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※紙面抜粋
※2024年3月6日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
政倫審に出席も、何一つ説明できる事情がない4悪人(代表撮影)
予想通りではある。新年度予算案が今年度内に自然成立することが確実となり、自民党派閥の裏金事件の全容解明への岸田首相のヤル気のなさが、ますます顕著になってきた。
論戦の舞台は参院に移され、4日の予算委員会で立憲民主党議員らが「自民党とカネ」問題を厳しく追及。だが、岸田は「国民の皆さんの政治に対する信頼を損ねた。強い危機感を感じております」「できるだけ多くの関係者が説明責任を尽くすことにより、実態を把握することは重要だ」などと、代わり映えしない答弁でノラリクラリだった。
異例の土曜日に予算案の衆院採決をゴリ押しするにあたって、自民・立憲の国対委員長が、4月以降、衆院に政治改革特別委員会(仮称)を設置することや、新年度予算の成立後に衆参予算委員会で集中審議を行うことで合意した。岸田自民の姑息な幕引き作戦の一環にも見え、本格的な実態解明と検証の場になるのか不透明だが、少なくとも先週2日間にわたって開かれた国民愚弄の衆院政治倫理審査会(政倫審)でわかったことは、岸田も、安倍派と二階派の幹部も、国民が知りたい裏金事件の核心について何一つ、説明できるような事情がなかったということだ。
6人という出席者の数だけ積み上げても、発言は堂々巡り。裏金がいつ、なぜ、どうして、何のために始まり、何に使われていたのか。安倍派ではなぜ、いったん中止になったパーティー券販売ノルマ超過分のキックバック(還流)が復活したのか。そうした裏金づくりの実態や全容については全く語られなかった。
西村、塩谷、下村の食い違い
お呼びじゃないのに自ら政倫審に出てきて何も語らなかった岸田は論外として、改めて振り返ってみても、安倍派の事務総長経験者である、西村前経産相、松野前官房長官、高木前国対委員長、そして塩谷座長の4人の弁明は醜悪だった。「帳簿、通帳、収支報告書を見たことがない」(西村)、「不記載のことが話題になったこともない」(塩谷)と強弁し、4人揃って「一切関与していない」と責任逃れに終始した。
焦点のひとつ、2022年8月上旬の還流復活をめぐる幹部協議について当時、事務総長だった西村が「協議したが結論は出なかった。(その後)経産相になったので(復活の)経緯は知らない」と主張したのに対し、塩谷は「困っている人がいるので仕方がないというくらいの話し合いの中で継続になった」と説明し、話が食い違っている。どちらかが嘘をついているということだ。この齟齬については、4日の参院予算委でも立憲議員が指摘していたが、要するに詳細を具体的にしゃべれないようなことをやっていたんだろう。
4日になって、問題の幹部協議のメンバーだった下村元文科相が、衆院政倫審に出席する意向を党幹部に伝えたと明らかにした。下村は今年1月末の記者会見で「ある人から、還付(還流)については個人の資金集めパーティーに上乗せして、それで収支報告書で合法的な形で出すという案もあったと思う」と口にしている。この証言も西村や塩谷と食い違う。自ら政倫審に出たいとは洗いざらいしゃべるつもりか。ついでに、犬猿の仲の派閥のドン・森元首相の関与の有無についても語ったらどうなのか。
政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「裏金づくりの目的など、事実をしゃべれば犯罪が明確になるから話せないのでしょう。裏金の使途はさまざまなものが考えられます。私的な飲み食いに使うとか、幹部クラスなら配下の地方議員にバラまくための資金にするとか。既に引退した元議員が昔、『派閥の親分に推薦してもらうため、大金を積まなきゃ大臣になれない』と言っていました。立件され、辞職した谷川弥一前衆院議員も『大臣になるために派閥のパーティー券販売に汗を流した』と会見で語っていましたよね。そういうことです。裏金の実態解明には、偽証罪に問われる証人喚問が必要です」
「脱税」を堂々と正当化するとは恐れ入る
安倍派幹部の政倫審でとりわけ国民の怒りの火に油を注いだのは、塩谷のこの発言だろう。
「私自身は政治活動に使用しておりますので、納税するつもりはございません」
塩谷への質問に立った立憲議員が「国民の皆さんが怒っているひとつは『自分らが裏金をつくって持っていたのなら、そんなもん(原則非課税の)政治資金じゃねえだろう。ちゃんと納税しろ』という話です」と言っていたが、まさにその通りで、「脱税」を堂々と正当化するとは恐れ入る。
週末(2、3日)に実施されたJNNの世論調査で、政治資金収支報告書にキックバックを記載しなかった議員について「国税庁が税務調査をする必要がある」と答えた人がナント90%に上った。国民のほとんどが「裏金議員は納税すべし」と激高している証左である。
例えば松野は、800万円もの裏金を議員会館の事務所に現金で保管していたと答弁した。事務所に眠っていたわけで、政治資金として使われていないのは明らかだ。
国税当局は毎年、国会議員らに政治資金の確定申告について説明する“納税手引書”ともいえる文書を渡している。そこには<「政治活動に係る『雑所得』」の金額は、年間の「政治資金収入」から「政治活動のために支出した費用」を控除した差額であり、課税対象となります>とある。なぜ納税しないのか。
国民をナメ切った確信犯
全国商工団体連合会が、自民党の調査で不記載が判明した85人について、全額を「雑所得」として独自に追徴税額を試算している。3500万円超と不記載額が最多の二階元幹事長は約1078万円。次いで、三ツ林裕巳衆院議員が約897万円、橋本聖子参院議員が約767万円、萩生田光一前政調会長は約755万円といった具合で、85人への課税額は合計1億3533万円にもなるという。これほどの課税逃れをフツーの国民がやったらすぐにお縄だろう。
立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)がこう言う。
「政治資金規正法違反はもちろんのこと、法人税、所得税、消費税といった脱税の問題だということが国民の間に浸透してきました。それでも納税しない自民党議員は、国民をナメ切っています。収支を報告書に記載していないということは、企業ならば売り上げを載せないのと同じこと。仮装や隠蔽であり、重大犯罪です。塩谷氏のように『納税するつもりはない』と言い切る者は、確信犯として追及していかなければいけない。税務署は脱税があった場合、取り調べて告発する義務がある。弱者イジメではなく巨悪に立ち向かわないと」
まさに今、所得税の確定申告期間の真っただ中。昨年1年間の所得額を確認し、領収書を1枚ずつ調べて経費を計算するのは煩雑で、膨大な手間がかかる。
言うまでもなく、納税は憲法30条に定められた国民の義務だ。誰かに強いられるのではなく、自ら進んで申告しなければならない。ところが、自民党の裏金議員はマトモな説明もせず、納税もしない。知らぬ存ぜぬで逃げ、一足飛びに再発防止策づくりという党ぐるみの隠蔽は、決して許されない。何を聞いても答えないのは悪事を働いてきたことの裏返しなのだ。
「なぜ議員辞職しないのか。議員辞職は当然のこと、脱税で立件されなきゃおかしい。自らを特権階級だと思っている彼らは、有罪になって公民権を停止され、二度と政界に戻れないようにでもならないと、同じことを繰り返すでしょう」(浦野広明氏=前出)
汗水たらして働く善良な国民が割を食う不公平な社会は変えなきゃダメだ。
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