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異常なインバウンド効果に翻弄される日本…植民地根性丸出しの政治と社会から抜け出すべき 二極化・格差社会の真相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/338679
2024/04/09 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
すでに観光立国にありがちな植民地経済の様相を呈していないか(C)日刊ゲンダイ
妻と久しぶりに箱根に出かけた。酒と温泉三昧のホテルライフ(わずか2泊3日の)は快適だったが、帰路が最悪。駅行きのバスが、東京の通勤ラッシュより混んでいた。
大半がインバウンドの客だった。中国人や韓国人が多かった少し前と違い、ほとんどが欧米人。で、その一部がまた、実に傍若無人なのである。
巨大な荷物を大量に持ち込んでくる。数百円の支払いに平然と万札を突き出す。空いた席に座りかけた人を「NO!」とはねのけ、遠くにいた自分の子を「BOY!」と呼び寄せるマダムさえ。
だから車内は一触即発。私も爆発寸前だったが、まともなインバウンドたちも、さぞ嫌な思いで離日していったことだろう。
運転手さんが頭を抱えていた。話しかけると、うんざりした口調で、「こんな状態がもう何カ月も。今後もずっと続くのかと思うと……」と語った。
インバウンドの回復ぶりは異常なほどだ。2023年の訪日客の旅行消費額は約5兆2923億円で過去最高。人数は約2506万人、コロナ禍前の8割程度でこの数字だから、なるほど関連業界の、ただし客と直接には接しない立場にとっては、消費増進への期待が膨らむ一方なのだろう。
政府の鼻息は荒い。岸田首相は1月の施政方針演説で、「2030年訪日客6000万人、消費額15兆円を目指す」と述べた。人手や宿泊施設の実態は完全に無視されている。
それでも箱根のような、観光で成立している町はまだしも、ではある。だが、それで全体が潤うわけではない、たとえば京都市では、大多数の住民の生活が脅かされている。オーバーツーリズム(観光公害)が都市の機能を破壊しかねない危険は、ベネチアやバルセロナ、マチュピチュなどの例で、わかりきっているのに。
この国の政府は卑しい。程度というものを知らない。観光立国路線を牽引してきた二階俊博・元運輸相の体質そのものだ。
インバウンドをめぐる現状は、すでに観光立国にありがちな植民地経済の様相を呈している。資源はないし大地震や水害が絶えず少子化も加速の一途の日本が小国になっていくのはやむを得ない。ただ、ならばなおさら植民地根性丸出しの政治と社会から一刻も早く抜け出す必要がある。軍拡で世界第3位の軍事大国にひた走りつつ、そのココロは米国の世界戦略の片棒担ぎ、対中国の弾よけ兼鉄砲玉志願だなんて、悲しすぎないか。
10日は日米首脳会談だ。じきにゴールデンウイークがやってくる。
斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。
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