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子育て増税で1人当たり負担は「年間1万円超」…首相答弁「月額500円弱」は真っ赤なウソ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/335849
2024/02/07 日刊ゲンダイ
追及する立憲民主の早稲田夕季衆院議員(C)日刊ゲンダイ
「子育て増税という指摘はあたりません」
6日の衆院予算委員会で野党議員から異次元の少子化対策の財源となる「子ども・子育て支援金」の負担額をめぐる欺瞞について追及された岸田首相はこう居直っていたが、真っ赤なウソ。1人当たりの負担は年間1万円を超える可能性がある。アベノミクスが招く円安などのせいで、実質賃金は21カ月連続マイナス。手取りは減る一方なのに、政府はロクな説明もせず、国民の財布に手を突っ込もうとしている。そんなの許されない。
子ども・子育て支援金は、岸田首相が1年前にブチ上げた異次元の少子化対策のひとつ。児童手当拡充などの財源確保のため、2026年4月から公的医療保険料に上乗せして徴収される見通し。岸田首相は「歳出改革と賃上げにより負担軽減の効果を生じさせるので、実質的な負担は生じない」と言い張ってきた。
立憲民主党の早稲田夕季議員から「報道されているように、1人月額500円と政府は見込んで試算しているのでしょうか」と質問された岸田首相は、「粗い試算として申し上げれば、支援金の総額を1兆円と想定する2028年度の拠出額は、加入者1人当たり月平均500円弱となると見込まれています」と答弁。初めて認めた。
この数字通りだと、1人当たり年間6000円、共働き世帯は年間1万2000円を新たに徴収されることになる。しかし、これはあくまでも平均だ。所得や加入する医療保険組合によって上振れる。日本総研の試算によると、協会けんぽの加入者の負担は月額638円(年間7656円)、健康保険組合は月額851円(年間1万212円)、共済組合は月額898円(年間1万776円)。国民健康保険の場合は月額746円(年間8952円)になるという。
高齢者も例外ではない。岸田首相は「後期高齢者医療制度等を通じて拠出いただくことは想定しております」とシレッと答弁していた。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
「詐欺的なやり方です。岸田首相の『実質的な負担は生じない』という詭弁を信じる国民はいないでしょうが、ドサクサに紛れて年間1万円以上も新たに召し上げられるとなると、世論は納得いかないでしょう。子育て世代の共働き夫婦は年間2万円の負担増ですから、家計に重くのしかかる。当事者の理解を得るのも難しいのではないか」
政府は来週、関連法案を閣議決定し、国会へ提出する方針。事実上の増税法案審議よりも裏金事件の全容解明が先だ。
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