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北陸新幹線敦賀以西は未着工
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2024年3月16日 植草一秀の『知られざる真実』
北陸新幹線の金沢−敦賀区間が開業した。
予定より1年遅れでの延伸となった。
しかし、全線開通ではない。
北陸新幹線は、長野市・富山市・金沢市、敦賀市を経由して東京と大阪を結ぶもの。
敦賀−大阪間については開業が遅れるどころか、まだ着工もしていない。
政府与党は2017年に敦賀以西のルートを決定した。
敦賀から福井県小浜市を経由して南下。
京都駅などを経由し新大阪駅に至る。
所要時間は金沢−新大阪間が1時間20分程度、福井−新大阪間は1時間弱と想定されている。
しかし、いまだに着工もされていない。
それどころか、ルート見直しの声が増している。
スピード感は皆無だ。
日本を取り巻く状況が刻々と変化しているのに、巨大なプロジェクトが恐竜のように環境変化を顧みずに荒れ狂っている。
環境変化に対応しなければ恐竜は絶滅する。
新幹線問題が混迷する原因が三つある。
第一は、新幹線建設の環境問題を軽視してきたこと。
大地の深部に手を入れて巨大な工事を行えば巨大な反作用が生じる。
この点に対する読みが甘すぎる。
第二は、自治体が全体の利益を考えずに自己利益だけを追求すること。
日本全体にとって何が望ましいのか、日本国民全体にとって何が望ましいのか、を軸に考えるべきところ、それぞれの自治体が自分の利益しか考えない。
第三は、分割民営化されたJR各社が自治体同様に、全体の利益を考えずに自己利益だけを追求すること。
要するにエゴとエゴがぶつかり、これを調整する者が存在しないということなのだ。
政府と中央官庁が国家の視点から議論して判断するべきだが、中央官庁も「局あって省なし」の言葉が示すように、各セクションが自己の利益を優先して全体の利益を考えない。
政府のトップに立つ者が全体の利益を考えて裁定を下すべきだが、トップに立つ者がそのための知識と見識と調整力を備えていない。
日本経済は過去30年間、成長していない。
成長から完全に取り残されている稀有な国。
それが日本だ。
人口減少が加速している。
出生数減少にも歯止めがかからない。
人口が減少し、経済が衰退する状況下で高速移動の必要性は低下している。
リニア新幹線を建設するメリットとデメリットを冷静に比較するべきだ。
巨大な国民資金を投下してリニア建設を強行する理由がない。
経路の大半がトンネルになる。
巨大地震が発生した場合の被害は想像を絶するものになる。
巨大な電力を必要とする。
リニアのために原発稼働を推進するのは絵に描いた本末転倒だ。
東京−大阪間のバイパスを完成させておく必要からはリニア建設よりも北陸新幹線の大阪延伸を優先するべきだ。
しかし、環境問題と工費問題が最大の課題になる。
環境負荷を軽減し、工費がかさまない方法を選択するべきだ。
工費がかさまない手法は工期を短縮する手法でもある。
そうなると敦賀−米原ルートを選択するか、湖西線の敦賀−大津ルートを選択するのが現実的。
問題はJR東海が米原−新大阪の乗り入れを認めない方針を示していること。
現行新幹線のダイヤが過密であることを理由としているが、1時間に数本のダイヤを組み込むことは可能と考えられる。
使用する車両特性の相違を踏まえるなら、米原−新大阪、あるいは大津−新大阪を複々線化することを検討するべきだ。
在来新幹線に並行する複々線化、または新線建設による複々線化のいずれかが検討されるべきだ。
敦賀−小浜−京都ルートの最大の問題は「水」である。
リニアも「水」が最大の難関になって工事が止まっている。
錯綜する利害を調整して、国全体の見地、国民全体の見地から最適解を示すのが政治の役割。
これができない政治を「機能不全」と呼ぶ。
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