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国会で疑惑を追及するにはいくつもの壁が存在する 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/337468
2024/03/13 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
政倫審はさながら疑惑議員の弁明場(呼ばれてもいないのに自ら衆院政倫審に出席した岸田首相=代表撮影)
2月29日と3月1日に開かれた衆議院の政治倫理審査会は、岸田文雄自民党総裁と安倍派幹部4人らが出席したが肝心の派閥ぐるみの裏金づくりシステムの実態についてはいずれも「知らぬ存ぜぬ」のノラリクラリ答弁に終始した。
今後も同会を継続し、また参議院も独自に同会を開くことになっているが、どうもこの政倫審の制度は曖昧で、今回の経過で明らかになったように、そもそも誰を呼ぶか、傍聴やテレビ中継を認めるか、記録を公開するか等々、すべてが与野党の駆け引きで決まり、また呼ばれても出席を拒否することができる。
これでは到底、追及しきれないのではないかという疑問を野党のベテラン議員にぶつけると、こう返ってきた。
「国会にはもともと懲罰委員会があるが、これは理由なしに登院しなかったとか、議長などの制止を無視した暴言・暴行などの明白な事犯があった場合に、衆議院では40人以上が賛成して懲罰動議を出し、戒告・陳謝命令・登院停止・除名に処することができる。しかし、これは事が起きてから『3日以内』に動議を出さなければならないという制約があるので、長期にわたる構造的な汚職疑惑などを解明するには向かない。そこで、1983年に田中角栄がロッキード事件で有罪判決を下されたのを受け、彼を国会の場に引き出そうということで野党が要求して85年にできたのが政倫審だ」と彼は説明した。
小沢一郎は「政倫審をつくったのは俺だ」と言っている。
「だからそれが問題で、当時の小沢は自民党の議院運営委員長としてこの件の与野党協議の座長を務めた。世論の沸騰を背にした野党の主張を入れて、嫌々ながら制度を作らねばならないが、親分の田中が引き出されてコテンパンに叩かれるようなものにはしたくない。だから中途半端なものになったんだ」
他方、憲法62条に基づく議院証言法があって、これは呼ばれたら証人として出席し、宣誓をして証言しなければならず、虚偽の陳述をすれば偽証罪に問われる。しかし同議員の説明では「こちらは、喚問議決に全会一致が原則だから、よほどのことがあって与党も賛成せざるを得ないといった場合しか実現しない」という。さらに、これとは別に国会法106条の「参考人招致」があるが、これは「国会側が話を聞かせていただく」もので性格が違う。
なるほど、国会が「国権の最高機関」として疑惑を追及しようとしても、いくつもの壁を乗り越えなければならないということなのだ。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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