http://www.asyura2.com/24/senkyo293/msg/323.html
Tweet |
※紙面抜粋
※2024年2月9日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
写真があっても「記憶にない」(答弁する盛山正仁文科相=衆院予算委、昨8日)/(C)日刊ゲンダイ
「記憶にございません」
「まったく記憶がございません」「覚えておりません」──。「記憶にない」の連発でいつまで持ちこたえられるだろうか。
盛山正仁文科相が2021年の衆院選の際、旧統一教会の関連団体「世界平和連合」から推薦状を受け取り、選挙支援を受けていたとされる問題。6日の朝日新聞が推薦状を手にした盛山と教団関係者の写真を1面トップで報じてから、盛山の答弁はブレブレだ。
この問題が衆院予算委員会で追及され、当初は「写真があるのであれば、推薦状を受け取ったのではないか」(6日)とスットボケていたが、教団側との事実上の「政策協定」にあたる推薦確認書にも署名していたことが報じられると、「うすうす思い出してきた」「(推薦確認書の)内容をよく読むことなくサインをしたかもしれない」「軽率にサインした」(7日)と少しずつ変遷してきた。
「LGBT問題や、同性婚の合法化は慎重に扱う」など、教団側が掲げる政策への賛同を求める確認書にサインしたことを認めたわけだ。それが推薦状の条件でもあり、選挙期間中は教団信者10〜20人が連日、有権者に投票を呼びかける電話作戦を展開。こうした支援状況は、世界平和連合の地元幹部が盛山の事務所に報告していたという。
文科省は宗教法人を所管し、昨年10月に旧統一教会の解散命令請求を出した。22日には東京地裁が当事者の意見を聞く「審問」が初めて開かれる予定だ。
これから教団側と厳しく対峙していくはずの役所のトップが教団とズブズブで、選挙支援を受けてバッジを手にしていたなんて、悪い冗談でしかない。野党は盛山の更迭を要求しているが、岸田首相は拒否。「職責を果たしていただきたい」と、続投させる方針だ。
記憶喪失のおかげで文科相に就任
それにしても、なぜ岸田は盛山をよりによって文科相に任命したのか。
確認書に署名したことを「うすうす思い出してきた」と言っていた盛山は、8日になって一転、「記憶にない」と発言を後退させた。8日の衆院予算委員会では、10回以上も「記憶ない」と答弁。推薦確認書は「頂戴していないのではないか」と言い出し、写真付きで報じられた推薦状についても「破棄してしまって確認できない」というのだ。さすがに苦しい。無理がある。
盛山が旧統一教会側の推薦確認書にサインしたとされるのは、前回衆院選の公示直前だった21年10月17日だ。その後、22年7月に安倍元首相が銃撃され横死したことをきっかけに自民党と旧統一教会との関係が浮上し、自民党は22年9月に所属議員と旧統一教会との接点を調査。選挙の支援を受けたと回答した議員名を公表したが、盛山は含まれていなかった。「関連団体の会合に出席し、あいさつ」とだけ申告していたからだ。推薦確認書へのサインも、選挙支援も申告していなかった。
当時の盛山は、わずか1年前のことも覚えていなかったのか? 自民党がこの調査を実施した時には、旧統一教会との関係について世論の厳しい目が注がれていたのに、直近選挙の推薦状況や選挙支援について調べ直すこともせずに回答していたのか。1年前の記憶もなくしてしまう御仁では心もとないが、“記憶喪失”のおかげで盛山は23年9月に文科相として初入閣を果たす。
「統一教会」も「裏金」も自己申告のずさんな調査
「事実上の政策協定である推薦確認書を読まずにサインしたのなら軽率に過ぎるし、本当に記憶にないとすれば政策遂行能力に疑問符がつきます。政治家にとって選挙は何より重要なはずなのに、1年前のことも覚えていられない大臣で大丈夫なのか。もちろん、本当は覚えているのに党の調査に嘘をついていたとすれば言語道断です。いずれにしても、大臣としての能力も資質もないことを自ら告白しているに過ぎない。旧統一教会に解散命令請求をする資格はどこにもありません。文科省は宗教法人だけでなく、教育行政を所管しているのです。道徳教育もつかさどる役所のトップがこんなことでいいのでしょうか。岸田首相の任命責任は重大です」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
盛山は灘中・灘高から東大法学部の超エリートだ。大学卒業後は運輸省(現・国交省)に入省し、通産相や運輸相、衆院議長を歴任した自民党の田村元の娘と結婚。ピカピカの経歴だが、子どものころに「嘘つきは泥棒の始まり」と教わらなかったのだろうか。
もっとも、盛山は選挙に弱い。21年衆院選も小選挙区で敗れ、比例復活。教団信者の熱心な支援がなければ、比例復活もままならなかったかもしれない。選挙に弱い議員ほど、怪しげな団体が付け込む余地が生まれるものだ。
とはいえ、旧統一教会は選挙に強い議員にも食い込んでいる。7日には林官房長官にも旧統一教会との関係が浮上したし、岸田自身も政調会長時代の19年に教団関連団体「天宙平和連合(UPF)ジャパン」のトップらと並んで撮った親しげな写真が昨年、報じられた。盛山も、林も岸田派。とりわけ関係が深かった安倍派のみならず、岸田派中枢も教団と関係を持っていたことに震撼する。旧統一教会と自民党はどこまで一体化していたのか。
自民党に自浄作用は期待できない
岸田も「写真があるということは会ったのではないか」「どなたがいらしたかは覚えておりません」と、今回の盛山と同じような弁明をしていた。証拠写真があっても、シラを切り通せば何とかなるという成功体験。それを盛山も実践しようとしているのか。
「盛山大臣を辞めさせると、『林官房長官はいいのか』『岸田首相はどうなんだ』と波及する可能性がある。それを恐れて、岸田首相は更迭にも踏み切れないのでしょう。盛山大臣が教団側から推薦状を受け取った際の写真に写っていた幹部のひとりは、岸田首相との写真にも収まっていましたからね。しかし、こうやって教団側からの反撃を恐れているようでは、首根っこを掴まれているも同然で、関係を断ち切ることなどできません。自己保身に走れば、教団側からのリークを恐れて顔色をうかがうようになってしまう。教団側の思うつぼです」(五十嵐仁氏=前出)
党の調査に虚偽の申告をしてもバレなければOK、「記憶にない」で逃げられるということになれば、いま自民党が行っている「裏金問題」での全議員アンケートだって、誰が信じるものか。8日締め切りで自民党スタッフが回収していたが、自己申告で、虚偽の申告をしても罰則はない。調査をしたというアリバイづくりをしているだけなのだ。自民党に自浄作用など絶対に期待できない。
「岸田首相は口では『先頭に立って』『火の玉になって』と言いますが、旧統一教会の問題も、裏金問題も、徹底調査してウミを出し切る覚悟は見えない。調査したという形だけ整えて“やってる感”をアピールし、問題にフタをするアリバイづくりでしかありません。すべてがその場しのぎの小手先なのです。将棋の藤井聡太名人は100手先まで読んでいるといわれますが、岸田首相はどうすれば政権が少しでも延命できるかという“次の一手”しか考えていないように見えます。今回も自分の保身のために盛山文科相を続投させると言っていますが、いずれ辞任は免れない。こんな問題で予算委の時間を浪費すれば、岸田首相の責任ですよ。早く自分の任命責任を認めて文科相を交代させ、国民に謝るしかないでしょう」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
盛山文科相も、旧統一教会との関係がバレたら岸田派の親分にも政権に迷惑をかけるし、国民からの信頼が失われることが分かっていながら、なぜ申告しなかったのか謎だ。他のポストならまだしも、少しでも教団との接点が記憶にあれば、普通は文科相就任は断るだろう。
大臣になれるなら、党に迷惑をかけてもいい、国民を裏切っても構わないと思ったのか。この国の政治家は、ここまで落ちてしまったか。モラルも何もあったもんじゃない。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK293掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK293掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。