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※紙面抜粋
※2024年3月25日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
狙いは「早期幕引き」(参院予算委に臨む岸田首相=25日午前)/(C)日刊ゲンダイ
「やれやれ、またかよ」と嘆息してしまう。岸田首相の薄っぺらで、ふざけたパフォーマンスのことだ。
週明け26日から、首相自らが安倍派の幹部の聴取に乗り出すという。対象者は例の疑惑の謀議に参加していた4人だ。安倍元首相の死後、派閥からの裏金キックバックを復活させた塩谷立、下村博文両元文科相、西村康稔前経産相、世耕弘成前参院幹事長の破廉恥4人衆である。彼らは政倫審に出てきたものの、キックバック継続の経緯について誰が決めたかわからないとスットボケた。真相解明には全く至らず、わかったのはただ一点。この期に及んで有権者に背を向ける彼らの国民愚弄と、保身しか頭にない卑しさだ。
そこで、首相が出てきて、彼らに真相と政治責任をただすというのだが、ちゃんちゃらおかしい。幕引きに向けたセレモニー以外のなにものでもないではないか。
その証拠に、いち早く、首相の聴取を報じた読売新聞は<26日にも聴取を始め、4月第1週に4氏を含む関係者の処分を決める方向だ>(3月24日付)と書いている。
その処分内容も4氏は<「選挙における非公認」以上の重い処分を科す方向>と断じている。何も読売の書くことを全面的に信じるわけじゃないが、首相の聴取の前に「処分の日程ありき」「処分の中身ありき」なのである。首相の「自ら聴取」は幕引き茶番劇の「セレモニー」ということだ。
まず証人喚問に応じるのが第一歩
立憲、日本維新、共産、国民民主の野党4党は「政倫審の4氏の説明では国民は納得していない」として、安倍派幹部ら衆院6人の証人喚問を求めている。参院では安倍派の会計責任者だった松本淳一郎事務局長も含め、4人の証人喚問を要求した。
首相が本気で疑惑解明をしたいのであれば、「証人喚問に応じろ」と言えば済む。呼ばれている連中も後ろめたいことがないのであれば、堂々と出てきて釈明すればいい。それなのに岸田は「自ら聴取」でごまかそうとする。自分が先頭に立っているフリをする。その裏側には邪な思惑も見え隠れする。こんな狙いがあるそうだ。
「低支持率にあえぐ岸田政権は4月中旬(9〜14日)の訪米を反転の足掛かりにしたいと考えている。国賓での訪米だし、安倍首相以来の上下院での演説という晴れ舞台も用意されている。5月の連休はフランス、ブラジル訪問、その後の電撃訪朝も画策している。訪米前に裏金問題にけりをつけておけば、賃上げ、株価上昇、外交の3点セットで点数を稼げるという打算でしょう。ここで支持率を上げておけば、6月には1人当たり4万円の所得・住民減税、住民税非課税世帯への7万円の給付がある。通常国会の会期末に向けてもう一度、解散にフリーハンドを得ておきたいという思惑が見え隠れします」(ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
支持率1割台のくせに、まだしがみつく神経には呆れてしまうが、岸田は周囲に「賃上げ、株高」は「自分の成果」と吹聴しているらしい。そんな首相だから、薄っぺらなパフォーマンスで、支持率が上がるとそろばんをはじいている。そのオメデタさにも国民は唖然だ。
自分の演出しか頭にない岸田首相の浅ましい打算
もうひとつ、今度の首相「自ら聴取」で見えてきたことがある。暇さえあれば政治的打算の演出ばかり考えている「軽さ」と「浅ましさ」だ。
冒頭に「またか」と書いたが、くだらないパフォーマンスの繰り返しではないか。国民は心底、辟易している。前出の鈴木哲夫氏が言う。
「国民が知りたいのは誰の指示で裏金が始まり、どれだけの金を、何に使ったのか、なぜ、それが継続されたのか、という事実関係です。そのうえで、きっちり、政治責任を取って欲しい。それなのに、岸田首相のこれまでのやり方は真相解明には後ろ向きなくせに、自分を“良く見せる”ことだけに腐心している。真相究明の前に唐突に宏池会の解散を言い出したのもそうだし、いきなり、政倫審に出ると宣言したのもそうです。自民党総裁として、きっちり、調査をやらせるべきなのに、それはおざなり。“やってるふり”だけに熱心なのが首相です」
その延長が今度の「自ら聴取」なのである。今月17日の党大会のときに岸田は「処分を茂木幹事長に指示した」と言った。それなのに、自分がしゃしゃり出てきた。
「サプライズを狙っているんでしょう。だとすると、自分への処分も“軽い”と新聞に書かせて、世論受けを狙うかもしれませんね」(鈴木哲夫氏=前出)
この疑惑と政治不信の最中、浅ましいったらありゃしない。その卑しさが国民に見透かされているのに気づかない。「そんなパフォーマンスは逆効果」(鈴木氏)なのに、わからない。国民は言葉を失っている。
志の政治家が集まれば金は要らない
もっとも、岸田が疑惑の解明にこうも後ろ向きなのは、その根の深さを知っているからだろう。自民党の調査に裏金議員たちは「政治活動以外に使っていない」と口をそろえていたが、当たり前だ。誰が脱税を告白するものか。そもそも勝手なことに使いたいから裏金にするのだ。全部、政治活動に使ったのならば、堂々と収支報告書に記載すればいい。露呈した巨額の裏金は政治資金収支報告書の訂正で済むような話ではなく、裏金議員全員が「お縄」となり、「議員辞職」に追い込まれるのが当たり前なのである。
政治評論家の野上忠興氏の話は生々しい。
「私は50年間も政治記者をやってきましたから、彼らがいかにインチキをやってきたかを知っていますよ。この裏金問題は統一教会との癒着に似ている。安倍元首相が銃弾に倒れて、闇が明るみに出た。そうしたら、保守を名乗る議員たちがこぞって、日本を敵視する宗教団体に票欲しさですり寄っていたことが露呈した。その闇の深さに有権者は驚いた。裏金問題も同じで、パンドラの箱が開いたのですよ。通り一遍の調査で幕引きなんかできるわけがない。それを強引に蓋をしようとするから、国民の怒りを買う。それなのに、岸田首相は適当な処分で幕引きができると勘違いしている。国民をなめているんです。政治には金がかかるとうそぶいている議員もたくさんいる。なぜ、仲間を増やすのに金がかかるのか。志の政治家が集まれば、金なんか要らないのです。そうじゃないから、邪な金がかかる。問われているのは自民党の政治姿勢そのものであり体質なのです」
この疑惑のさなかに和歌山や埼玉の破廉恥パーティーが明るみに出たのも決して偶然ではないだろう。二階元幹事長への政策活動費50億円や茂木幹事長の政治団体における使途隠しの資金移動、さらには岸田が政治資金パーティーではないと言い張る「祝う会」の実態など、見過ごせない疑惑はまだ山のようにある。それをごまかし、幕引きに走る自民党。改めて、国民の手で葬り去るしかないのである。
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