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※紙面抜粋
※2024年3月15日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
出席とは名ばかり。ただただ「知らない」を連発(参院政倫審に出席する世耕弘成前参院幹事長)/(C)共同通信社
茶番劇を何度繰り返すのか。
自民党派閥のパーティー裏金事件を受け、14日開かれた参院政治倫理審査会。審査対象32人中、出席したのは安倍派の世耕弘成前参院幹事長と西田昌司議員、橋本聖子元五輪相の3人だけ。揃いも揃って、自らの裏金について「昨年の報道で初めて知った」「秘書がやった」と繰り返すばかりだった。
これで、衆院を合わせて政倫審は3日目。今回も予想通りの不毛な議論が展開された。
世耕と西田はパー券販売ノルマ超過分のキックバックの存在自体を「知らなかった」と発言。2019年の参院選の際は、改選を迎えた議員に全額がキックバックされていたことが分かっており、公職選挙法違反疑惑も浮上しているが、世耕と橋本は「選挙費用には充てていない」と説明した。しかし、参院安倍派の会長の立場にいながら、世耕が全額キックバックという異様なルールの存在について「全く知らなかった」というのは、にわかには信じがたい。
終始、世耕の釈明は醜悪だった。自らの潔白については“雄弁”に語ったものの、いつから裏金化が始まったのか、一度決まった「キックバック中止」方針が撤回されたのはなぜか──、肝心の点については「知らぬ存ぜぬ」を繰り返したのだ。
キックバック中止は、22年5月の安倍派パーティー直前の4月、安倍元首相が世耕と西村康稔前経産相、下村博文元文科相、塩谷立元文科相、会計責任者だった松本淳一郎氏が集まった協議の場で決定された。ところが、安倍の死去後の同年8月5日、安倍を除くメンツが揃った協議で、キックバックの継続が話し合われたことが分かっている。
これまでの衆院政倫審では、塩谷の「困っている人がいるので仕方がないというくらいの話し合いの中で継続になった」との発言と、西村の「協議では結論は出なかった」という発言が食い違っていた。この点を問われた世耕は「(協議は)意見交換の場。確定的なことは決まっていない」と、やはりゼロ回答。その上で「よりによって私が(継続を)決めたということは絶対にない」と語気を強めて否定した。
誰の発案かは「記憶にない」
さらに、協議では出席者から「還付分は各議員個人のパーティーに上乗せし、収支報告書で合法的な形で出すという案が示された」と、下村が今年1月の会見で明かしている。「合法的に」という言葉が出た以上、発案者は違法性を認識していた可能性があるが、世耕は「私は『この案はいい』と言ったが、私が提案したわけではない」と説明。しかし、「誰の案に賛同したのか」と問われると「記憶していない」とダンマリを決め込んだのだ。随分と都合のいい“記憶”である。
結局、発案者であることを認めれば、自ら違法性の認識があったとゲロすることになるからか、誰もが肝心のことにスットボケ。揃いも揃って責任のなすり合いだ。
裏金化は森元首相が安倍派会長だった時代から始まった可能性が指摘されているが、世耕はやっぱり「知らない」を連発。脱税疑惑についても、裏金は課税対象ではないと強弁してみせた。挙げ句には、野党議員の質問にイラついた様子で「記憶にないことを『言え』と言われても、お答えできない」と言い放つありさまだった。
政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「出席した西田議員が『派閥幹部は(還流の経緯を)その時知らなくても、どうだったのか調べて報告する義務がある』と言っていましたが、その通りでしょう。世耕議員は安倍派の参院議員を束ねる幹部だったのですから、調査する義務があるはず。22年8月5日の協議については、出席した幹部同士で議論の内容を精査すべきです。それをしないのは、後ろめたい事情があるからではないか。何も調べずに政倫審に出てきても意味はない。アリバイ的な出席など決して許されません」
質問に立った自民党の佐藤正久議員も「疑惑が深まった側面がある」と言っていた。多くの国民がそう思っているだろう。
「生まれ変わった自民党」アピールで逃げ切る魂胆
結局、岸田政権の狙いは裏金事件の「早期幕引き」だ。何としてでも政倫審を週末17日の党大会までに一段落させ、逃げ切ろうという魂胆だったに違いない。
下村が出席する衆院政倫審の日程を巡る綱引きに、それがよく表れていた。立憲民主党が週明けの19日開催を求めたが、自民党は15日の開催に固執。最終的に18日開催が決まったが、早くケリをつけたい自民党側の執念は凄まじかった。
大荒れだったのは、日程を話し合う13日の与野党筆頭間協議だ。政倫審の早期開催を求めていた野党が15日開催に反対したことについて、与党筆頭幹事の丹羽秀樹議員が野党筆頭幹事の寺田学議員に「卑怯者」と噛みついたのだ。丹羽は「『野党が拒否しているんだ』というふうに言い回る」とまで放言したというから、ハンパじゃない。15日開催への執着は相当なものだったわけだ。
「自民党内からも安倍派幹部の説明を求める声が上がる中、丹羽さんがそこまで野党の要求を突っぱねる理由はない。党幹部の意を受けた丹羽さんは強硬な態度を取らざるを得なかったのだろう。何が何でも党大会までの幕引きを図りたいと考えたのは、岸田首相だとみられている」(永田町関係者)
森元首相を国会招致するしかない
岸田が党大会前に政倫審を終わらせることにこだわった理由は明白だ。岸田が本部長を務める政治刷新本部が、裏金事件を受けた党則などの改定案をまとめた。党大会で正式決定し「生まれ変わった自民党」をアピールしたいからに他ならない。麻生副総裁もきのうの派閥会合で、「わが党を取り巻く環境が厳しい中、まさに再出発と位置付けられるような党大会となることを期待している」と発言したほどだ。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「政倫審で“禊”を済ませ、党則などの改正案を打ち出すことで裏金事件を終わりにしたいのでしょうが、国民が納得するとは思えません。改正案は抜け穴だらけだからです。会計責任者が政治資金規正法違反で有罪が確定した場合、議員本人に除名か離党勧告を行う--、などとしていますが『政治不信を招く政治的、道義的責任があると認められるとき』に限定されている。これではいかようにも解釈を変えられ、責任逃れができてしまいます。さらに理解しがたいのは、新たな規律規約が今回の裏金事件にさかのぼって適用されないこと。これでは裏金議員はおとがめなしとなりかねない。国民をバカにしています」
こうなったら、政倫審ではなく、ウソをついたら偽証罪に問われる可能性がある証人喚問で裏金議員を追及するしかない。14日の自民党の政治刷新本部会合では「森元首相の時代はどうだったか、ちゃんと聞くべきだ」といった声が複数上がったという。ならば、自民党が責任を持って森を国会に呼んで、徹底的に追及すべきだ。でなければ、裏金政党は解体以外あり得ない。
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