<■515行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> <主張>侵略から2年 ウクライナを支える時だ ロシア軍は直ちに撤退せよ 社説 2024/2/24 5:00 https://www.sankei.com/article/20240224-JJ4ECKUBNRK3ZMTUPMPTNXTI2Y/ ロシアのプーチン大統領が隣国ウクライナへの侵略を始めて丸2年になった。 多くの犠牲者を出しながら、ウクライナは勇敢に抗戦を続けている。 非道な侵略者に屈しないウクライナの国民に敬意を表すると共に、連帯を改めて表明したい。 この侵略は 「プーチン氏の、プーチン氏による、プーチン氏のための戦争」 だ。 「ウクライナはロシアと一体だ」 という身勝手な帝国主義的妄執に憑かれて隣の主権国家に攻め込んだ。 そこに何の正当性もない。 ロシア軍は無条件で直ちに全占領地から撤退すべきである。 ◆追加制裁が欠かせない プーチン氏は冷戦終結後の国際秩序を破壊し、多くの無辜のウクライナ国民を殺傷した。 ウクライナの女性や高齢者、子供を中心に約1000万人が国内外で避難生活を強いられ、日本にも2000人強がいる。 国境を巡る 「力による現状変更」 は明白な国際法違反だ。 プーチン氏はウクライナ東・南部4州とクリミア半島を一方的に併合し、自身の5選を狙う2024年3月の大統領選では併合地域でも投票を強行するという。 ロシア民族の人口急減を補うためか、約2万人もの子供をロシア国内に強制連行し、これを指示した容疑でプーチン氏には国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ている。 親子を引き裂く戦争犯罪は厳格に処罰されるべきだ。 折しも、 「プーチン氏の最大の政敵」 と言われたナワリヌイ氏が北極圏の刑務所で不審な死を遂げた。 今回のウクライナ侵略に反対し、 「プーチンなきロシア」 をスローガンに何度も反政権デモや集会を率いたナワリヌイ氏の死に対し、世界中から抗議と追悼の声が寄せられている。 人権、人命を顧みない独裁者のプーチン氏は、2年間で約40万人ものロシア兵を死傷させた。 それでも尚無謀な突撃を命じている。 バイデン米大統領は 「侵略」 や 「ナワリヌイ氏弾圧」 に対して大規模な対露追加制裁を発表した。 当然である。 ロシアに北方領土を不法占拠されている日本もウクライナとロシアの民主派勢力への連帯を示し、新たな制裁に動くべきである。 昨年の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)は 「侵略が続く限りウクライナ支援を続ける」 と誓約した。 ところが、最大の支援国の米国は、下院で多数派の野党共和党の反対により対ウクライナ支援の600億ドル(約9兆円)を含む緊急予算案を可決できず、追加の軍事援助が決まらない。 2024年2月のミュンヘン安全保障会議に出席したウクライナのゼレンスキー大統領は 「人為的な武器不足が起きている」 と懸念を表明した。 ◆狡猾な停戦交渉の誘い 2024年2月24日の今日、ゼレンスキー氏を交えて急遽G7首脳のオンライン会議が開催される。 岸田文雄首相ら各国首脳は早く支援の隊列に復帰するようバイデン氏に促してもらいたい。 今こそウクライナを支える時だ。 プーチン氏は2024年2月初め、米保守系テレビの元看板司会者とのインタビューで 「欧米が武器供与をやめれば、ウクライナの戦闘は数週間で終わる」 「米国はゼレンスキー氏に対露交渉に応じるよう働き掛けるべきだ」 と語った。 米国の世論を揺さぶり、全占領地に居座ったまま停戦交渉に持ち込みたいプーチン氏の狡猾な誘いかけだ。 だが、ロシアにとって 「停戦」 は 「次の本格侵攻までの時間稼ぎであること」 をウクライナは知っている。 だからこそ、ゼレンスキー氏はG7広島サミットで 「ロシアが占領した領土を一片でも与えてしまったら、国際法はもう決して機能することはない」 と訴えた。 西側には心強い動きもある。 フィンランドに続き、近くスウェーデンが北大西洋条約機構)NATO)に加わる。 ロシアに覇権を握られてきたバルト海方面で、NATOがロシアを牽制する状況が生まれる。 ゼレンスキー氏は広島で 「ロシアを最後の侵略者にしなければならない」 とも訴えた。 これは、中国による台湾侵攻の危険性を想起させる発言だ。 侵略者ロシアが撃退されなければ同じ専制国家である中国が勢い付きかねない。 ウクライナを支えることは、日本を含む世界の平和と安定を守ることに直結するのである。日本のウクライナ支援、国益のために必要 東京大先端科学技術研究センター・小泉悠准教授 ウクライナ侵略から2年 2024/2/23 12:00 https://www.sankei.com/article/20240223-POEF2EWQP5MVDGVAEVTHPCWXKQ/ ロシアによるウクライナ侵略から2年が経ち、世界各地で 「支援疲れ」 が顕在化してきている。 なぜ日本を含めた各国はコストを払ってまでウクライナ支援を続けるべきなのか。 なぜ停戦が難しいのか。 ロシアの軍事情勢に詳しい東京大先端科学技術研究センターの小泉悠准教授に話を聞いた。 ――ウクライナの現在の戦況をどう見るか 極めて厳しい状況に置かれている。 攻勢に転じるための人員も物資も不足しており、防戦が続くだろう。 一方のロシア軍も兵員こそ集めているが、装備と練度が足りていない。 2024年1年は双方とも攻勢がうまくいかず、戦局の膠着が続くと見られる。 侵略開始から2年が経ち、各国でウクライナへの 「支援疲れ」 が表面化している。 停戦を模索すべきだという声も分からなくはない。 だが、改めて確認したいのは、ロシアの行為は国際平和の維持などを定めた国連憲章に違反する侵略行為であることだ。 これを容認することは、国連憲章を定めた1945年以前、つまり大国が軍事力で自国有利に物事を動かせる世界に戻ることを意味する。 非軍事大国にとって不都合な世界で、極論すれば、自国民を10万人単位で死なせても構わない国家だけが有利になる。 今の西側諸国にはとても受け入れられない。 占領地をロシア側に渡して停戦する選択肢は否定されるべきではないが、土地を渡せばプーチン大統領が戦争をやめるとは思えない。 プーチン氏の目的は土地ではなく、ウクライナそのものを影響下に置くことだと見られるからだ。 ロシアがウクライナ東部で再び占領地域を広げている現状では、プーチン氏が停戦を呑むと期待するのは難しい。 また、一時停戦はロシアが戦力を再編する 「休み時間」 にしかならない可能性もある。 その場合は戦っている方がまだましだった、という残酷な事態を免れない。 ウクライナが敗れた場合、大国が核抑止力を笠に着て隣国へ攻め込めば、国際社会は2年くらいは支援するが結局は諦めるーという前例を作ってしまうことになる。 これは今後、中国が台湾にどう出るかに関わる。 中国は急速な勢いで核戦力を増やしている。 米国が2023年発表した見通しでは、中国の運用可能な核弾頭数は現在の500発から2030年には1000発に達する。 世界がウクライナを見捨てれば、中国に誤ったメッセージを与えかねない。 これは北朝鮮にも同様のことが言える。 国際社会は、これ以上の侵略を必ず止めるという姿勢を明確に示す必要がある。 日本がコストを掛けてまでウクライナを支援すべき理由は、ロシアの戦争が成功した場合、望ましくない世の中になってしまうからだ。 ウクライナが可哀想だから支援したい、という正義感だけではない。 軍事的な損得勘定の問題としても支援を続けるべきだ。 米国が今後、同盟国の防衛に本当に尽力するかは疑わしく、日本は抑止力についてこれまで以上に真剣に考えないといけない時代に突入した。 軍事や外交、経済などあらゆる方面から安全保障を真剣に考えなければ、我々もウクライナのような状況に立たされる可能性がある。 クリミアの怨念330年 露の謀略に抗するウクライナ「最終独立戦争」 斎藤勉 ウクライナ侵略から2年 2024/2/23 12:30 https://www.sankei.com/article/20240223-G6PTSKOTR5M2DE6735COLBFQLU/ ロシアのプーチン大統領は10年前の2014年3月18日のウクライナ南部クリミア半島併合を 「ロシアへの再統合」 と呼ぶ。 これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は 「クリミアで始まった戦争はクリミアの解放で終わらねばならぬ」 と 「最終独立戦争」 を覚悟して徹底抗戦を誓う。 この決定的な認識の懸隔こそ、プーチン氏が2年前の2022年に一方的に始めたウクライナ侵略が長期化している原因だ。 ウクライナの 「クリミア奪還」 への不退転の覚悟を示す人事が2023年9月に発表された。 新国防相に国有財産基金総裁だったルステム・ウメロフ氏(41)が起用されたのだ。 クリミアの先住民族でイスラム教徒のクリミア・タタール人からの初めての抜擢だ。 汚職と無縁とされ、捕虜交換交渉で手腕を発揮した。 ロシアが強制連行した数十万人の子供の奪還交渉に、イスラム国家が仲介に入る機会が多いための起用との見方もある。 第二次大戦中、ソ連の独裁者スターリンはクリミア・タタール人に 「ナチス・ドイツに協力した」 との濡れ衣を着せた。 約20万人がウズベキスタンなどに強制移住させられ、数万人が死亡した。 その埋め合わせにソ連は大量のロシア人をクリミアに移り住ませた。 ウズベク生まれのウメロフ氏は 「独裁者が1つの民族を丸ごと殲滅するために断行したソ連最大の犯罪だ」 と糾弾する。 ウメロフ氏の国防相就任と呼応するように、ウクライナ軍はクリミア攻撃を激化させた。 2023年9月、露黒海艦隊司令部への攻撃で将校34人を死亡させ、2024年2月14日にはクリミア半島沖の黒海で露大型揚陸艦を水上ドローンで撃沈した。 ロシアにとり貴重な不凍港を基地とする黒海艦隊が壊滅的損失を被れば、存在意義は失われる。 ウクライナがロシアに隷属する発端となったのは、1654年、黒海沿岸一帯で強大化したウクライナ・コサックが帝政ロシアのロマノフ王朝と結んだ 「ベレヤスラフ協定」 だ。 ポーランドがコサックを統制下に置こうとして全面戦争になり、劣勢挽回のためロシア皇帝に泣きついたコサックがこの協定でまんまと宗主権を認めさせられた。 中井和夫・東大名誉教授の論考「ウクライナ人とロシア人」によると、 「ロシアはこれによりウクライナを併合し、帝国化への道を歩むことになる」 という。 ロシアの女帝エカテリーナ2世は18世紀後半、露土戦争に勝利し、クリミアを含む黒海沿岸の「ノボ(新)ロシア」を獲得した。 ウクライナ、特にクリミア・タタール人は1991年のソ連崩壊後を除き、330年以上もロシアの帝国主義的謀略と暴力に虐げられ、今はプーチン政権の非道な侵略に敢然と立ち向かっている。 プーチン政権に不法占領されている北方領土問題を抱える日本は、ゼレンスキー政権、クリミア・タタール人との共闘を強固にする時だ。 露国境から1.5キロ、東部前線「要塞化」の現場 従軍医師「手足切断、この戦争の特徴」 ウクライナと共に 試練の3年目(1) 2024/2/24 8:00 https://www.sankei.com/article/20240224-75PQPVWDNFNPNDJP2WKTUYETMU/ ロシアによるウクライナ全面侵攻から2024年2月24日で2年。 国際支援の停滞によって苦境にあるウクライナの今と、試練の3年目を迎えた人々の思いを伝える。 ■迷宮のような地下塹壕 ウクライナ東部ハリコフから車で数時間走り、ロシア国境から1.5kmの地点に着いた。 爆音はほとんど聞こえない。 「今日は霧がかかり、敵もドローン(無人機)による偵察ができないから平穏だ」 「普段はもっと砲撃がある」 同行したウクライナ国境警備隊の中佐、イオン・シェフツォフ(42)が言った。 雪の積もった広大な平原と林だけが視界に入る。 ウクライナ軍と連携する国境警備隊は、ここで 「要塞化」 と呼ばれる作業を進めていた。 ウクライナ側の拠点となる陣地(塹壕)を拡張・強化する作業である。 「どうぞ」。 カムフラージュされた入り口から、地下塹壕に足を踏み入れた。 成人男性が難なく歩ける幅と高さの通路が、薄暗い照明の中で続く。 壁や天井は丸太などで強化されている。 「ここは安全だ」 「口径120ミリの砲弾でも貫通出来ないように造られている」 まるで地下迷宮のようだ。 歩兵や迫撃砲要員が先頭で使う小規模な塹壕と違い、この拠点陣地には兵士らが快適に過ごせるよう寝室や食堂、洗濯室や浴室などが備わっている。 露軍への反撃を行うための開口部もある。 現時点で既に全長3.5kmが運用されており、拡張工事も急ピッチで進められていた。 ウクライナ軍が2023年6月に始めた領土奪還の反攻作戦は不調に終わった。 最大の支援国である米国の議会では与野党対立でウクライナ支援の予算案が通らず、国際支援は細っている。 このためウクライナは実効支配線を守って露軍を消耗させる 「積極防衛 の作戦に転じた。 ハリコフ州の国境近くで進む拠点陣地の強化と拡張はその一環だ。 「今、被占領地を解放する反攻作戦を行うことはできない」 「現有の手段を使って積極防衛をする他ない」。 シェフツォフはこう述べつつ、ウクライナは持ち堪えられないといった過度の悲観論にはクギを刺した。 シェフツォフによれば、人命を惜しまない露軍の損失は大きい。 露軍はドネツク州リマン〜ハリコフ州クピャンスク方面では毎日200〜300人の死傷者を出し、50〜60の兵器を失っている。 「西側の武器がもっとあれば、我々はより勝利に近付くことができる」 「(ウクライナが独立した)1991年に確立された国境の回復が唯一の目標だ」 と彼は語った。 ■従軍医「手足切断多い」 2024年2月上旬、ウクライナ東部ドネツク州の前線地域に足を運んだ。 大雪のため露軍の攻撃は低調で、配置に就くドイツ製戦車「レオパルト2」の乗務員らにリラックスした空気が漂っていた。 戦車はスウェーデンから供与されたうちの1両で、戦車中隊の隊員らもスウェーデンで訓練を受けたという。 「実戦的で信頼できる」 「防御は強固で、既存のソ連製に比べ操縦性や機動性、走行性能良い」 「照準は正確で夜間の暗視装置も優れている」 「プラスの点ばかりだ」 指揮官のセルゲイ(43)はレオパルト2を絶賛し、 「強いてマイナス点を挙げれば、こうした兵器がもっとあってほしい」 と大きく笑った。 中隊の報道担当、、セルゲイ・ジブロフ(50)は 「軍には人員の不足もあるし、武器の不足もある」 と率直に認めた。 だが、人員不足を凌ぐための新たな動員法案が議会で審議されている。 北大西洋条約機構(NATO)事務総長、ストルテンベルグは 「米国の動向と関係なくウクライナの勝利に必要な支援を続ける」 との立場を鮮明にした。 ジブロフはこのように指摘し、断言した。 「ウクライナは武器・弾薬不足にかかわらず世界2位の軍隊を相手に戦えることを示してきた」 「ウクライナは踏みとどまっているし、これからも踏みとどまる」 ドネツク州内の中継医療拠点で活動する従軍医師らにも話を聞いた。 中継医療拠点は130kmに及ぶ戦線の至る所に設けられ、 「安定化拠点」 と呼ばれる。 広大なウクライナに特有のものだ。 前線の負傷者に救命や最低限の外科処置を施し、病院に送り出す。 医師らは民間団体 「ピロゴフ第1ボランティア機動病院」 に所属。 民間での本業の合間を縫って1カ月の日程で派遣され、無償で軍医と共に活動している。 彼らの話からは、戦争の悲惨な側面が浮かび上がった。 「ヘルメットと防弾チョッキで守られていない手足の負傷がとても多い」 「手足の切断処置はこの戦争の特徴と言える」 女性医師のディアナ・ポドリスカヤ(53)が画像を見せながら説明した。 砲弾や地雷で潰れ、原形をとどめない手足は切断するしかなかった。 顔面の下半分が失われた画像もあった。 「辛うじて生命はあった」 「こんな酷い顔の写真は見たことがなかった」。 呼吸経路を確保し、止血に全力を尽くした。 搬送されてくる患者数は戦況で変わるが、彼女が2023年6月に従軍した際には1日で200人の患者を受け入れた。 最近は兵士の年齢層が高くなり、40〜50歳で持病を抱える人も目立つという。 彼女は2つの国軍が直接衝突する今回の戦争の規模や烈度は、冷戦終結後の他の戦争と全く異なるとし、こう語った。 「目の前の患者を見て、ああ本の中で読んだな、と思うことがある」 「ドローンが使われるなど変わった部分は多いものの、私たちが目にしている(患者の)現実は大戦の頃と何ら変わっていない」 (敬称略) 米仏首脳が電話会談でウクライナ支援を協議 ウクライナ侵略2年 2024/2/24 11:54 https://www.sankei.com/article/20240224-UGMED6L365NDFA235J2456VRTY/ バイデン米大統領は2024年2月23日、フランスのマクロン大統領と電話会談し、ロシアの侵略開始から2024年2月24日で2年となるウクライナへの支援などについて協議した。 ホワイトハウスが発表した。 両首脳は、ロシアへの対応や米議会がウクライナ軍事支援の追加予算を認める必要性について議論。 2024年2月24日に開かれる先進7カ国(G7)首脳のテレビ会議を前に、意見の擦り合わせも行ったとみられる。 電話会談で両首脳は、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルの戦闘や、親イラン勢力による駐留米軍などへの攻撃で情勢が不安定化する中東問題についても話し合った。 また、米国務省は2024年2月23日、インド太平洋地域に関する米仏協議を米ワシントンで2024年2月22日に開催したと発表。 両政府は、中国を巡る課題への対処や海洋安全保障での協力など同地域における連携強化を議論した。 EUがロシア制裁、27社を新たに輸出規制強化対象に 中国企業も対象 ウクライナ侵略2年 2024/2/24 10:44 https://www.sankei.com/article/20240224-EF47FFWRVFPN7AIYDJ2ZLXP26A/ 欧州連合(EU)は2024年2月23日、ロシアがウクライナを侵略してから2年となるのを前に、ロシアに対する13回目の対露制裁を採択した。 軍事転用可能な電子製品などをロシアに輸出したとして27社を新たにEUによる輸出規制強化の対象に指定。 27社のうち、中国本土企業3社も対象になった。 今回の制裁では、ロシアの他、外国の企業が対象になった。 更に、ロシアの武器調達に関与したとし、資産凍結の制裁対象にロシアや北朝鮮などの194の個人・団体を追加した。 北朝鮮の強純男国防相も対象となった。 ロシアによるウクライナの子供の 「連れ去り」 や 「再教育」 に関わったとされる15人の個人と2団体も、制裁の対象にした。 ボレルEU外交安全保障上級代表は2024年2月23日、 「EUはロシアに対する圧力を継続する」 と強調した。 国連総会でスイス外相、和平を話し合うハイレベル会合を「夏までに」開催と表明 ウクライナ侵略2年 2024/2/24 9:10 https://www.sankei.com/article/20240224-5MVKZ2D6MBNIRJURVNVF655QXQ/ 国連総会と安全保障理事会は2024年2月23日、ロシアのウクライナ全面侵攻開始から2024年2月24日で2年となるのに合わせ、それぞれ会合を開いた。 スイスのカシス外相は総会で 「ウクライナ和平を話し合うハイレベル会合を夏までに開催する」 と演説し、各国に参加を呼びかけた。 ウクライナのクレバ外相は総会演説で、ハイレベル会合はゼレンスキー大統領が提唱する和平案 「平和フォーミュラ(公式)」 について話し合う国際会合を土台とするものだとの認識を示した。 平和公式の会合は、各国の安全保障担当の高官らが参加し、デンマークとサウジアラビア、マルタ、スイスで開催。 平和公式の10項目を構成する ▽核・放射線の安全 ▽捕虜の返還 ▽ウクライナの領土的一体性の回復 などを協議してきた。 クレバ氏は演説で、平和公式の会合への参加国・地域は 「この1年間で15から82へ増えた」 と述べた。 ハイレベル会合を主宰するスイスへの謝意を示し、平和公式の達成が 「唯一の公正で永続的な和平の道」 と訴えた。 また、全ての国と国連を含む国際機関に参加を求めた。 ゼレンスキー氏は、侵略を止められない安保理や、プーチン露大統領を裁く国際特別法廷の設置を決議できない総会に不満を抱き、各国首脳が平和公式を話し合う 「平和サミット」 の実現を模索してきた。 他方、日米欧の代表は総会と安保理で、改めてウクライナへの連帯を示し、ロシアを非難し、露軍の撤退を要求した。 ただ、総会議場は空席が目立った。 アラブ諸国や南半球を中心とした新興・途上国グローバルサウス(GS)諸国の代表の多くが姿を見せなかった。 ウクライナ危機でロシア非難の先頭に立つ米国が、パレスチナ自治区ガザで民間人を巻き込む攻撃を繰り返すイスラエルに擁護的だとし、 「2重基準」 と憤っている国もある。 ロシアを非難する新たな決議も採択されず、国際社会の対露圧力の低下が表面化した。 クレバ氏は総会演説で、 「平和公式の会合は全ての地域から参加国がある」 「西側諸国が後ろ盾ではない」 と強調し、GS諸国の参加を促した。 バイデン米政権が大規模制裁を発表、第三国経由「抜け道」許さず 中印韓団体に禁輸措置も ウクライナ侵略2年 2024/2/24 8:57 https://www.sankei.com/article/20240224-YIKFKHEETVP2TE7IHYV3LKHQ6I/ バイデン米政権は2024年2月23日、ロシアのウクライナ侵攻から2年となるのに合わせた大規模な対露追加制裁の全容を公表した。 ロシアの戦争継続や、露反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の獄中死に関連した500超の個人・団体に制裁を発動した他、禁輸措置を科す 「エンティティーリスト」 に93社を追加。 ロシア以外では中国、トルコ、インド、韓国など少なくとも15カ国の個人・団体が対象となり、第3国経由での戦費・物資の調達を許さない姿勢を示した。 バイデン大統領は2024年2月23日、ホワイトハウスで行われた各州知事との会合で 「米国は頼りになると世界に示さなければならない」 と述べ、野党・共和党が抵抗するウクライナ支援に向けた緊急予算案の成立を訴えた。 財務省の集計によると、2022年2月のウクライナ侵攻後のロシア国内の制裁対象は2000を超した。 ロシアは不足する兵器を埋め合わせるため、第3国を通じて取引を行うことで米欧などの制裁を回避している。 今回の大規模制裁は、そうした 「抜け穴」 を塞ぐことが主眼の1つだ。 特に中国については、精密兵器に不可欠な電子部品などの調達先となっているとして、6社が米国内の資産凍結などの制裁対象に、8社が禁輸対象となった。 また、外交的な仲介役としてロシア、ウクライナ両国と良好な関係を保つトルコの16社を、軍事転用可能な民生品の調達などに関与していたアラブ首長国連邦(UAE)の4社も禁輸対象に追加した。 ロシアがウクライナ民生施設への攻撃などに多用する自爆型ドローンの供給元であるイランについても、既に別の制裁対象となっている同国国防軍需省を新たな制裁対象に指定。 イランから調達したドローンの組み立ては主に露中部タタルスタン共和国政府傘下の軍需企業が担っていることから、同社やその幹部、関連会社などにも制裁が拡大された。 バイデン政権はこの他にも、制裁回避の手段になっているとして、露中央銀行が保有し国内外で展開する国営決済システムに照準を合わせた制裁スキームを構築。 同システムに関連する露銀行や投資会社、ソフト開発会社など20社に制裁を科し、露独自の金融ネットワーク整備を阻止する姿勢を鮮明にさせた。 米、最大の対露制裁で500超標的 バイデン氏「プーチン氏に代償」ナワリヌイ氏死亡でも ウクライナ侵略から2年 2024/2/23 22:04 https://www.sankei.com/article/20240223-B2OGIEY3XVPIZKK4PRF2DCYQS4/ バイデン米大統領は2024年2月23日、ウクライナ侵略2年に合わせて声明を出し、ロシアの反体制派指導者、ナワリヌイ氏の死亡に関与した者や、ウクライナ侵略を支える軍事産業関係者ら500超を標的にした新たな制裁を行うと発表した。 米メディアによると、侵略開始後の制裁では最大規模となる。 ナワリヌイ氏が獄中死したのはプーチン露政権の責任であることを明確化する狙いもある。 バイデン氏は声明で、ロシアの戦争継続を支援している100団体近くに輸出規制を科すとした上で、 「ロシアの石油収入を更に減少させるために行動する」 と述べた。 声明はこれらの措置により、制裁を回避してロシアと取引することが世界各地で困難になると説明。 「国外を攻撃し、国内で弾圧するプーチン大統領は、あまりに高い代償を支払うことになる」 と強調した。 また、バイデン氏は600億ドル(約9兆円)規模のウクライナ支援を含む緊急予算案ついて、 「歴史は見ている」 「支援の失敗が忘れられることはないだろう」 「ウクライナを強く支持するときだ」 と強調。 「手遅れになる前」 の予算通過を米議会に求めた。 緊急予算案は上院が2024年2月、超党派の賛成で可決したが、野党・共和党が多数派を握る下院で法案通過の見通しは立っていない。 スナク英首相、ウクライナ侵略2年で「自由と主権守ろう」と表明 礼拝と連帯のデモ行進も ウクライナ侵略2年 2024/2/24 8:34 https://www.sankei.com/article/20240224-464SXUWYVZJV3OKEMDFVHYK6SQ/ スナク英首相は2024年2月23日、ロシアがウクライナを侵攻してから2024年2月24日に2年となるのに合わせて声明を出し、 「ウクライナの勝利まで、どんなに長期になろうとあらゆる手段を講じる」 と述べてウクライナを全面支援していく考えを表明した。 スナク氏は、ロシアの行為を 「一切正当化の余地がない侵略だ」 と指摘。 数週間前にウクライナを訪れて同国の負傷兵らと対話したことに言及し、 「彼らが支払った代価は自国の防衛だけでなく、私たちが信じる自由や主権、法の支配の原則を守るためのものだ」 と強調した。 英国は2024年1月、ウクライナに対して25億ポンド(約4760億円)の大規模軍事支援を発表したのをはじめ、これまでに総額120億ポンドの支援を実施した他、同国と10年間の安全保障協定を締結した。 ロンドン市内では2024年2月24日、ウクライナ・カトリック大聖堂で、戦闘の早期終結と平和を願う宗派を超えた礼拝が実施される。 市中心部では、ウクライナ出身者や支援団体がプーチン露政権の横暴を非難し、ハイドパークからトラファルガー広場までデモ行進して戦いの勝利などを誓う。 ウクライナ、露早期警戒機「A50」撃墜と発表 先月に続き2機目 事実なら露軍大打撃 2024/2/24 7:23 https://www.sankei.com/article/20240224-BKCTJ6ZHBZLLRDZ3CXFT752OTY/ ウクライナ国防省情報総局は2024年2月23日、同国空軍との共同作戦により、アゾフ海上空でロシア軍の早期警戒管制機「A50」を撃墜したと発表した。 ウクライナ側によるA50の撃墜発表は1月中旬に続き2例目。 大型レーダーで空域を監視するA50は制空権確保の要を担う機体で、事実であれば露軍に大きな打撃となる。 情報総局はA50が 「露軍のレーダー探知や航空管制、ミサイルによる空爆の指揮」 を担っていたと指摘。 価格は1機3億5000万ドル(約530億円)で、露軍も数機しか保有していないとした。 一方、タス通信によると、アゾフ海沿岸の露南部クラスノダール地方の地元当局は同日、航空機2機が同地方で墜落し、火災が発生したと発表。 後に墜落したのは1機だったと訂正した。 墜落した航空機がA50かどうかには言及していない。 地元当局は住民らに墜落した航空機の写真や動画をインターネット上に投稿しないよう命じた。 複数の露軍事ブロガーも同日、A500の墜落を報告。 露軍の対空ミサイルの誤射が墜落の原因となった可能性を指摘した。 日本のウクライナ支援は防護服など「非武器」に限定 厳しい安保環境も装備移転の議論停滞 ウクライナ侵略から2年 2024/2/23 16:26 https://www.sankei.com/article/20240223-IYC63WX7ZVLVBPJTA3YOY5IJQI/ 日本政府は、ロシアによる侵略を受けるウクライナへの支援として防弾チョッキや防護服、高機動車など殺傷能力のない防衛装備品を提供している。 殺傷能力のある武器の提供は防衛装備移転3原則の運用指針などで認められていないからだ。 欧米各国がミサイルや戦闘機などの支援を行う中、政府・自民党には防空ミサイルなどの提供を解禁すべきだとの意見もあるが、議論は進んでいない。 ロシアの侵略が始まった直後の2022年3月、政府は運用指針を改定し、ウクライナに防弾チョッキなどを提供できるようにした。 ウクライナ側は対戦車砲や防空ミサイルなどを求めていたが、指針が根拠とした自衛隊法は武器の提供を認めておらず、非殺傷装備にとどまった。 米国は3正面対処でウクライナ軍事支援停滞 欧州、主役へ取り組み強化 ウクライナ侵略から2年 2024/2/23 15:20 https://www.sankei.com/article/20240223-WVJVS3PWRZLX3FQQXNPQZ24S6A/ ウクライナがロシアとの戦いを勝ち抜き、国土を回復できるかどうかは、欧米による継続的な支援にかかる。 米国は欧州に加え、中東と中国の3正面の対応に追われる。 米国のウクライナ軍事支援がトランプ前大統領に連なる野党・共和党の抵抗で滞っているのに伴い、欧州諸国が支援の 「米国依存」 から本格的に脱却し始めた。 米上院は今月、民主党のバイデン政権が要求した600億ドル(約9兆円)規模のウクライナ支援を含む緊急予算案を超党派の賛成で可決した。 だが、共和党が多数を握る下院で法案通過の見通しは立っていない。 仮に2024年11月の大統領選でトランプ氏が当選すれば、米国のウクライナ支援は風前の灯火となりかねない。 米国内での政争で支援が途絶えたせいで、前線では弾薬不足が深刻化。 ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年2月17日、ドイツで開かれたミュンヘン安保会議で 「このままではウクライナはロシアに滅ぼされる」 と訴えた。 米国はこれまで突出して多額の軍事支援を行ってきた。 ドイツの政策研究機関「キール世界経済研究所」によると、国別に見た場合、米国の軍事支援額は2024年1月15日までに422億ユーロ(約6兆8000億円)で、2位のドイツ(177億ユーロ)、3位の英国(91億ユーロ)などを大きく上回る。 だが、米国には、欧州方面の安全保障だけでなく、中東情勢への対応やアジア太平洋で中国に対処するための戦力構築に予算を配分する必要があるという事情もある。 ウクライナ支援は従来、米国が軍事支援の主軸を担う一方、経済・人道支援は欧州が引き受けてきた。 欧州連合(EU)自体と加盟国による軍事・経済・人道支援の合計は1441億ユーロで、米国(677億ユーロ)の2倍を超えている。 だが、米国の支援の見通しに不安が出始めたことで、軍事支援でも欧州の役割拡大が不可欠な情勢となった。 英軍事専門家は 「今後は英独とフランスがウクライナ支援も含む欧州安全保障の3本柱となる」 と指摘する。 英仏独は2024年2月中旬までにウクライナと2国間の安保協力協定を個別に締結し、同国を長期的に支援していくと約束した。 ただ、米国依存からの脱却は短期間では難しい。 EUは2024年3月までの1年間でウクライナに砲弾100万発を供与する計画だったが、2024年1月までの供与量は33万発にとどまる。 欧米の軍需産業は大量の受注残を抱え、増産体制の強化を急いでいる。 また、欧州が米国のウクライナ軍事支援を完全に肩代わりするには、支援額を現在の2倍に引き上げる必要がある。 欧州の世論や政界が 「支援疲れ」 に陥らず、ウクライナ支援を維持できるかどうかもカギとなる。 ウクライナ、守勢に転換 「積極防衛」と追加動員で戦力回復待つ ウクライナ侵略2年 2024/2/23 14:02 https://www.sankei.com/article/20240223-CWS6NOSSQBJNDEZ7OWVT4HPEUA/ ウクライナ軍は過去2年間、欧米諸国の軍事支援を後ろ盾に抗戦し、領土奪還作戦を進めてきた。 ただ、2022年秋以降は戦況が膠着し、最近は東部や南部で拠点を失うなど守勢への転換を迫られつつある。 その要因の1つに、供与される兵器・弾薬不足の深刻化がある。 ウクライナは戦線を維持しながら露軍の消耗を狙う 「積極防衛」 に転じて戦力回復を進め、再攻勢の機会を伺う構えだ。 ウクライナ軍は2022年2月のロシアの侵略開始当初、欧米から供与された歩兵携行式の対戦車ミサイル「ジャベリン」や地対空ミサイル「スティンガー」で抗戦。 首都キーウ(キエフ)を含む北部から露軍を撤退させることに成功した。 ウクライナ軍はその後も、155ミリ榴弾砲や高機動ロケット砲システム「ハイマース」など欧米製兵器を活用し、2022年9月の東部ハリコフ州奪還や2022年11月の南部ヘルソン市奪還に成功した。 だが、露軍は防衛線の構築を強化。 ウクライナ軍は前進が次第に困難になり、2023年5月には東部ドネツク州バフムトを喪失した。 2023年6月、ウクライナ軍は独戦車「レオパルト2」なども投入して大規模な反攻作戦に着手したが、航空優勢がないこともあり目立った領土奪還はできなかった。 一方、露軍はウクライナ軍が反攻で損耗したと見て、2023年秋頃から東部で攻勢を強化。 2023年12月にはドネツク州の激戦地マリインカを制圧し、その後も複数の集落を制圧したと主張した。 目下の戦いの焦点は、ドネツク州アブデーフカとリマン、ハリコフ州クピャンスクの3方面だ。 アブデーフカはロシアの実効支配下にある州都ドネツク市の近郊に位置し、ウクライナ軍が重要拠点としてきた。 リマンは露軍が全域の制圧を狙うドネツク州の交通の要衝。 クピャンスクは東部の中心都市ハリコフへの進軍ルートにある。 アブデーフカ方面では過去数カ月にわたり激戦が続いていたが、露軍が徐々に前進。 2024年2月17日、ウクライナ軍はアブデーフカの放棄を発表した。 ウクライナ軍が劣勢となった最大の要因は、議会の党派対立で米国の軍事支援が途絶え、武器不足に陥ったことだとする見方が支配的だ。 露軍は今後、アブデーフカを拠点に更なる支配地域の拡大を狙うとみられる。 また、リマン方面とクピャンスク方面でも露軍が徐々に前進している。 ウクライナは武器不足解消のため欧州の軍需企業と供給契約を結ぶなどした。 だが、生産に時間がかかる上、必要量には追い付かない見通しだ。 一方、ロシアは兵器生産を拡大している。 露国営軍需企業「ロステク」のチェメゾフ総裁は2023年12月、同社の戦車の製造量が過去2年間で7倍に増え、砲弾やロケット弾の生産量も50倍になったとプーチン大統領に報告した。 ロシアは北朝鮮やイランからも武器を調達しているとされる。 ウクライナ軍は現在、防衛線を守りつつ露軍を損耗させる戦術に移行。 ドローンで露国内の燃料施設や艦艇を攻撃するなど兵站の弱体化も進めている。 ウクライナは露軍の勢いを弱めつつ、米戦闘機F16の戦力化や追加動員による兵力回復を待って将来の再攻勢に繋げる計画だ。 追加動員は最大50万人規模を想定し、最高会議(議会)で招集年齢の27歳から25歳への引き下げを柱とした法案の審議が進んでいる。 国内の反発も予想されるが、政権側は断行する構えだ。
[18初期非表示理由]:担当:スレ違いの長文多数のため全部処理
|