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安倍派幹部4人“異次元”の嫌われぶり 裏金事件「非公認」処分なら国政選挙で軒並み討ち死に確実
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/337942
2024/03/26 日刊ゲンダイ
嫌われ方は半端じゃない、政治生命の危機(左上から時計回りに下村、塩谷、西村、世耕の安倍派幹部の4氏)/(C)日刊ゲンダイ
裏金事件を巡って自民党は、安倍派のキックバック処理を協議した幹部会合(2022年8月)に出席した塩谷元文科相と下村元文科相、西村前経産相、世耕前参院幹事長の4人に「選挙での非公認」以上の処分を科す方向で調整中だ。この4人を含め安倍、二階両派の議員計82人の処分を4月上旬にも決定するという。
衆参の政治倫理審査会では、安倍元首相が「キックバック中止」を指示したにもかかわらず、安倍死去後の幹部会合を経てキックバックが継続となった経緯が焦点となっていたが、4人とも「知らぬ存ぜぬ」。厳しい処分は当然だろう。
驚くのは安倍派内から4人を擁護する声がほとんど上がらないことだ。同派の稲田幹事長代理も24日のフジテレビの番組で、4人の処分について「まだ不透明なところは多いと思う」と苦言を呈していたほどだ。
「安倍派の幹部は派閥の運営を牛耳り、閣僚ポストも事実上、独占してきました。エラソーに中堅・若手を指導していた。なのに、幹部としての説明を求められても『オレは知らない』と責任逃れです。無責任にもほどがある。いまや、若手議員まで『安倍派所属』というだけで悪者扱いです。誰かが処分されないと収まりませんから、『非公認』は当然でしょう。派内で彼らをかばう声はありませんね」(安倍派議員の秘書)
“異次元”の嫌われっぷりだが、党の公認がもらえないとなると、4人とも次の国政選挙は落選の危機だ。
最も危ないのは、衆院静岡8区の塩谷氏。立憲民主党の候補と一騎打ちだった前回21年選挙では、2万票以上の差をつけられて落選し、比例復活の憂き目にあった。「党の公認がなければまず勝てない」(地元関係者)。無所属だと比例復活できないため、“ただの人”へまっしぐらだ。
東京11区の下村氏も厳しい。
「前回衆院選では立憲の候補に3万票以上の差をつけて当選したが、野党票を合算すると横並びになる。さらに、非公認だと公明党の推薦を得られない可能性が大きい。選挙区内の公明票は3万票超だから、一気に“黄信号”です」(都政関係者)
西村前経産相は選挙区内で「釈明ビラ」
迷惑かけたとビラ配り。でも「知らぬ存ぜぬ」じゃあ…(西村康稔前経産相=兵庫県明石市、1月)/(C)共同通信社
前回衆院選で共産党候補に9万票以上の差をつけて圧勝した西村氏も盤石ではない。不安材料は、泉房穂前明石市長が立憲の候補者として浮上していることだ。
「西村さんは選挙区内の淡路島の3市では圧倒的な強さを誇る。しかし、3市の投票者数は全体の3分の1。残る3分の2は明石市です。知名度抜群の泉さんが明石市で大量に得票する展開になれば、党の公認がない西村さんは危ない。1月下旬の釈明会見直後に明石駅前でビラを配ったのも、相当な危機感があるからでしょう」(県政関係者)
参院議員の世耕氏は来年、改選を迎える。前回19年選挙では、和歌山選挙区(定数1)で野党統一候補に19万票もの大差で勝利。しかし、県全域が選挙区の参院選を非公認で戦うのは、当選5回の世耕氏といえど苦しい。
「世耕さんは23年春の衆院和歌山1区補選を巡る対応でミソをつけた。二階元幹事長が勝てる候補として鶴保参院議員の擁立を狙ったが、主導権を握りたい世耕さんが猛反対。元職擁立にこぎ着けましたが、あろうことか日本維新の会の新人に負けてしまったのです。この一件で、世耕さんは県連の不信を買った。党の公認なしで、地元議員が選挙支援をしてくれるか微妙です。維新に強力な候補を立てられたら、厳しい選挙戦になるでしょう」(官邸事情通)
嫌われ4人衆の政治生命は風前のともしび。だが、そもそも裏金議員は「非公認」程度では許されない。この際、潔く「議員辞職」すべきではないか。
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