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許すまじ! 自民・安倍派に8億円脱税疑惑、政治家なら「不明」だらけの収支報告書でまかり通るのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/335910
2024/02/08 日刊ゲンダイ
最後の安倍派議員総会(右から、萩生田光一前政調会長、高木毅前国対委員長、塩谷立元文科相)/(C)日刊ゲンダイ
今月16日から始まる確定申告を前に、国民の怒りは煮えたぎるばかりだ。国会では連日、自民党派閥による裏金事件への追及が続いている。裏金議員は政治資金収支報告書を訂正して逃げ切りを図ろうとしているが、そうは問屋が卸さない。巨額脱税疑惑がくすぶったままだ。
◇ ◇ ◇
「こんな『不明、不明、不明』の収支報告書の訂正は、脱税の疑いのあるマネーロンダリングじゃないですか」
7日の衆院予算委員会で立憲民主党の後藤祐一議員は、裏金議員による収支報告書のずさんさを取り上げ、岸田首相にそう迫った。
問題となったのは、自民党派閥の中で最も裏金をこさえていた安倍派の「5人衆」だった萩生田光一前政調会長の収支報告書だ。
萩生田氏が代表を務める「自民党東京都第24選挙区」は2日、2020〜22年分の収支報告書について、安倍派からの寄付計1952万円を追加して訂正。ところが、いずれの年でも「収入総額」「支出総額」「翌年への繰越額」のすべてを不明と記載し、お茶を濁そうとしていた。一体、いつ、いくら、どこで使ったのか、サッパリ分からないのだ。
予算委で後藤氏が「このような『訂正』は政治資金規正法上、認められるのか」と追及すると、同法を所管する松本総務相は「『不明』についてのご指摘ですが、過去にも領収書などが災害などによって滅失した場合など、記載できない項目については『不明』と記載し、確認できた範囲内で収支報告書を記載して提出された事例はある」などと強弁した。
災害ならまだしも、萩生田氏は被災者でも何でもない。松本大臣が並べた理屈に当てはまるわけがない。
萩生田氏は裏金を全額、個人的に使った可能性がある。個人的に使っていたとしたら、雑所得となり、税金を払う必要がある。
二階派は約3.2億円
訂正しても「不明」ばかり。災害時の領収書消失「不明」と同じであるわけがない(萩生田光一前政調会長)/(C)日刊ゲンダイ
他の裏金議員も脱税疑惑がくすぶる。おととしまでの5年間で、安倍派は計6億7503万円、二階派は計2億6460万円のパーティー収入などを派閥の収支報告書に記載していなかった。安倍派と二階派の裏金も、政治資金とみなされず、課税対象となる可能性がある。納税額は一体、いくらに上るのか。立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)がこう言う。
「政治資金パーティーの実態はイベントによる収益事業であり、本来なら課税されるべきですし、議員個人の懐に入った裏金は雑所得として扱われます。派閥は法人税法違反、議員は所得税法違反の可能性があるのです。悪質性を加味して考えると、法人税と所得税に加えて重加算税と延滞税を課すべきでしょう。それぞれ、納税されるべき額は6割程度と考えられます」
ザッと計算すると、法人税法及び所得税法違反の場合、脱税額は安倍派が約8億円、二階派が約3.2億円にも上る。計11億円超の巨額脱税だ。7日の予算委で国税庁幹部は税務調査について問われ、「実態に即して判断する」と答弁していた。
「国税は昔から『弱きをくじき、強きを助ける』と言われていますが、『実態に即して』と言うのであれば、なおのこと調査に乗り出すべきです。通常、納税者の不備や非協力によって実額を把握できない時は『推計課税』が課されます。例えば飲食店の場合、客数や席数、1日の売り上げなどから納税額を推計される場合があります。今回の裏金事件のように悪質な場合は、政治家にも推計課税を課していいのではないか」(浦野広明氏)
「脱税許すまじ」の世論が大きくなれば、国税も動かざるを得なくなる。巨悪を眠らせていてはダメだ。
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