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国税庁に言いたい 巨悪放置はドラマの中だけと思っていた 適菜収「それでもバカとは戦え」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/336933
2024/03/01 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
(国税庁の公式ポスター)
「脱税は、犯罪。」と大きな文字で書かれた国税庁のポスターがネット上で話題になった。そこには「脱税者は、見つかる。」「査察官は、見つける。」とあるが、組織的に脱税を行っていた連中はすでに見つかっているのに、ごまかして逃げ回っているから国民が怒っているのだ。自民党派閥の政治資金パーティーの裏金問題は、なんの解決もついていない。私もX(旧ツイッター)に「脱税は犯罪らしいよ、自民党」との文言と共にポスターの画像を引用しておいた。
国会では立憲民主党の大西健介議員が、このポスターを示し「このポスターが確定申告で税務署に貼ってあるわけですよ。で、まず調査してよと、じゃないと真面目に納税するのがばからしいよと思うのは当然じゃないかと思います」と述べていた。
こうした流れを受けて、SNSでは過去の国税庁のポスターが発掘され、大喜利状態になっていた。私もいくつか探してみたが、なかなか面白いので紹介する。なお、西暦と和暦はポスターの表記に準じた。
平成28年度の国税専門官募集のポスターは「巨悪と戦うなんて、ドラマの中だけの話。だと思っていた。」。多くの国民は巨悪が放置されるのはドラマの中だけの話と思っていたと思う。
平成29年度の同ポスターはもっとすごい。「公平な社会を夢見ている。本気で。」と謳った後で、「この世で最も被害者が多い犯罪はなにか?」と問いかける。「その答えは、脱税。税金は国民のために使われるもの。それをごまかして正しい税額を納めないことは、国民全員を被害者にするから」。国税庁の言うとおり。被害者は国民である。
平成30年度の同ポスターは「誇り高き使命を胸に。」。
平成31年度の同ポスターは「国の財政基盤を支えるために」「挑む」。
2020年度税務職員募集のポスターは「私たちは、どんな不正も見逃さない。」「正義官。」。
2022年度の同ポスターは「挑戦をやめない。公正な社会のために。」。
2024年度の国税専門官採用試験のポスターは「日本の未来を税のスペシャリストが支え続ける。」。
「誇り高き使命」を持つ「正義官」の皆さんは自分たちの主張を貫き、「日本の未来」と「公正な社会」のために「挑戦」を止めず、最後の最後まで「巨悪と戦う」べきだ。
適菜収 作家
近著に「安倍晋三の正体」「ニッポンを蝕む全体主義」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も発行。本紙連載を書籍化した「それでもバカとは戦え」も好評発売中
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