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※紙面抜粋
※2024年3月27日 日刊ゲンダイ2面
なぜ不出馬宣言がケジメになるのか 「ばかやろう」と言いたいのは国民だ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/338065/2
2024/03/27 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
26日、記者会見で次期衆院選に不出馬を表明する自民党の二階俊博元幹事長(C)日刊ゲンダイ
「結論から言うと、彼が僕の口座からお金を盗んで(略)皆に嘘をついていた」
日本時間26日、元専属通訳だった水原一平氏による違法賭博問題について会見を開いた米大リーグ・ドジャースの大谷翔平。
先週末の問題発覚以来、大谷が水原通訳の違法賭博にどの程度、関わっていたのかに世界中が注目していたが、大谷は会見の冒頭、自身の関与を全面的に否定。その後、経緯を淡々と説明する表情からは、自身を公私にわたって長くサポートしてきた水原通訳に対する怒りの感情すら垣間見える場面もあった。
10年で総額7億ドル(約1015億円)という「世界一稼ぐアスリート」の専属通訳であっても、違法・脱法行為に手を染めたと分かれば当然のごとく解雇され、責任を厳しく追及される。それが民主主義国家の常識であり、当然の展開だ。
ところが、違法・脱法行為を組織的、常習的に繰り返し、それが発覚したにもかかわらず知らん顔。あろうことか、後付けの屁理屈をこね上げて逃げ回り、今もなお、その職にしがみつき、居座り続けているのが裏金づくりに手を染めてきた自民党の国会議員の面々だ。
本来なら議員辞職が当然なのに、誰一人として離党(起訴された議員は除く)すらせず、まるで何事もなかったよう。これを無責任と言わずに何と表現するのか。堕落腐敗政治も極まれりだ。
不出馬の本音は、事実を隠蔽して逃げ切るため
その象徴が、二階元幹事長が25日、党本部で行った「次期衆院選不出馬」会見だろう。
「すでに秘書が刑事処分されたが、政治責任は監督責任者である私の責任。自らの政治責任を明らかにすべく、岸田首相に次期衆院選に出馬しないことを伝えました」
二階は冒頭こそ、準備した紙をぼそぼそと読み上げたが、その後の質疑応答は側近の林党経理局長が答えていたからワケが分からない。
記者が政治倫理審査会(政倫審)に出席しないのかを問うても、二階ではなく、林が「出席は自分の判断ということで、出席する必要はないと判断した」、2019年の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で当時、幹事長だった二階から「3300万円」のカネが提供されていたメモが見つかったことについても、これまた林が「党本部からだ。裏金ではない」などと答えていたからクラクラする。一体だれのため、何のための会見なのか。会見で答えるべき当事者は、誰が考えても二階本人だろう。
二階派では派閥パーティーの収入計3526万円を資金管理団体の政治資金収支報告書に収入として記載しなかったとして秘書が同法違反で略式起訴され、有罪が確定。同派の元会計責任者はパーティー収入など計約2.6億円の収入を派閥の収支報告書に記載しなかったとして在宅起訴された。にもかかわらず、二階はこれまで、秘書が立件されても知らぬ存ぜぬ。巨額の裏金に説明もない。さらに言えば幹事長時代の5年間に受け取っていた政策活動費50億円の「使途」を巡る疑惑もくすぶっている。
不出馬を決めたのは「自らの政治責任を明らかにすべく」などと格好つけて言っていたが、実際は「事実を隠蔽して逃げ切るため」が本音ではないのか。
政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「政治責任というのであれば、自身はもちろん、裏金づくりが始まった当時の安倍派会長、森元首相も説得して一緒に証人喚問に出席し、全てを明かにすべきでしょう。ところが、そういう行動は何もない。利益誘導だけを考えてきた政治家ですから、責任などみじんも感じていないのではないか」
岸田や二階、安倍派幹部は議員辞職しかない
そんな二階が感情をあらわにしたのが、次期衆院選の不出馬を決めた理由として、記者が「不記載の責任」なのか、「年齢の問題」なのかを聞いた時だった。
「年齢制限はあるのか。おまえもその年が来るんだよ」「ばかやろう」
それまで死んだ魚のようだった目をカッと見開き、質問した記者を睨みつけながらブチ切れて恫喝する姿は、とてもじゃないが政治家の姿とは言えないだろう。
そもそも、記者は憲法で保障された「知る権利」に基づき、国民に代わって公僕である二階に問うているのだ。つまり、「おまえ」や「ばかやろう」という言葉は、記者の背景にいる主権者、有権者に対する暴言にも等しい。
この言動から見ても、自身に対する「巨額の裏金」「政策活動費50億円の使途」といった数々の疑惑について反省していない証左ではないか。
二階の会見について問われた共産党の小池書記局長は「ちょっと言うことが違う。ちゃんと(裏金事件の)真相を語れと言いたい」と批判していたが、その通り。何ら説明もせず、証人喚問どころか政倫審すら出席しないクセに、上から目線で怒鳴り散らす。これぞ悪しき「ザ・自民党」議員の姿。
「ばかやろう」と言いたいのは、二階ではない。国民の方なのだ。
適当な処分で裏金事件に幕引きさせるな
さらに唖然呆然なのが、二階の不出馬表明を受け、党執行部が二階に対する処分を見送る検討に入った、と報じられていることだ。岸田は「自民党の再起を強く促す出処進退であると重く受け止めた」なんて言っていたが、二階は25年10月まで残る衆院任期中は議員を続けるし、離党もしない。これがなぜ、「再起を促す出処進退」なのか。ケジメになるのか。
二階の処分見送りの報道に対し、SNS上で<ふざけるな><これぞ、ばかやろうと言いたい>と怒りの声があふれるのも当然ではないか。
二階は以前から、衆院くら替えを狙う同じ和歌山の世耕前参院幹事長とのギクシャクした関係が指摘されている。裏金事件で安倍派幹部の世耕の処分が「非公認」以上になる見通しとなったことから、二階が息子への「世襲」を維持するために先手を打った──といった報道もあるから、そうであれば二階の不出馬は既定路線。あらためて、ケジメも何もありゃしないだろう。
それにしても、つくづく情けないのはメディアだ。岸田が26日から、安倍派の塩谷元総務会長ら同派幹部4人の追加聴取を始めたことを受け、不出馬表明した二階の動きを「安倍派への牽制になった」と報じているが、今、国民生活には何ら関係のない党内抗争の様子を詳述する意味があるのか。
繰り返すが、二階も安倍派幹部も、裏金事件については何一つ明らかにしていないのだ。事実関係も分からずに、処分もヘッタクレもない。メディアとしてやるべきことは、一部議員の適当な処分で裏金事件に幕引きさせることではなく、全容解明するまで徹底的に追及すること。大谷を巡る水原通訳の違法賭博問題を報じる米メディアの厳しい姿勢を見て、同じ報道機関として何も感じないのか。
政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう言う。
「実態解明もなく処分という意味が分からない。順番が逆でしょう。二階氏の出馬見送りも、息子に譲る道筋が見えたからとしか見えないし、岸田首相の追加聴取だって、今さら何を聞くのか。結局は形だけのパフォーマンスであり、茶番劇と言う以外にありません」
岸田や二階、安倍派幹部の「責任」の取り方は議員辞職しかない。
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