<■382行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> <主張>同性婚で高裁判決 国民常識と隔たり不当だ 社説 2024/3/16 5:00 https://www.sankei.com/article/20240316-GOG5YLYCPNJFTO7XI7MWBQBP6Y/ 同性同士の結婚を認めない民法などの規定について札幌高裁は、 「婚姻の自由」 を定めた憲法24条などに反し違憲だとする判断を示した。 同性婚を認めるもので、国民の常識と隔たり受け入れられない。 社会の根幹を成す伝統的な家族制度を壊しかねない不当な判決である。 北海道の同性カップル3組が国に計約600万円の損害賠償を求めていた。 これを含め全国5地裁で起こされた計6件の同種訴訟で初の控訴審判決だ。 「違憲」 とした札幌高裁判決で、とりわけ首を捻るのは、憲法24条1項について 「同性婚も保障している」 と踏み込んだことだ。 「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」 としたこの規定は男女、異性間の婚姻について定めているのは明らかだ。 同性婚は想定していない。 一連の地裁判決もそう解釈し、今回の判決も文言上は異性間の婚姻を定めた規定だと認めている。 にもかかわらず、規定の目的を考慮する必要があるとし、 「人と人の結び付きとしての婚姻」 について定めた趣旨があるとしたのは無理がある。 憲法の条文を蔑ろにする、ご都合主義だと言う他ない。 判決は、同性愛者に婚姻を許していないのは差別的取り扱いで、法の下の平等を定めた憲法14条1項に反するともした。 国民世論にも触れ、同性婚に否定的な意見を持つ国民もいるが感情的な理由にとどまっているとも言っている。 だが決してそうではない。 一連の訴訟で国側が主張してきたように婚姻制度は、男女の夫婦が子供を産み育てながら共同生活を送る関係に法的保護を与える目的がある。 同性愛者など性的少数者への差別解消や権利擁護と、結婚や家族の在り方の議論は分けて考えるべきだ。 札幌高裁判決に林芳正官房長官が 「同性婚制度の導入は国民生活の基本に関わる問題で、国民1人1人の家族観とも密接に関わるものだ」 と慎重な立場を示したのはもっともだ。 拙速な議論は社会の分断を招き、却って差別解消から遠のきかねない。 自治体や企業などを含め、同性カップルを巡る法的・経済的不利益について考慮し、きめ細かな施策を進める現実的な議論が必要だ。<産経抄>同性婚、米民主党政権の価値観に引きずられるな 2024/3/16 5:00 https://www.sankei.com/article/20240316-U53UOYSVZBMM5HFUF2WRX2AMFY/ 「婚姻の自由、そして法の下の平等を実現するために、日本がまた一歩前進しました」。 エマニュエル米駐日大使は2024年3月14日、X(旧ツイッター)で憲法は同性婚も保障しているとの札幌高裁の初判断について記した。 2023年のLGBT理解増進法審議の際もそうだったが、日本を12歳の少年扱いした占領軍のマッカーサー最高司令官まがいの上から目線が鼻につく。 ▼憲法24条1項は 「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」 と定める。 この部分は、連合国軍総司令部(GHQ)が1946(昭和21)年2月13日に日本側に交付した憲法改正案では 「男女両性」 と明記されており、両性が男女のことであるのは自明だろう。 ▼そもそも当時、米国は同性婚はおろか同性愛行為すら法律で禁止していた。 そうした前提に立ち改正が難しい硬性憲法を日本に押し付けておいて、今更一歩前進などとよく言う。 同性婚の是非は日本自身が決める。 内政干渉は慎んでもらいたい。 ▼自民党の小野田紀美参院議員は2024年3月12日、Xで令和5年の党員数が前年比で約3万4000人減少した問題について指摘した。 「LGBT法通した後ですよ、うちで激減したのは」。 エマニュエル氏が 「我々の価値観」 と述べて日本の政界に熱心に働きかけた同法は、政権に小さくないダメージを残している。 ▼岸田文雄首相は2024年3月15日の国会で答弁した。 「双方の性別が同一である婚姻の成立を認めることは、憲法上想定されていないということが従来の政府見解だ」。 エマニュエル氏に代表される米民主党政権の価値観に、これ以上引きずられてはなるまい。 ▼2024年11月の米大統領選では、トランプ前大統領率いる共和党の復権もあり得る。 政府が慌てて宗旨変えする醜態は見たくない。 岸田文雄首相「引き続き判断を注視」同性婚巡る札幌高裁判決受け 参院予算委 2024/3/15 12:13 https://www.sankei.com/article/20240315-U4ZMTBD3WNLUFAVIRSV477M7A4/ 岸田文雄首相は2024年3月15日の参院予算委員会で、同性婚を認めない法律の規定を憲法違反と判断した札幌高裁判決について 「現段階では確定前の判決であり、他の裁判所で同種訴訟が継続している」 「引き続き判断を注視していきたい」 と述べた。 立憲民主党の石川大我氏への答弁。 米エマニュエル大使、同性婚巡り「日本がまた一歩前進」 「違憲状態」判決を歓迎 2024/3/15 11:44 https://www.sankei.com/article/20240315-P7H5OIZ4RRGM5HSYLTPJDSQ3EY/ 米国のエマニュエル駐日大使は自身のX(旧ツイッター)を更新し、同性同士の結婚を認めていない法律の規定を 「違憲状態」 と判断した2024年3月14日の東京地裁判決について、 「千里の道も一歩から」 「婚姻の自由、そして法の下の平等を実現するために、日本がまた1歩前進しました」 と歓迎した。 2024年3月14日午前の東京地裁判決は、婚姻は異性間のものとする前提に立つ民法や戸籍法の規定は、 「婚姻や家族に関する法律は個人の尊厳に立脚して制定する」 とした憲法24条2項に 「違反する状態にある」 と判断。エマニュエル氏は 「本当に嬉しく思います」 「東京地裁は、日本がより包括的になることを支持しているのです」 とも投稿した。 全国で提起された同様の訴訟6件のうち 「合憲」 としたのは大阪地裁判決のみで、2024年3月14日午後には札幌訴訟の2審判決で札幌高裁が 「違憲」 判断を示した。 エマニュエル氏は2023年6月に施行されたLGBTなど性的少数者への理解増進法についても制定を強く促す発信を重ねており、 「外圧世論誘導だ」(自民党の有村治子参院議員) などと問題視する声も出ていた。 同性婚には「国民的コンセンサスと理解が必要」札幌高裁判決受け 小泉龍司法相が見解 2024/3/15 11:09 https://www.sankei.com/article/20240315-IDUUUZWAHBP5ZBSS64SIW562UI/ 小泉龍司法相は2024年3月15日の閣議後記者会見で、同性婚を認めない法律の規定を憲法違反と判断した札幌高裁判決について 「様々な判決で判断が分かれたところもあり、中身を注視していく」 「この問題は1人1人の家族観に関わり、広く影響が及ぶ」 「国民的なコンセンサスと理解が求められる」 とし、従来と同様の見解を示した。 同性婚訴訟は各地で起こされ、2024年3月14日の札幌高裁判決は、関連規定が、婚姻の自由を保障した憲法24条1項に違反するとの初判断を示した。 法整備は進まず、当事者らは国に対応を求めている。 小泉氏は 「国会での議論や、自治体のパートナーシップ制度の導入・運用状況などを幅広く見て、国民に議論してもらいたい」 と述べた。 同性同士の結婚を認めない民法などの規定が「違憲」と判断した裁判所の判断は、屁理屈であり、司法による越権行為の横暴であり、司法が自ら憲法を捻じ曲げて解釈し正当化しようとしているもので、到底許されない。 憲法14条、24条を素直に読めば、同性同士の結婚を認めない民法などの規定は「合憲」である。 同性婚を認めるためには、その前に憲法改正が必要なことは自明の理である。 仮に国がパートナーシップ制度などの公的な家族として認める制度を用意しても、憲法を改正しない限り、同性同士の結婚を認めない民法などの規定は「合憲」である。 日本国憲法 第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。 A 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。 学習院大の山下純司教授(民法)「議論深め、納得できる制度を」 札幌高裁の違憲判断 2024/3/14 21:34 https://www.sankei.com/article/20240314-RTBG74TTF5LSTJ2FKK4FXXVIDQ/ 同性同士の結婚を認めない民法などの規定が憲法違反になるかが争われた訴訟で、初の控訴審判決となった2024年3月14日の札幌高裁判決は、規定を 「違憲」 と判断した。 その背景などについて学習院大の山下純司(やました・よしかず)教授に聞いた。 ◇ 同性婚を認めない民法などの規定を 「違憲」 と判断した札幌高裁判決は、これまでの地裁判決に比べてかなり踏み込んだ印象だ。 他の地裁判決は、同性カップルについて、国がパートナーシップ制度などの公的な家族として認める制度を全く用意していないことを不合理と判断していた。 これに対して札幌高裁判決は、婚姻制度を同性カップルにも開放することを強く意識していると感じた。 札幌高裁の言う 「婚姻」 が具体的にどんな制度かは分からないが、同性間と異性間では法律制度の適用が変わるため、同じ 「婚姻」 と言っても実際には別の制度が念頭にあるのかもしれない。 札幌地裁、高裁を除いては 「同性カップルにも最低限、家族を持つ権利を保障しよう」 という立場が共通している。 今後、上告審まで争われることが予想されるが、最高裁には、明快な判断を期待したい。 最高裁の判断をきっかけに国民の議論が盛り上がり、最終的には皆が納得する形で法制度を作る必要がある。 いきなり同性婚を導入しても、抵抗を感じる人がいたり、社会での理解が深まらなかったりすることが予想される。 まずは国がパートナーシップ制度を導入するなどして、明らかになった課題に対応しながら、徐々に議論を深めていく必要がある。(談)
同性婚訴訟判決、札幌高裁の原告ら喜び「正面から答えてくれた」 2024/3/14 21:31 https://www.sankei.com/article/20240314-JTVHJ4JHVRPE7ODRLJBAKK3VKI/ 同性同士の結婚を認めない民法などの規定が憲法違反になるかが争われた訴訟で、初の控訴審判決となった2024年3月14日の札幌高裁判決は、規定を 「違憲」 と判断した。 「私たちの思いに正面から応えてくれた」。 札幌高裁が同性婚を認めない民法の規定を違憲とする判決を言い渡した2024年3月14日午後、札幌高裁前では原告や弁護団が旗を振って喜んだ。 弁護団の加藤丈晴弁護士は、同性間の婚姻の自由が異性間と同程度に認められるとした高裁判決について 「ここまではっきりと判決を出したのは初めて」 と指摘。 「非常に意義のある判決だった」 と振り返った。 「私は私のままで、胸を張って生きていいんだと思わせてくれた」。 判決後に行われた会見で原告の中谷衣里さん(32)は涙を浮かべた。 これまで各地裁の判決は「違憲」や「違憲状態」、「合憲」と判断が分かれてきた。 「私や他の同性カップルが、社会でいないものにされている」 と感じてきたが、札幌高裁判決が憲法の規定は 「同性婚をも保障する」 と判断したことに触れ、 「同性カップルもこの国で生きていい、と励まされた」 と語った。 弁護団の綱森史泰弁護士は会見で、高裁判決を 「画期的」 とする一方で 「請求は棄却なので、最高裁に上告したい」 と述べた。 また、会見では 「同性間にも婚姻を認める方向で法改正を速やかに実現すべきだ」 などとする声明も弁護団が読み上げた。 同性婚で定まらぬ司法、東京地裁判決は「違憲状態」 今後の上級審判断に注目 2024/3/14 21:29 https://www.sankei.com/article/20240314-D2PEJ3CBO5MJHOMVOSP3YWOICI/ 同性同士の結婚を認めない民法などの規定が憲法違反になるかが争われた訴訟で、初の控訴審判決となった2024年3月14日の札幌高裁判決は、規定を 「違憲」 と判断した。 同日の東京地裁判決で出そろった1審判決は「合憲」1件、「違憲状態」3件、「違憲」2件と結論が分かれている。 いずれも賠償請求は退けているが、同性カップルの家族の在り方を巡り、司法は難しい判断を迫られている。 一連の訴訟は、同性カップルなどが全国の5地裁に計6件起こした。 主に争われたのは、異性間の婚姻を前提とした民法や戸籍法の規定が、 ▽「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」とした憲法24条1項 ▽「婚姻や家族に関する法律は個人の尊厳に立脚して制定する」とした24条2項 ▽「法の下の平等」を定めた14条1項 に違反するかだ。 ■「重要な人格的利益を剝奪する」 2024年3月14日午前に言い渡された東京地裁判決は、同性カップルが婚姻と同様の利益を享受するための制度も設けられていないことは 「自己の性自認や性的指向に即した生活を送るという重要な人格的利益を剝奪するものだ」 と指摘し、24条2項に 「違反する状態にある」 と判断。 一方、24条1項と14条1項に違反するとの主張は認めなかった。 これに対し同日午後の札幌高裁判決は、現行制度が3つの条文全てに違反するとし、一連の訴訟では初めて24条1項についても違反を認定。 踏み込んだ判断を示した。 ■「両性」との文言のみにとらわれず 高裁は、24条1項にある 「両性」 との文言のみに捉われるのではなく 「個人の尊重がより明確に認識されるようになった背景のもとで解釈することが相当」 と指摘。 24条2項の趣旨や諸外国での同性婚の広がり、国民の意識調査なども検討。 異性間にしか婚姻を認めず、同性カップルに代替措置も用意していない現行制度は 「合理性を欠く」 とした。 その上で、日々、不利益を受ける同性愛者らへの対策を急ぐ必要があり、異性間と同様の婚姻制度を適用することも含めて 「早急に真摯な議論と対応をすることが望まれる」 とした。 一連の訴訟は今後も上級審の判断が続くことになり、司法判断が注目される。 同性婚認めないのは「違憲」 札幌高裁が初の2審判断 2024/3/14 18:22 https://www.sankei.com/article/20240314-HDWJRTGURJMPHL6DVD73TEBXRI/ 同性同士の結婚を認めない民法などの規定は憲法違反だとして、同性カップルが国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁(斎藤清文裁判長)は2024年3月14日、同性婚を認めない法律の規定は憲法14条1項、24条の1項と2項に違反すると判断した。 請求を退けた1審札幌地裁判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。 全国で起こされた同種訴訟で、初の2審判決。 一連の訴訟で、婚姻は両性の合意のみに基づいて成立すると定めた憲法24条1項について違憲とする判断は初めて。 これまで出された6件の地裁判決では札幌と名古屋が「違憲」、東京の1次と2次、福岡が「違憲状態」とした上で結論を合憲、大阪が「合憲」としていた。 同性婚認めず「違憲状態」賠償請求は棄却 東京地裁 2024/3/14 11:43 https://www.sankei.com/article/20240314-H7KLQ33PYRKCHMHP5NNJN3CD3A/ 同性同士の結婚を認めない民法などの規定は憲法違反だとして、同性カップルら8人が国に1人当たり100万円の損害賠償を求めた東京2次訴訟の判決で、東京地裁(飛沢知行裁判長)は2024年3月14日、個人の尊厳に立脚して婚姻や家族に関する立法を求める憲法24条2項に 「違反する状態」 と判断した。 賠償請求は棄却した。 全国で起こされた同種訴訟で最後の1審判決。 これまで出された5件の判決では札幌と名古屋が「違憲」、東京1次と福岡が「違憲状態」とした上で結論を合憲、大阪が「合憲」とした。 2024年3月14日同日午後には札幌高裁で初の2審判決が言い渡される。 判決理由で飛沢裁判長は、同性カップルが婚姻と同様の利益を享受するための制度が設けられていないことは 「自己の性自認や性的指向に即した生活を送るという重要な人格的利益を剝奪するものだ」 とし、憲法24条2項に違反する状態だと判断した。 一方、こうした制度設計は国会の立法裁量に委ねられており、直ちに憲法違反とまでは言えないと結論付けた。 原告側は 「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」 とした憲法24条1項や、法の下の平等を定めた14条にも違反していると主張していたが、いずれも認めなかった。 同性婚認めないのは憲法違反 札幌高裁 2審での違憲判断は初 2024年3月14日 19時46分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240314/k10014390391000.html 同性どうしの結婚が認められていないのは憲法に違反するとして、北海道に住む同性のカップルが国を訴えた裁判で、2審の札幌高等裁判所は、憲法では同性どうしも異性間と同程度に婚姻の自由を保障しているという踏み込んだ判断を示した上で、今の民法などの規定は憲法に違反すると判断しました。 同様の集団訴訟で2審で憲法違反と判断されたのは初めてです。 札幌市など北海道に住む3組の同性のカップルは、同性どうしの結婚を認めていない民法などの規定は、婚姻の自由や法の下の平等を定めた憲法に違反すると主張し、国に賠償を求める訴えを起こしました。 3年前の2021年、1審の札幌地方裁判所は、法の下の平等を定めた憲法に違反するという初めての判断を示した一方で、国に賠償を求める訴えは退け、原告側が控訴していました。 2024年3月14日の判決で、札幌高等裁判所の齋藤清文裁判長は婚姻の自由を保障した憲法の条文について 「人と人との間の自由な結び付きとしての婚姻についても定める趣旨を含むものだ」 「同性間の婚姻についても異性間の場合と同じ程度に保障していると考えるのが相当だ」 という踏み込んだ判断を示しました。 その上で、 「同性愛者は婚姻による社会生活上の制度の保障を受けられておらず著しい不利益を受けアイデンティティーの喪失感を抱くなど個人の尊厳を成す人格が損なわれる事態になっている」 「同性愛者に対して婚姻を許していないことは合理的な根拠を欠く差別的な扱いだ」 として、憲法に違反すると判断しました。 婚姻の自由を保障した憲法の条文に違反するという判断を示したのは初めてです。 また、同性婚を制度として定めた場合、不利益や弊害の発生は窺えないと指摘し、最後に国に対し、 「同性婚について異性婚と同じ婚姻制度を適用することを含め早急に議論し対応することが望まれる」 と強く促しました。 一方、国に賠償を求める訴えは退けました。 同様の集団訴訟は全国5か所で起こされていて、2審で憲法違反と判断されたのは初めてです。 ■原告 「望んでいた違憲判決が出てすごくうれしい」 閉廷後、原告や支援者たちは裁判所の外に集まり、 「早く立法すればいいしょ」 などと書かれた横断幕を掲げました。 原告の1人の中谷衣里さんは 「望んでいた違憲判決が出て凄く嬉しいです」 「もしかすると裁判は続くかもしれないので引き続き応援してほしい」 と話していました。 また、原告の国見亮佑さん(仮名)は 「思った以上の判決が出て、泣いてしまいました」 「司法が同性どうしの婚姻を積極的に進めようという意思をすごく感じました」 「この判決を国会議員の皆さんにも見てもらい賢明な判断をしてほしいです」 と話していました。 別の原告の1人も「夢の中にいるようで、本当によかったです。ありがとうございました」と涙ながらに話していました。 ■原告側会見「国が変わる1つの節目に」 判決のあと、原告側が会見を開きました。 この中で原告の中谷衣里さんは、 「国が変わる1つの節目になったのではないか」 「同性カップルにも異性カップルと変わらない権利が与えられて、家族として“ふうふ”として生きていっていいという本当に前向きな励まされる判決でした」 「今回の判決の中で裁判長は国会でこの議論を進めるよう言及していました」 「議論の遡上にも上げない国会に対して、きちんと議論して法律を整えるようプレッシャーを与える内容だった」 「若い世代の性的少数者にとっても希望となる判決だったのではないか」 と涙ながらに話していました。 中谷さんのパートナーで原告の女性は、 「思っている以上にいい判決がでていまだに信じられない」 「変わらないのは国会だけ」 「私たちは結婚する覚悟はできているので、明日にでも結婚できるようになってくれたら」 と話していました。 原告の国見亮佑さん(仮名)は 「司法の役割は大きいと改めて感じた」 「年を取り、婚姻制度の利益を享受できる期間が物理的に短くなっていることをひしひしと感じ、早く制度を作ってほしいと強く願っている」 と話していました。 国見さんのパートナー(仮名)は、 「提訴から5年間という期間の長さに辛い気持ちになり、絶望的な感覚があったが、今回の判決を受けてむしろ、希望を感じた」 「自分の土台を取り戻せた感じがしました」 と話していました。 ■同性婚めぐる集団訴訟 全国5か所で6件 同性のカップルなどが結婚が認められないのは憲法に違反するとして国に賠償を求める集団訴訟は、全国5か所で6件、起こされています。 これまで賠償を認めた判決はありませんが、憲法判断は分かれていて、2024年3月14日の札幌高等裁判所と東京地方裁判所を含めて、 ▽「違憲」が3件、 ▽「違憲状態」が3件、 ▽憲法に違反しない「合憲」が1件となっています。 ★同性婚認められていないのは「違憲状態」と指摘 東京地裁 ■林官房長官「他の訴訟の判断も注視していきたい」 林官房長官は2024年3月14日午後の記者会見で 「いずれも現段階では確定前の判決であり、他の裁判所で同種の訴訟が係属しているので、その判断も注視していきたい」 と述べました。 その上で 「同性婚制度の導入は国民生活の基本に関わる問題であり、国民1人1人の家族観とも密接に関わる」 「各層の意見や国会での議論の状況、地方自治体のパートナーシップ制度の導入や運用状況などを引き続き注視していく必要がある」 と述べました。 ■専門家「婚姻の平等に限りなく近づいた判断だ」 性的マイノリティーの問題に詳しい早稲田大学の棚村政行教授は札幌高等裁判所の判決について、 「婚姻制度の中心にあるのは同性か異性かということではなく、人と人との支え合いを保障するものだということを明らかにした点で非常に大きな意義がある」 「同性間で婚姻が許されないことで当事者が被る不利益の程度もかなり重いと強く言っており、印象的だ」 「パートナーシップなどの制度ではなく婚姻制度の枠に入れないと性的マイノリティーの人たちの不利益は解消されないということも指摘しており、婚姻の平等に限りなく近付いた判断だ」 と評価しました。 その上で、2024年3月14日にあった東京地方裁判所の判決も含め、 「2つの判決は重大な不利益を被っている人たちに対して法制化に向けた議論をするべきだと言っている」 「国会は、こうした司法の場での大きな流れを受け止めて早期に議論を開始すべきだ」 と話していました。 ■判決のポイント 各地で起こされた同性婚訴訟で3年前の2021年、初めて違憲判断が示された札幌の訴訟。 2審の札幌高等裁判所は、異性と同様に同性どうしのカップルも尊重されるべきだとする更に踏み込んだ考え方を示しました。 判決のポイントです。 ●婚姻の自由保障した憲法に違反すると初判断 最大の特徴は婚姻の自由を保障した憲法24条に違反すると初めて認めたことです。 憲法24条1項は 「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」 として婚姻の自由を保障しています。 これについて札幌高裁はまず、法律の文言上は男性と女性の間の婚姻について定めていて、制定当時は同性婚は想定されていなかったと述べました。 しかし、社会の変化に伴って改めて解釈することもできるとして 「人と人との間の自由な結び付きとしての婚姻を定める趣旨も含む」 「異性間のみならず同性間の婚姻についても同じ程度に保障していると考えることが相当だ」 という考え方を示しました。 その上で、結婚ができないことで同性カップルは、社会生活上の制度の保障を受けられず、アイデンティティーの喪失など、個人の尊厳が損なわれる事態になってると指摘。 更に同性婚を認めても 「不利益や弊害の発生は窺えない」 として、今の法律の規定は憲法24条に違反するとしました。 ●法の下の平等も「違憲」 また、法の下の平等を定めた憲法14条1項についても、 「憲法に違反する」 と判断しました。 これは1審と同じ判断です。 異性間では認められている結婚が同性間では認められないことについて、 「合理的な根拠を欠く差別的な扱いだ」 と指摘しました。 ●喫緊の課題として議論・対応を望む 判決は規定が憲法に違反するとした一方で、 「国会が正当な理由なく長期に渡って立法措置を怠ったとは言えない」 として、賠償については訴えを退けました。 導かれた結論は1審と同じでしたが、判決は最後に同性カップルのために議論を加速すべきだとする強いメッセージを打ち出しています。 同性婚を巡る現在の状況について 「対象が少数者のため、簡単に多数意見を形成できないという事情もあったと思う」 「それでも国会や司法など様々な場面で議論が続けられ、違憲性を指摘する意見があり、国民の多くも同性婚を容認している」 「こうした社会の変化を受け止めることも重要だ」 と指摘しました。 その上で 「同性間の婚姻を定めることは国民に意見や評価の統一を求めることを意味しない」 「根源的には個人の尊厳に関わる事柄だ」 と強調し、 「喫緊の課題として早急に真摯な議論と対応することが望まれる」 と結んでいます。
[18初期非表示理由]:担当:スレ違いの長文多数のため全部処理
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