで頭の隅にもない。どこかのコメントで小泉政権以降特に自民党政策というよりアメリカから出される年次改革要望書の要件と日米米合同委員会の決定事項、カルト統一の意向などをそのまま実行し財界に利益を提供させているだけの政治、それが戦後ずっと続いているようなものだ。
23. 正義の日本[56] kLOLYILMk_qWew 2024年4月16日 11:50:32 : wOPOipiVgG : RHBaeFFqbDkxWmc=[24] 報告
島根県の有権者の皆さん。

亀井亜紀子さんを当選させてやってください。

この方の国会での活躍は、皆さん知っておられるはずです。

あの統一教会の衆議院議長から、嫌がらせの選挙もされました。そうあのエロ爺です。

腐れ自民党の安倍派をコッパみじんにして、日本を復活させましょう。

亀井亜紀子さんです。

負けるな! 絶対に国会に行ってください。

24. 楽老[4835] inmYVg 2024年4月17日 08:48:46 : xog7icnz6E : b1lvbDZmay44ZW8=[854] 報告
【中国産の肥料がなければ、日本の食料自給率は10%以下になるのに】

と云う事だけではありません。
野菜の種は殆どが中国産です。たとえサカタやタキイが販売していたとしても

さらに、唯一自給できていると嘘八百の稲作は、法外な補助金を注ぎ込んで、石油が無ければ生産できない代表的な政治作物です。
稲作への補助金を廃止すれば農作物の収益は圧倒的に改善し、農業そのものが強靭化されます。(日本一の農業県はどこか:山口亮子、新潮新書 参照)

日本が油断(オイルの枯渇)しても米国は決して供給してくれません。
米国がシェールガスの採掘で大いに潤っていても、日本に供給してくれなかったことがその査証です。

日本は平和を希求する以外に生き残る道は無いのです。

    

25. 秘密のアッコちゃん[267] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年4月17日 12:59:25 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[380] 報告
<■502行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
日米の安保協力には
「米国の戦争に巻き込まれる」
という懸念の声もあるが、それは大きな間違いだ。
中露や北朝鮮の脅威は、米国よりも日本にとっての方が大きい。
日本は尖閣諸島(沖縄県)を含め自国の領域と平和、繁栄を守るため、
「安保問題で米国をむしろ巻き込み」、
同盟の抑止力向上で平和を保たなければならない立場にある。

<正論>日米同盟で肩を並べる覚悟を 
元陸上幕僚長・岩田清文
2024/4/17 8:00
https://www.sankei.com/article/20240417-OSBRENCF2VPU5DMPN43QFBX2YY/
■高みに到達した日米同盟
米国を公式訪問した岸田文雄首相は2024年4月10日の首脳会談に続き、翌日の米国連邦議会上下両院合同会議において、安倍晋三首相以来9年ぶりとなる演説を行った。
首脳会談後の日米共同声明においては、冒頭
「過去3年間を経て、日米同盟は前例のない高みに到達した」
と、その進化を確認した。
米議会における演説では、日米同盟を
「未来のためのグローバルパートナー」
と謳い、日本が米国の地球規模のパートナーであり、この先もそうあり続けると表明した。
その背景として米国が何世代にも渡り築いてきた国際秩序が、日米の価値観や原則とは異なる国々からの新たな挑戦に直面し、その結果、自由と民主主義が世界中で脅威に晒されていることを指摘している。
加えて世界において、これらの価値を基調とする国際秩序を米国が単独で守ることを強いられる理由はないとし、日本が米国と肩を組んで共に立ち上がるとの決意を述べた。
9年前の2015年、安倍首相が演説した当時の米国はまだ1国で国際秩序を維持する力があったため、安保法制を根拠とした日本の積極的な行動により地域的な同盟を強化することに重点が置かれていたものと理解される。
しかしその後、情勢が激変し、中国の軍事力の急速な増強と海洋への覇権の拡大、そしてロシアによるウクライナ侵攻以降顕著となった、ロシア・中国・イラン・北朝鮮の連携強化により、米国が単独で国際秩序を維持することが期待できない状況となりつつある。
このような危機認識が米国内でも多く指摘されているが、これらも、今回の岸田首相演説の背景にあるものと読み取れる。
日米共通の脅威対象が強大化するなか、頼りとなる米国の力の相対的な低下が、日本が果たす責任・役割を大きくしているということであろう。
そして、これまで以上に幅広い分野において、米国のパートナーとなることが米国の日本への期待であると理解される。
■「頼る」から頼られる存在
日米首脳会談に先立つ2024年4月4日、米戦略国際問題研究所(CSIS)が、超党派の有識者による日米同盟への提言
「アーミテージ・ナイ報告書」
を発表した。
この中で、米国のリーダーシップの将来に対する疑問がかつてないほど深刻であることを認めた上で、
「世界と地域のリーダーシップの負担は、短期的には日本政府に、より重くのしかかるだろう」
「しかし幸いなことに、日本はこの役割を担うに十分な位置にある」
との認識を示している。
まさに米国にとっての日本は、世界秩序維持において、米国に頼る存在から、米国に頼られる存在に変化している。
我々日本がこれまで享受してきた発展と繁栄は、自由と民主主義による国際秩序を牽引してきた米国の努力が基盤となっている。
その米国自身が秩序維持に支障をきたしている現状において、日本が秩序維持に加担することは必然であり、そうでなければ日本の平和と繁栄の土台が崩れる。
議会演説における岸田首相の
「平和には『理解』以上のものが必要だということを知っています」
「『覚悟』が必要なのです」
との言葉は、まさに、グローバルパートナーとして、米国と共に肩を並べ世界の秩序維持に取り組んでいく覚悟を示したものと理解できる。
■より世界に目広げる必要
一方で、この覚悟を具体化するためには、今後より発展させていくべき事項もでてくるだろう。
例えば、2022年12月に閣議決定した国家安全保障戦略(安保戦略)の内容である。
安保戦略には、我が国が守り発展させるべき国益として特に
「インド太平洋地域において、自由で開かれた国際秩序を維持・発展させる」
ことが明示されている。
またこの国益具体化のため、我が国の安全保障上の目標としては
「国際社会の主要なアクターとして、同盟国・同志国等と連携し、国際関係における新たな均衡を、特にインド太平洋地域において実現する」
とある。
私はこれは我が国の国力に見合った戦略と理解しており、妥当なものと認識している。
しかし、グローバルパートナーとなるのであれば、インド太平洋地域への重点指向に変化はないものの、より幅広い分野において、世界に目を広げたものを拡大・進化させると共に、それらを日米でどのように連携して進めていくのかの検討が必要となろう。
岸田首相の演説では、具体的に米国とどこまで肩を並べるのかが明示されていない。
米国からすれば、言葉通りに受け取って、共に世界において日本が行動してくれるものと解釈している方もいるかもしれない。
また演説を聞いた日本国民も、どのような分野において、どこまで日本が米国と肩を並べ国際秩序を維持しようとしているのか疑問に思ったであろう。
この点は、日本として向かうべき重要な方向性である。
米議会での演説で終わらせるものではなく、しっかりと議論すべき内容ではないのか。

日米首脳会談 産読日「新たな防衛協力」を評価 朝毎東「巻き込まれる」恐れ懸念
社説検証
2024/4/17 9:00
https://www.sankei.com/article/20240417-YQD6ABPXKBIMBPCS46RJNHPBFQ/
ロシアによるウクライナ侵略や中国の覇権主義的行動など、自由で開かれた国際秩序が脅かされる中、岸田文雄首相が訪米し、バイデン大統領と会談した。
日本の首相が国賓待遇で訪米するのは、平成27年の安倍晋三首相(当時)以来9年ぶりである。
首脳会談は主に安全保障政策について話し合った。
自衛隊と米軍の指揮統制の在り方の見直しや、米英豪3カ国の安保枠組み
「AUKUS(オーカス)」
と日本の協力検討などで合意した。
会談後には
「日米同盟は前例のない高みに到達した」
とし、インド太平洋地域はもちろん、世界の諸課題に対処する
「グローバルなパートナーシップ」
の構築を謳う共同声明が発表された。
首脳会談に対して産経、読売、日経が
「日米の新たな防衛協力の出発点」(読売)
などと評価したのに対し、朝日、毎日、東京は
「国民への説明は後回しになっていないか」(朝日)
と批判的な見方を示した。
産経は、
日米が抑止の努力を怠れば台湾有事が生起しかねないという厳しい安保情勢への危機感を両首脳の共同声明から読み取り、
「戦争を起こさないための方策を打ち出した両首脳の合意を支持し、確実な実践を求めたい」
と強調した。
読売も、
強固な日米同盟を
「新たな国際秩序の構築に生かしていく時代に入った」
として、合意の意義は大きいと論じた。
特に指揮統制の在り方の見直しに注目し、台湾有事などの緊急事態に
「日米が即応できる体制を整えなければならない」
と訴えた。
日経は、
世界の安定に向けて
「同盟国との連携強化は重要だ」
と指摘しつつ、経済や科学技術における協力にも期待を寄せた。
ただし、日本製鉄によるUSスチール買収について
「首相が後押しする姿勢が見えなかったのは残念だ」
と苦言も呈した。
一方、
朝日は
国民への説明が不十分であるとし、
「加速する日米の『一体化』に幅広い支持が得られるのか」
と疑問を投げ掛けた。
兵器開発を含むAUKUSとの協力検討などに対しても、
「なし崩しに武器輸出を拡大するようなことが繰り返されてはならない」
と釘を刺した。
毎日は、
日米同盟を基軸とする抑止力強化には理解を示すものの、
「日本が主体性を欠いたまま米国の世界戦略に巻き込まれること」
への懸念を表明した。
むしろ今求められるのは、対中関係の安定化など
「日本独自の外交戦略だ」
と主張した。
東京は、
首相が国賓待遇で招かれたことについて、国会の関与もなく岸田政権の下で強化された日本の安保政策を
「米側が評価した結果でもある」
と見做した。
その上で
「平和憲法の理念を形骸化させる政策転換は許されるものではない」
と非難し、両首脳の合意の有効性にも疑問符をつけた。
今回の首脳会談に批判的な朝日、毎日、東京に共通するのは、米国の世界戦略に日本が
「追随」
することへの警戒感だろう。
それは、日米が
「軍事一体化を際限なく進めれば、米国の戦争に日本が巻き込まれる懸念も高まる」
とした東京の主張に端的に表れている。
ただ、首脳会談を評価する産経、読売、日経が米国への安易な追随を許容しているわけではない。
指揮統制の在り方の見直しについて日本政府は
「自衛隊が米軍の指揮統制下に入ることはない」
と説明している。
産経も
「日本は独立国だ」
とし、
「自衛隊と米軍は独立した指揮系統で運用されるべきである」
と強調した。
産経が指摘するように、世界の平和と安定は米国だけでは守れない時代になっている。
「日本の国際政治上の役割と存在感は世界第2位の経済大国だった頃よりも、むしろ今の方が大きい」(産経)
のだ。
自由で開かれた国際秩序を守るため、日本の覚悟が問われている。

日米首脳会談を巡る主な社説
【産経】
・抑止力向上の合意実践を/首相の積極姿勢を評価する
【朝日】
・説明なき一体化の加速
【毎日】
・問われる日本の外交戦略
【読売】
・世界に広がった多面的な「協働」/結束して新たな秩序を作りたい
【日経】
・世界の安定へ重責増す日米同盟
【東京】
・衆議なき一体化を糾す
※いずれも2024年4月12日付

<主張>日米首脳会談 抑止力向上の合意実践を 首相の積極姿勢を評価する
社説
2024/4/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20240412-YPNKYVLTCRIEJJ7K53GBD2KGM4/
岸田文雄首相が、米ワシントンのホワイトハウスでバイデン大統領と会談した。
会談の特徴は、同盟の抑止力・対処力を迅速かつ確実に向上させる防衛・安全保障協力に重点を置いたことだ。
共同声明は
「地域の安全保障上の課題が展開する速度を認識」
し、同盟が
「重要な変化に対応できるようにする」
と明記した。
日米が抑止の努力を怠れば、日本有事に繋がる台湾有事が生起しかねない厳しい安保情勢への危機感があるからだろう。
戦争を起こさないための方策を打ち出した両首脳の合意を支持し、確実な実践を求めたい。
■指揮統制の連携必要だ
両首脳の国際情勢認識も妥当だった。
共同声明は
「世界の安全と繁栄に不可欠の要素」
だとして
「台湾海峡の平和と安定を維持する重要性」
を訴え、両岸問題の平和的解決を促した。
東・南シナ海での中国による力または威圧による一方的な現状変更の試みや、北朝鮮の核・ミサイル開発に強く反対した。
拉致問題の即時解決へ米国は協力を約束した。
「ロシアのウクライナに対する残酷な侵略戦争」
を非難し、対露制裁とウクライナ支援を確認した。
中東ではハマスなどのテロを非難し、イスラエルの自衛の権利を確認しつつ、ガザ地区の人道状況に深い懸念を表明した。
共同声明は日米が
「グローバル・パートナー」
として防衛や経済安保、先端技術、宇宙などでの連携を強化するとした。
自衛隊と米軍がそれぞれ指揮・統制枠組みを向上させ、防衛装備品の共同開発、生産・整備の役割分担に関する協議体(DICAS)を設立する。
他の同志国との安保協力推進を掲げた点も対中抑止のネットワークを作る上で評価できる。
米英豪3カ国の安全保障枠組み(AUKUS)と日本の先端技術開発での協力検討や、日米韓、北大西洋条約機構(NATO)などの連携推進である。
指揮・統制枠組みの向上は日本が2024年度末に、陸海空自衛隊を一元的に指揮する
「統合作戦司令部」
「統合作戦司令官」
を置くことを踏まえたものだ。
米インド太平洋軍の司令部はハワイという遠隔地にあるため作戦行動の齟齬が生じる恐れがある。
そこで、今は作戦指揮権を有しない在日米軍司令部の機能を強化する方向だ。
自衛隊と米軍が作戦立案や部隊運用で日常的に連携し、より効果的に戦える態勢を取れれば画期的だ。
抑止力はそれだけ高まる。
ただし、日本は独立国だ。
林芳正官房長官が2024年4月11日の会見で説明したように、自衛隊と米軍は独立した指揮系統で運用されるべきである。
バイデン大統領は
「日米同盟は歴史上かつてないほど強固だ」
と語った。
更に、日本の反撃能力の保有、防衛費とそれを補完する関連予算を合わせ国内総生産(GDP)2%へ増額する計画、防衛装備移転3原則の指針改正を歓迎した。
■日本の存在感は増した
東アジアやインド太平洋地域、世界の平和と安定は米国だけでは守り切れない時代である。
中露、北朝鮮という専制国家の至近に位置する先進7カ国(G7)の国は日本だけだ。
日本の国際政治上の役割と存在感は世界第2位の経済大国だった頃よりも、むしろ今の方が大きい。
だからこそ岸田首相は国賓待遇になった。
日米の安保協力には
「米国の戦争に巻き込まれる」
という懸念の声もあるが、それは大きな間違いだ。
中露や北朝鮮の脅威は、米国よりも日本にとっての方が大きい。
日本は尖閣諸島(沖縄県)を含め自国の領域と平和、繁栄を守るため、
「安保問題で米国をむしろ巻き込み」、
同盟の抑止力向上で平和を保たなければならない立場にある。
その点からも岸田首相の訪米には意義があった。
防衛力の抜本的強化を進める岸田首相がバイデン大統領に
「日米がグローバルなパートナーとして真価を発揮すべきときだ」
「日本は常に米国と共にある」
と述べたのは説得力があった。
バイデン大統領は、日米安保条約第5条の下で、核戦力を含むあらゆる能力で日本防衛に関わると表明した。
両首脳は外務・防衛担当閣僚に対し、次回の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で日本の防衛力増強に伴う米国の拡大抑止の在り方を協議するよう求めた。
核抑止を含めあらゆる局面の防衛態勢の検討は急務である。

<主張>日米比首脳会談 協力して自由の海を守れ
社説
2024/4/13 5:00
https://www.sankei.com/article/20240413-L4EUJGD3TFJ5NHYWVG5HBOJJSI/
日本と米国、フィリピンという3つの海洋民主主義国が安全保障や経済など幅広い分野で連携、協力を進めることを歓迎したい。
岸田文雄首相とバイデン米大統領、フィリピンのマルコス大統領が米ワシントンのホワイトハウスで初の3カ国首脳会談を開いた。
日米比はインド太平洋の海洋民主主義国で総人口は5億人を上回る。
日米、米比は同盟を結び、日比は安保協力を強化してきた。
バイデン大統領の呼びかけで3首脳が集ったのは国際法を踏みにじる中国から、自由で開かれた海であるべき南・東シナ海を守る狙いがある。
中国は南シナ海で、海軍と海警、海上民兵を動員してフィリピンを圧迫している。
中国海警船の放水砲の使用や体当たりなどで、比側には負傷者や船体の破損など被害が出ている。
「弱い者いじめ」
そのものだ。
東シナ海の尖閣諸島周辺では中国海警船が領海に侵入し、日本の漁船を追い回すようになった。
3首脳の共同声明は、南シナ海での
「中国の危険かつ攻撃的な行動」

「深刻な懸念」
を表明し、東シナ海での中国の一方的な現状変更の試みに
「強く反対」
した。
これらを踏まえ、自衛隊と米比両軍の合同訓練拡充や、海上保安機関の合同訓練の実施、海洋協議の創設などを打ち出した。
日本は政府安全保障能力強化支援(OSA)の枠組みを用いて防衛装備品を供与し、比軍の強化にも協力する。
自衛隊と比軍の相互往来をスムーズにする
「円滑化協定)RAA)」
の締結を急ぐべきである。
フィリピンのインフラへの投資の加速や民生用原子力計画に携わる人材育成への協力も掲げた。
着実に進めたい。
注目すべきは、共同声明で
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
を表明したことだ。
台湾は日比両国の間に位置する。
南シナ海は安保、通商の両面で日米にとって極めて重要な海上交通路(シーレーン)だ。
中国の台湾侵攻や南シナ海支配は容認できない。
日米比が協力して対中抑止に努めるのは理に適う。
岸田首相は米議会演説で日本が
「控えめな同盟国」
から
「外の世界に目を向け、強くコミット(関与)した同盟国」
へ自らを変革してきたと説いた。
米比との協力はその実例である。

日米首脳会談 世界に広がった多面的な「協働」
2024/4/12 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20240412-OYT1T50009/
冷戦後の世界が今ほど厳しい試練に直面したことはない。
日米の首脳が結束し、安全保障やエネルギー、宇宙など幅広い分野で
「協働」
していくことで合意した意義は大きい。
日米同盟をより強固にし、新たな国際秩序の構築に生かしていく時代に入った。
岸田首相が米国を国賓待遇で公式訪問し、ワシントンでバイデン米大統領と会談した。
◆部隊運用を一体的に
両首脳は会談で
「日米同盟は前例のない高みに到達した」
という認識で一致した。
会談後には、日米両国がインド太平洋地域にとどまらず、世界の課題に対処する
「グローバルなパートナー」
と位置付ける共同声明を発表した。
今回の会談の最大の特徴は、自衛隊と米軍をより一体的に運用できるように
「指揮統制」
の在り方を見直す方針を決めたことだ。
在日米軍は現在、米ハワイに司令部を置くインド太平洋軍の指揮に基づいて活動している。
一方、日本は2024年度末に陸海空3自衛隊を一元的に指揮する
「統合作戦司令部」
を創設する予定だ。
これに合わせて、米軍は自衛隊との共同作戦を円滑に進めるため、インド太平洋軍司令部の権限の一部を在日米軍司令部に移行するという。
台湾有事は現実味を帯びている。
北朝鮮はミサイル発射を繰り返し、挑発を続けている。
緊急事態に日米が即応できる体制を整えなければならない。
会談ではまた、日米でミサイルなど装備品の共同開発・生産を拡充していくことでも合意した。
ウクライナへの軍事支援を続けてきた米国では、装備品の生産能力が 逼迫しているため、日本が生産体制を補完する意味がある。
岸田政権はこれまで、敵のミサイル発射拠点を攻撃する反撃能力の保有を決め、
米国が
「矛」、
日本が
「盾」
という従来の役割の見直しを進めてきた。
こうした取り組みが、米軍と自衛隊の一体的な運用を可能とし、抑止力を高めることに繋がるのは間違いない。
今回の首脳会談での合意は、日米の新たな防衛協力の出発点となるのではないか。
ただ、自衛隊と米軍の一体運用に向けては課題もある。
日本の存立が脅かされる
「存立危機事態」
では、自衛隊は集団的自衛権を行使し、米軍の戦闘に協力できる。
だが、その認定なしに米軍の戦闘を支援すれば、
「武力行使の一体化」
として憲法との整合性を巡る論議が必要となる。
現実に即して問題点を整理していくことが重要だ。
◆安定的な供給網を確認
首脳会談の成果は防衛分野に限らない。
両首脳は、次世代エネルギーとして期待される核融合発電の技術協力を進めることで合意した。
実用化すれば、安定したエネルギー源を確保し、国際社会に貢献することができるだろう。
宇宙に関しては、米国が主導する有人月探査
「アルテミス計画」
で、日本人の宇宙飛行士2人を月面着陸させることを決めた。
経済安保では、半導体やレアメタルなど重要鉱物の安定的な供給を図るため、先進7か国(G7)で協力することを確認した。
中国は、政治的に対立する国に対し、重要鉱物などの貿易を制限して圧力を掛ける
「経済的威圧」
を繰り返している。
多国間で協力し、中国への依存度を下げていく必要がある。
国際情勢は 混沌としており、日本の外交力も試されている。
米国は、ロシアによるウクライナ侵略や、中東の紛争への対応を強いられ、アジアの安全保障に向き合う余力は限られている。
中国が東・南シナ海で覇権主義的な動きを強め、北朝鮮も核・ミサイル開発を続けている。
日本はアジアの平和を守るため、主導的な役割を果たすべきだ。
◆早期停戦へ外交努力を
日本は長年、グローバル・サウスと呼ばれる新興国・途上国の発展を支援し、各国と良好な関係を築いてきた。
中東では、紛争に関与したことがなく、宗教的な対立も抱えていない。
日本の強みを生かし、欧米と、新興国との橋渡し役を担っていきたい。
イスラエルとイスラム主義組織ハマスに対して停戦を呼び掛けていくことが大切だ。
首相は会談で、日本人拉致問題の解決に向けて北朝鮮との対話や交渉に理解を求め、バイデン氏の支持を取り付けた。
日朝首脳会談を行うとしても、それはあくまで日米韓の連携を保つことが前提だ。
その原則を首相は忘れてはならない。

[社説]世界の安定へ重責増す日米同盟
社説
2024年4月11日 19:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK115050R10C24A4000000/
ウクライナ戦争や中東危機できしむ国際秩序をどう立て直していくのか。
岸田文雄首相が2024年4月10日、ワシントンでバイデン米大統領と会談し、日米同盟をあらゆる面で深め、世界の安定に貢献していく方針を打ち出した。
日本周辺の安全保障環境は厳しさを増しており、日米同盟の強化は不可欠だ。
一方で日本はかつてない重責を負うことになる。
米国への協力内容は曖昧な面もあり、首相はこれを明確にして国民の理解を得るべきである。
■指揮統制に実効性を
共同記者会見で、首相は
「力や威圧による一方的な現状変更の試みは、世界の如何なる場所であれ断じて許容できない」
「同盟国、同志国と連携し、毅然として対処していく」
と強調。
バイデン氏は
「同盟発足以来、最も重要な刷新だ」
と語った。
混迷を深める世界に米国だけでは対処できない。
安定した世界秩序に向け、同盟国との連携強化は重要だ。
ただそれに実質が伴うよう、どう具体化するかはこれからだ。
中核になるのが、自衛隊と在日米軍の連携強化に向けた指揮統制の在り方の見直しである。
自衛隊は陸海空やサイバー、宇宙といった多様な部隊を一元的に指揮する
「統合作戦司令部」
を2024年度中に立ち上げる。
米軍側のカウンターパートは、沖縄の海兵隊や横須賀の第7艦隊などへの指揮権を持ち、ハワイに本拠を置くインド太平洋軍となる。
日本とハワイは時差や距離があり、有事の際に緊密に協力できるか不安がある。
このため在日米軍の司令部機能を強化するといった改善案が検討に挙がっている。
米軍が偵察、監視能力を用いて敵国のミサイルを探知し、自衛隊がその情報を受けて迎撃ミサイルで撃ち落とす。
こうした協力を可能にするには双方による指揮統制の緊密な連携が不可欠だ。
ただ、自衛隊が米軍の指揮下に入ると、他国の武力行使との一体化は認めないという憲法上の問題が生じかねない。
米軍が主導する紛争に自衛隊がいつの間にか組み込まれるといった不安も残る。
日本政府は
「自衛隊が米軍の指揮下に入ることはない」
などと説明しているが、具体的な姿はまだ見えない。
実効性のある改善策を速やかに示してほしい。
中国の急速な軍拡を受け、日米同盟だけではインド太平洋の安定はおぼつかなくなってきた。
米国は同盟国、同志国と共に抑止力を高める
「統合抑止」
を掲げ、多国間の重層的な協力を進める。
米国と英国、オーストラリアによる安保枠組み
「AUKUS(オーカス)」
に日本が技術協力すると決めたのはその一環だ。
日米がフィリピンと初めて3カ国による首脳会談を開く意義も大きい。
フィリピンは南シナ海で中国から威圧され、小競り合いが続く。
日米がフィリピンを支える構図は、力による一方的な現状変更は許さないとの中国への強いメッセージになる。
海洋安保を中心に幅広い協力を期待したい。
もっとも、抑止力の向上だけでは地域の安定は望めない。
日米同盟の強化に中国は早速反発した。
両首脳が中国との対話の継続を確認したのは当然だ。
意思疎通のパイプを太くし、誤解や意図せざる衝突を防ぐ危機管理がこれまでにも増して重要になる。
この点で、米中間では閣僚の往来など一定の対話が機能しているのに対し、日中間は対話のチャンネルが乏しいのが気がかりだ。
■深まる経済・科学協力
日米は経済や科学技術の分野の協力も重層的にする。
グリーントランスフォーメーション(GX)分野では、両国の政策の相乗効果や影響を最大化するための対話枠組みを創設する。
脱炭素関連産業の競争力強化に生かしたい。
半導体などのサプライチェーン(供給網)強化に向け、両国の経済、技術戦略を整合させることも謳った。
ただ、その一環となる日本製鉄によるUSスチールの買収を、首相が後押しする姿勢が見えなかったのは残念だ。
先端技術は経済安保で重要性が増している。
核融合発電や次世代半導体、生成AI(人工知能)、月面探査などで協力を深め、中国を念頭に技術流出を防ぐと共に競争優位に立つ狙いがある。
その半面、中国やロシアの反発を招き、国際協力を前提としていた科学技術分野でも分断を促す懸念もある。
この点にも留意して協力を深めてほしい。
2024年11月の米大統領選の行方は見通せない。
今回の首脳会談が、選挙結果に左右されない強固な同盟に繋がるよう期待する。

(社説)日米首脳会談 説明なき一体化の加速
2024年4月12日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S15910263.html
自衛隊と米軍の
「指揮統制」
の連携強化、対中国を念頭に置いた米英豪の安全保障枠組み
「AUKUS(オーカス)」
との協力、日米の防衛産業を繋ぐ当局間の定期協議の新設――。
岸田首相とバイデン大統領のワシントンでの日米首脳会談は、安保分野での協力の深化が前面に押し出された。
日米を地球規模で協働する
「グローバル・パートナー」
と位置付けた共同声明は冒頭、
「日米同盟は前例のない高みに到達した」
と謳う。
1960年の日米安保条約改定以来の
「最大の変化の1つ」
と評する米高官もいる。
だが、それに見合う国民への説明は後回しになっていないか。
加速する日米の
「一体化」
に幅広い支持が得られるのか。
岸田政権の今後の姿勢が問われる。
指揮統制の連携が求められる一因は、自衛隊の敵基地攻撃能力の保有にある。
米軍任せだった
「矛」
の役割の一部を日本が担うため、運用面での調整が不可欠となった。
自衛隊が2024年度中に陸海空の部隊を一元的に指揮する
「統合作戦司令部」
を設けるのに併せ、米側も在日米軍司令部の体制を強化。
平時・有事を問わず、連携を強める。
政府は、有事でも自衛隊と米軍の指揮系統は別だと強調する。
具体的な枠組み作り次第だが、圧倒的な装備や情報力を持つ米国に対し、日本が本当に主体的な判断ができるのか、心許ない。
防衛産業の連携では、日米でのミサイルの共同開発・共同生産や、米軍の艦艇や航空機の日本の民間施設での整備が念頭にある。
AUKUSとは兵器開発に必要な先端技術分野での協力を検討する。
日本は先の防衛装備移転3原則と運用指針の改定で、殺傷兵器の輸出に道を開いた。
英国、イタリアとの共同開発の合意が先に立つ形で、日本から第3国への戦闘機の直接輸出も認めた。
国際的な枠組みを先行させ、なし崩しに武器輸出を拡大するようなことが繰り返されてはならない。
日米が同盟強化を急ぐ背景には、急速な軍拡を続け、既存の秩序に挑戦する中国の存在がある。
ただ、経済分野も含め、中国への対抗のみが突出すれば、却って地域の不安定化に繋がりかねない。
共同声明は中国の強引な海洋進出を批判し、台湾海峡の平和と安定の重要性を指摘する一方、中国との率直な意思疎通の重要性や共通の関心分野での協力にも言及している。
言葉だけに終わらせず、首脳や閣僚級の直接対話といった実際の行動が、日本にも強く求められる。

岸田・バイデン会談 問われる日本の外交戦略
毎日新聞
2024/4/12 東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20240412/ddm/005/070/067000c
自由で開かれた国際秩序が揺らいでいる。
その立て直しに日米がどのような役割を果たせるか。
同盟の在り方が問われている。
岸田文雄首相とバイデン米大統領がワシントンで会談した。
首相の国賓待遇での訪米は2015年の安倍晋三首相(当時)以来、9年ぶりとなった。
眼前に広がるのは殺伐とした世界だ。
国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアがウクライナに侵攻し、中国は威圧的行動で東・南シナ海の緊張を高める。
パレスチナ自治区ガザ地区では人道危機が深刻さを増している。
こうした国際情勢を踏まえ、打ち出されたのは、日米が世界の課題に取り組む
「グローバル・パートナーシップ」
という考え方だ。
インド太平洋地域を超え、地球規模で協力する。
■際立った対中強硬姿勢
防衛協力の拡大はその一環だ。
自衛隊と米軍の指揮・統制を向上させるという。
一元的に部隊運用を担う自衛隊の
「統合作戦司令部」
新設に合わせ、在日米軍も司令部機能を強化する。
有事における連携を強める狙いだ。
際立ったのは中国への対抗姿勢だ。
米英豪の安全保障枠組み
「AUKUS(オーカス)」
が先端技術分野での日本との協力を検討する。
日本を引き込もうとする米側の思惑も窺える。
経済分野でも半導体のサプライチェーン(供給網)強化や、人工知能(AI)などの技術開発で連携を表明した。
中国に重要物資を依存するリスクを軽減するためだ。
東アジアの安全保障環境は厳しさを増しており、日米同盟を基軸とした抑止力の強化は必要だろう。
ただ、懸念されるのは、日本が主体性を欠いたまま米国の世界戦略に巻き込まれることだ。
日本はこれまでも、防衛力強化を加速してきた。
集団的自衛権の行使が可能となる安全保障関連法を制定し、相手国の基地を叩く反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有も決めた。
周辺国との対話が不十分なまま、抑止力だけを強めれば緊張を高めかねない。
求められるのは、日本独自の外交戦略だ。
中国との関係で日米では事情が異なる。
米国は中国を安全保障と経済の両面で最大の競争相手と位置付ける。
日本は経済的な繋がりが強く、対中関係を安定化させることが求められる。
首相は記者会見で
「建設的かつ安定的な日中関係の構築を双方の努力で進めていく」
と語ったが、中国と合意した
「戦略的互恵関係」
の具体化はこれからだ。
東京電力福島第1原発の処理水放出を巡る対立、沖縄県・尖閣諸島周辺での中国公船による領海侵入など横たわる課題は多い。
米側は会談に先立ち、バイデン氏が習近平国家主席と電話協議した。
訪中したイエレン財務長官も新たな経済対話の枠組みで合意するなど、意思疎通を継続している。
日本側には、そうした強かな戦略が見えない。
■互恵関係の強化が必要
国際社会における米国の影響力は陰りを見せており、日本が多角的な外交を展開する重要性は増している。
インドを含めたグローバルサウスと呼ばれる新興・途上国や、東南アジア諸国連合(ASEAN)などと関係を深めることは欠かせない。
東アジア情勢の安定に向けて日中韓の枠組みなどを生かすことも求められる。
2024年11月の米大統領選でトランプ前大統領が再選された場合、米国が再び
「自国第一主義」
に陥るリスクは燻る。
会談では、それぞれの脱炭素戦略を連携させ、投資を共同で進めることを確認した。
国内企業への補助金に関する共通のルール作りも進める。
内向きになりがちな米国を引き寄せる狙いがある。
首相は米議会での演説で、
「ほぼ独力で」
国際秩序の維持に貢献してきた米国を讃え、
「最も親しい『トモダチ』」
として、日本も役割を分担する決意を示す。
2024年3月に亡くなった五百旗頭真・元防衛大学校長は
「20世紀の日本は中国、米国の双方と戦争をして滅んだ」
と指摘し、
「日米同盟」

「日中協商」
を両輪とする外交を提唱した。
日米同盟を堅持しつつ、中国とも相互に利益を得られる関係を築くことを説いたものだ。
大国が身勝手な振る舞いを繰り返す中で、法の支配に基づく国際秩序をどう取り戻すのか。
今求められているのは、日本外交の骨太のビジョンだ。

<社説>日米の軍事協力 衆議なき一体化を糾す
2024年4月12日 08時23分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/320785
岸田文雄首相とバイデン米大統領が日米軍事協力の強化に合意した。
岸田政権が2022年12月に改定した国家安全保障戦略に沿った内容だが、同戦略は国会の議決も国民の審判も受けていない。
米国との軍事一体化を国民的な議論を経ず、既成事実化するような振る舞いを糾さねばならない。
両首脳は会談で、自衛隊と在日米軍の相互運用性を高めるため、双方の指揮・統制枠組みを見直すことで一致。
防衛装備品の共同開発・生産に関する定期協議の開催にも合意した。
日本は殺傷能力のある武器の輸出を一部解禁し、迎撃用地対空誘導弾パトリオットの対米輸出も決めており、武器を巡る日米協力は更に拡大されることになる。
首相の国賓待遇での訪米は、日本の安保政策の転換を米側が評価した結果でもあるが、そもそも国会の関与も国政選挙もなく、平和憲法の理念を形骸化させる政策転換は許されるものではない。
いくら米国と合意しても、国民が幅広く賛同しなければ、合意の有効性すら疑われかねない。
覇権主義的な動きを強める中国に対抗するためとはいえ、日米が
「グローバルなパートナー」(共同声明)
として軍事一体化を際限なく進めれば、米国の戦争に日本が巻き込まれる懸念も高まる。
日本側には、2024年11月の米大統領選でトランプ氏が返り咲くことも想定し、米国の東アジア関与を確実にしておきたい思惑もあろう。
首相が米上下両院合同会議での演説で、米国第1主義を掲げるトランプ氏の支持層を意識し、米国が引き続き世界秩序を主導するよう求める狙いは理解する。
ただ
「日本は米国と共にある」
との呼び掛けは、米国に常に追従し、軍事・財政負担の一層の用意があると受け取られかねない。
イラク戦争の例を挙げるまでもなく、米国が判断を誤れば、国際情勢に深刻な影響を及ぼす。
首相が
「日本は米国の最も近い同盟国」
と胸を張るなら、米国が独善的な行動に走る場合には誤りを正し、修正を促す役割があることも忘れてはならない。

[18初期非表示理由]:担当:スレ違いの長文多数のため全部処理

26. カミー[255] g0qDfoFb 2024年4月17日 15:14:31 : VD4ii5VLrc : LkNtNWhSVENTRS4=[980] 報告
売国棄民政治どころか国賓待遇で招待していただいたと舞い上がって日本国民をアメリカの泥船に乗せて漕ぎ出す約束をしてしまったようです。いつ沈没するか不明の泥船です、命が助かりたいなら下船しなければなりません。どうすればいいでしょう、みなさん。

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