http://www.asyura2.com/24/senkyo293/msg/751.html
Tweet |
※紙面抜粋
※2024年3月29日 日刊ゲンダイ2面
世紀の倒錯が進行中 丸ごと腐敗政党が党内処分で幕引きを狙う茶番劇
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/338233
2024/03/29 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
新4人組(左上から時計回りに塩谷、下村、西村、世耕の安倍派幹部)/(C)日刊ゲンダイ
野党が怒るのも無理はない。
国会では28日午後7時前に、新年度予算が参院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立。一般会計総額112兆5717億円という過去2番目の規模の巨額予算である。採決が遅い時間となったのは、本会議に先立って行われた参院予算委員会の開催が予定より約2時間遅れたため。理由は裏金事件をめぐる自民党のフザケた対応のせいだ。
10人が弁明に立った衆参の政治倫理審査会では、「私の知っていることを全て正直に話したい」と宣言した厚顔もいたが、結局「知らぬ存ぜぬ」のオンパレード。ところが、岸田首相が今週、自ら乗り出して追加の聞き取り調査を始めると、新疑惑が2つも明らかになったのである。
国会では何も答えないくせに、身内の首相や幹事長が密室で聴くと答えるらしい。立憲民主党の斎藤参院国対委員長は「政倫審はいったい何だったのか」とカンカンだった。
すべてが内輪
新疑惑のひとつは、「3月協議」だ。
安倍派の裏金キックバックについては、安倍元首相が会長に就任した後の2022年4月にいったん、中止が決まり、安倍の死去後の同年8月の幹部協議の後、復活したことが分かっている。それで、その8月謀議のメンバーだった塩谷元文科相、下村元文科相、西村前経産相、世耕前参院幹事長が自民党の追加聴取の対象となったのだが、実際は同年3月にも、キックバックの扱いをめぐる幹部協議が開かれていた可能性があるというのである。
3月協議に参加したメンバーは細田前会長、安倍、西村、世耕の4人。この事実を自民党執行部も把握しており、追加聴取でその調査も進めているという。
だが、この3月協議があった可能性については、世耕の政倫審で野党が追及済み。その際、世耕は「スケジュール表にも記憶にも残っていない」と弁明していたから、野党は「虚偽答弁だ!」と猛批判である。
新疑惑のもうひとつは、日本テレビが、おととい独占スクープした「森元首相関与」の証言だ。
岸田の聴取を受けた安倍派幹部の一部が、「キックバック再開の判断には森元首相が関与していた」と新たな証言をしたというのである。
安倍派の裏金づくりは20年以上前から始まったとの指摘があり、当時の会長だった森の関与が疑われている。さらに、安倍死去後の集団指導体制で、森がボスさながら、派閥を牛耳っていたのは衆目の一致するところ。日テレが報じた新証言が事実なら、裏金の実態解明のためにも、森に対する聞き取り調査や国会招致が必要だ。
しかし岸田は、追加聴取で森の関与を示す証言が出たのかを参院予算委で問われると、「今の段階で内容は明らかにしない」とスットボケた。一方で、森に対して聴取する可能性には言及。「関係者のひとりであり、政治責任を明らかにするために必要な方ということで含まれる」と答弁したのだ。
木で鼻をくくったようなこの対応は何なのか。世論調査では8、9割が裏金事件について「説明責任が果たされていない」と答えているのである。ところが、岸田自民党はそうした世論に真摯に向き合う気がない。
すべてが密室。すべてが内輪。嘘も方便……。野党をバカにした国会対応は、その後ろにいる主権者国民をバカにしているということだ。
政治評論家の野上忠興氏はこう言う。
「裏金事件をめぐる岸田首相の対応すべてが『やってる感』なのです。『火の玉になって党改革』と本気で言うなら、こんなダラダラ時間をかけませんよ。通常国会が召集されてもう2カ月。いい加減なことこの上ない。岸田首相は森元首相の聴取もするようなそぶりを見せましたが、森元首相が呼ばれたとして、適当にお茶を濁すだけでしょう。すべてが茶番です」
野党に蹴落とさないと政治に緊張感は生まれない
政倫審での弁明と党内調査での証言が全く違う。こんな倒錯があるものか。政倫審に出席した安倍派幹部6人を、ガン首揃えて、偽証罪に問われる証人喚問に引っ張り出すしかない。それなのに、岸田は来週にも裏金議員の処分を決定して幕引きしようとしているから許し難い。
大メディアはきのう一斉に「首相、来週中にも関係議員を処分へ」と報じた。新年度予算成立を受けての記者会見で、岸田が「来週中にも処分が行われるようプロセスを進めていきたい」と発言したからだ。処分については、「不記載の金額、役職や議員歴、説明責任の果たし方を含む信頼回復に向けた努力状況を踏まえて総合的に判断する」とした上で、「党の手続きを経て厳しく対応する」と強調した。
すでに大メディアは、首相官邸や自民党執行部による処分案のリークに飛びつき、あーだ、こーだと連日、垂れ流し状態。安倍派のキックバック復活謀議のメンバーである塩谷、下村、西村、世耕の幹部4人は、重い順から4番目の「選挙における非公認」以上の処分になる見通しだとされるが、松野前官房長官、高木前国対委員長、萩生田前政調会長の幹部3人も前述の4人に次ぐ重い処分が検討されているとの報道も出てきた。その他の裏金議員も金額や役職など立場によって、処分を3、4段階に分ける案が出ているという。
しかし、である。裏金づくりの実態が何も分かっていないのに、どうして処分ができるのか。そもそも、昨年11月に疑惑が発覚してから既に4カ月が経過したのに、なぜマトモな調査ができていないのか。立件された安倍派、二階派、岸田派の3派閥の裏金総額は9億7000万円に上る。脱税の疑いだって消えていない。こうした裏金スキームは20年以上前から連綿と続いていた。どこをどう切っても、自民党は悪質極まりない腐敗政党と言うしかない。
「結局、自民党は我が身可愛さで与党として生き残るためなら何でもする政党なのですよ。何十年にもわたって裏金をつくり続け、それが事件になっても、真相究明することなく、原因を根本から断ち切ることもない。反省していないのです。ここまで腐り切った自民党に、これ以上、権力を握らせ続けていいのかどうか。『自民党は酷いけど、野党もだらしない』などと嘆いている状況ではない。自民党を野党に蹴落とさないと、政治に緊張感は生まれません。内向きの自民党政権は国民に目を向けていない。鉄槌を食らわさないと、国民生活はますますガタガタになるだけです」(野上忠興氏=前出)
焼け太りは常套手段
実際、内閣支持率が2割を切るまでに国民の信頼を失った総スカン政権なのに、やりたい放題の倒錯はむしろ加速している。
26日には、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機の第三国輸出の解禁を閣議決定。高い殺傷能力を持つ戦闘機の輸出は、憲法9条の下の「平和国家」の変容以外の何物でもない。輸出ルールは慎重姿勢の公明党に配慮して「個別案件ごとに閣議決定」としたが、そもそも国会が関与する仕組みがないのは問題だ。
高齢者イジメもますます進む。来月から75歳以上の後期高齢者の健康保険料が引き上げられ、年金の実質支給額も減らされるのだ。もう、メチャクチャじゃないか。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「裏金事件に国民の関心や野党の追及が集中しているのを逆手に取って、岸田政権は大軍拡、大増税、国民負担増にまっしぐらです。大メディアが『処分はどうなる』など政局報道にかまけている背後で、やりたい放題と焼け太りの政治が着々と進行していく。もっとも、自民党政権はずっとそういうことをやってきた。焼け太りは彼らの常套手段です。腐敗政党を政権の座から追い落とさないと、国民生活は救われない。国民がそれに気づいて引導を渡すことができるのかどうかが、問われているのです」
もはや、待ったなし。あらゆる選挙での決起が必要だ。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK293掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK293掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。