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※紙面抜粋
※2024年3月18日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
自民党大会で「裏金議員」厳しく処分すると打ち出した岸田首相(C)J MPA
一体どんな処分を下すのか。これは見ものだ。17日行われた自民党の党大会。唯一「おっ」と思わせたのが、珍しく岸田首相が「裏金議員」を厳しく処分すると明言したことだ。
裏金議員の処分について結論を得るよう茂木幹事長に指示したと明らかにしたうえで、「厳しく対応していく」と表明した。茂木も「早期に厳正な対応を取っていきたい」「一律、全員同じということにはならない。上に甘く、下に厳しい組織であってはならない」と、派閥幹部は甘い処分にはならないと予告してみせた。
突然、厳しい処分を打ち出したのは、16日開いた、都道府県の幹部が出席する「全国幹事長会議」で突き上げられたからだ。安倍派幹部の処分を求める大合唱だったという。
「批判の電話が鳴りやまない」「処分を含め、早くけじめをつけて欲しい」「地方議員も同じように見られている」「誰が責任をとるのか」──といった声が地方組織から噴出し、岸田も「命がけで党再生に努力をしていきたい」と挨拶している。
自民党執行部は、3月中に裏金議員を処分するつもりらしいが、大モメになるのは必至だ。
「もし甘い処分で済ませたら、逆効果になり、国民からさらに批判を浴びるのは確実です。かといって厳しい処分を下したら安倍派幹部から猛反発を受ける。9月の総裁選で再選を狙う岸田首相は、安倍派を敵に回したくないでしょう。難しいのは処分する基準です。裏金の金額を基準にすると、安倍派の事務総長をつとめた西村康稔は、100万円と比較的、金額が少ないので軽い処分になってしまう。一方、役職を基準にすると、岸田派の会長だった岸田首相も処分対象になってしまいます。裏金をつくっていた岸田派も、事務方が立件されていますからね」(自民党関係者)
処分は重くせざるを得ないとみられている。コロナ禍、緊急事態宣言中に銀座のクラブで豪遊していたことが発覚した自民党の3議員に離党勧告を突きつけていることを考えれば、法令違反の裏金づくりには同等以上の処分でなければ釣り合わないからだ。
「安倍派の座長だった塩谷立さんに詰め腹を切らせ、議員辞職させるというプランもあるようですが、それだけでは国民は納得しないでしょうね」(前出の自民党関係者)
党大会で「厳しい処分」を宣言した岸田は、どうするつもりなのか。
地方組織も「政治とカネ」
しかし、自民党の腐敗堕落は、もはや安倍派の幹部に処分を下したくらいでは、どうにもならないのではないか。「安倍派幹部を処分しろ」──と騒ぎ立てた地方組織まで「裏金づくり」に手を染めていたことが発覚したからだ。
共同通信が配信(16日)したスクープ調査に、呆れ返った国民も多いに違いない。
自民党の二階元幹事長に「政策活動費」として、5年間で50億円もの使途不明のカネが渡っていたことが問題になっているが、自民党の16道府県も「政策活動費」と同じ制度を導入しているというのだ。
政策活動費は、党側の収支報告書には支出として記載する必要があるが、受け取った議員側は収入として記載する必要がなく、有権者は使途を知ることができない。一種の「裏金」である。政治資金のブラックボックスとなっている。茂木幹事長も「政策活動費」として10億円を受け取っている。
共同通信によると、青森、新潟、兵庫などの県連が導入しているという。「使い方は各議員に任せている」(大分県連)といった回答が多かったそうだ。いわゆる「掴みガネ」である。
それにしても、自分たちも裏金をつくっておきながら、よくも「全国幹事長会議」で、「誰が責任をとるのか」などと口にできたものだ。
要するに自民党という組織は、上から下まで、裏金まみれの集団ということなのではないか。
呆れるのは、政治資金をどう使ったのか分からなくするために、安倍派だけでなく、他の派閥もアノ手コノ手を悪用していることだ。
たとえば茂木派議員は、政治資金を「資金管理団体」から、使途の公開基準がゆるい「後援会」に移動させることで、具体的に何に使ったのか分からなくしている。茂木の場合、2009〜22年の14年間に4億4000万円を「後援会」に移動させ、「後援会」の支出のうち94.4%が使途不明となっている。こんなふざけたやり方が許されていいのか。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
「最大派閥から地方まで、いかに自民党政治がカネにまみれているか、ということです。裏金をつくり、使途を隠そうとするのは、要するに表にできないカネの使い方をしているということでしょう。パーティーを利用した安倍派の裏金づくりも、氷山の一角なのだと思う」
安倍派幹部の処分だけでは不信感は消えない
いかに自民党が腐り切っているか、政倫審をめぐる「出る」「出ない」「非公開なら出席してやってもいい」といった、当初の対応を振り返れば明らかである。
世耕弘成前参院幹事長など、1542万円も裏金をつくりながら「私は刑事的に不起訴、嫌疑なしで真っ白だ」と政倫審で言い放ったのだから、なにをかいわんやだ。収支報告書への不記載は、紛れもない犯罪だということが分かっていないのではないか。
しかも、20回以上も「分からない」「記憶にない」「知らない」を連発し、秘書に責任をなすりつける始末だ。
世耕を筆頭に、自民党議員には、国民に真摯に説明しようという気持ちなど毛頭ないのだろう。
「国民に向き合う気持ちを失っているのは、自民党の国会議員だけでなく、地方議員も同じようにみえます。全国幹事長会議で『早くけじめをつけてほしい』『批判の電話が鳴りやまない』と、彼らが声を上げたのも、トバッチリを受けて迷惑だ、という気持ちだったのではないか。自分たちが地方から自民党を再建する、という覚悟は伝わってこなかった。近畿圏の地方議員が和歌山に集まり、ハレンチな懇親会を開いていた一事をみれば、自民党の地方組織の実情は想像がつきます」(五十嵐仁氏=前出)
自民党に期待しても、もう無駄だ。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。
「これだけ『政治とカネ』に対して国民の怒りが強まったら、普通は抜本的な改革に乗り出すものです。少なくとも、企業献金の全面禁止、企業によるパー券購入の禁止、政策活動費の全面公開……この程度は打ち出すもの。ところが、この期に及んで自民党は抜本策を出そうとしない。かつての自民党は、党が危機に直面すると、若手や地方から抜本改革を求める声が上がったものですが、そうした動きもない。とりあえず、安倍派の幹部を処分して沈静化を図ればいいと思っている感じです。しかし、安倍派の幹部を形だけ処分しても、自民党に対する国民の不信感は消えませんよ」
青年局にも、女性局にも、地方組織にも、自民党にはどこにも希望がない。
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