http://www.asyura2.com/24/senkyo293/msg/268.html
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/307026
記事の中で指摘されている。
「・・・原発は、揺れの大きさに対して耐震設計基準が示されている一方、地盤のズレなどにより「原子炉建屋が傾いたり、損壊したりすれば壊滅的な被害となる」。配管にズレが生じると取水できず、核燃料を冷却できなくなる可能性もある。」
と。
私達は、津波に対する備えと、原発の耐震安全性ばかりに目を奪われ過ぎているかもしれない。
今回の能登半島地震で、半島西側海岸では、海底の地盤が4mも隆起し、漁港が陸地になってしまったという、まるで信じられないことまで起きた。
そんなことが起きた近くに原発があることも、まるで信じられないことだ。
これまで海だったところが、さっきまで「海水があった」ところが陸地になり、無尽蔵に有る筈の「海水が無くなった」ということになる。
そして陸地では、ほとんどの地域で断水。
こんなことが起こることを原発運用者は想定していただろうか。
志賀原発は、1、2号機共、沸騰水型軽水炉(BWR、原子炉の中で蒸気を発生させる)であり、原子炉内で核燃料により水を熱し、そこで発生した水蒸気でタービンを回し、発電する。タービンを回した水蒸気は、復水器で海水により冷却され、水に戻して、再び原子炉に送られる、という仕組みだ。復水器で冷却の役目を終えた海水は、海に戻される。
ここで水蒸気を冷却するための海水は、当然海岸から少し離れた海中に取水口を設けたパイプを設置し、取水する。
こんな仕掛けの原子炉周辺で、4mも海底が隆起したことを重ね合わせて、どんなことが起きるのかを想像すれば、その重大さが理解できるのではないか。
原子炉圧力容器や、冷却するシステム、機器が、堅牢で壊れていなくても、外部電源が供給されていても、非常用電源が正常に動作できても、冷却のための海水、水を失ってしまったら、冷却することはできない。
目の前に、無尽蔵の海水があったとしても・・・。
もし、志賀原発が稼働中であったとして、志賀原発の目の前の海岸が隆起し、海水の取水口を失ってしまったとしたら・・・。
原子炉の冷却水を冷やす手立てを失ってしまうということではないのか。
その後の結果は、想像にお任せする。
素人なので、間違いかもしれない。詳しい方の解説を待ちたい。
以下、記事の抜粋。
マグニチュード(M)7.6を記録し、200人余が犠牲となった能登半島地震。発生から1カ月たつ中、拭い去れない危惧がある。次なる地震だ。・・・(岸本拓也、山田祐一郎)
◆震度5強以上の発生確率「平常時の60倍」
「いずれ志賀原発の近くでも大きな地震が来るんじゃないか」
能登半島の東端に位置し、先月の地震で甚大な被害が生じた珠洲市の元市議、北野進氏はそう語る。・・・
・・・気象庁は1月末に「今後2〜3週間程度、最大震度5強程度以上の地震に注意を」と呼びかけ、その発生確率は「平常時の60倍程度」と付け加えた。
◆周囲100キロ以内で「地震活動は活発に」
・・・先の地震は能登半島の北側で東西約150キロにわたって断層が活動したとされる。東北大の遠田晋次教授(地震地質学)・・・能登半島東側の新潟・佐渡沖、半島西側の志賀町沖の断層で今後、地震が発生しやすくなったという・・・。
遠田氏は「佐渡島周辺や志賀町沖などで体に感じないほどの小さな地震が増えている。何らかのひずみが加わったサインだ」と解説する・・・
◆「流体」今回の地震のトリガーに?
・・・能登半島で起きた近年の群発地震は、地下深くから上昇した水などの流体が原因とされる。断層帯にある岩盤の隙間に流体が入り込み、潤滑油のように作用することで断層がずれやすくなったと考えられてきた。
「流体が今回の地震のトリガーとなった可能性がある」と話すのは金沢大の平松良浩教授(地震学)。・・・
◆「地震を起こしやすくする力がかかった」
平松氏は、・・・「今回の地震によって、能登半島の西側を含め、北陸一帯の多くの断層帯に地震を起こしやすくする力がかかったことが分かっている。マグニチュードで7クラスの大地震発生のリスクは相対的に高くなった」
次なる地震で心配なのが志賀原発だ。立地するのは能登半島の西側。地震が起きやすくなったとも。原発の周辺は、活動性が否定できない断層が少なくない。北陸電の資料を見ると、原発の10キロ圏に限っても陸に福浦断層、沿岸地域に富来(とぎ)川南岸断層、海に兜岩沖断層や碁盤島沖断層がある。
次なる地震に原発は耐えられるか。北陸電の広報担当者は、地震の揺れの強さを示す加速度(ガル)を持ち出し「原子炉建屋は基準地震動600ガルまで耐えられ、今回の地震による地盤の揺れは600ガルよりも小さかった。さらに2号機については1000ガルまで耐えられると新規制基準の審査に申請している。原子力施設の耐震安全性に問題はない」と話す。
◆「想定を超えた」北陸電の言い分
北陸電の言い分はうのみにしづらい・・・
同社が能登半島北側の沿岸部で想定してきた断層活動は96キロの区間。だが先の地震では、政府の地震調査委員会が震源の断層について「長さ150キロ程度と考えられる」と評価した。
なぜ想定を超えるのか。
「海底の断層を調査する音波探査は、大型の船が必要。海底が浅い沿岸部は、調査の精度が落ちる。・・・」
◆現行の技術水準では全容捉えがたく
こう指摘するのは新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)。陸の断層も「地表に見える断層が数キロ離れていても、地下で一つにつながっているかもしれない」。
現行の技術水準では捉えがたい活断層の全容。・・・
志賀原発周辺で注目すべき一つは、北に約10キロの距離にある富来川南岸断層。この断層の全容は見方が割れる。北陸電の資料では陸域を中心に長さ9キロと書かれる一方、研究者からは、海まで延びる可能性を指摘する声が上がってきた。
脅威の程度が捉えづらいこの断層。再評価を求めるのが名古屋大の鈴木康弘教授(変動地形学)だ。
◆地表のずれとたわみ、志賀町内に点在
先の地震後に志賀町内を調べ、富来川南岸断層とみられる地表のずれやたわみが点在しているのを確認した。「1970年代から推定されていたが、今回の痕跡でより確度が高まった」
・・・今までの知見に頼らず、断層の評価を検討し直す必要がある」と語る。
志賀原発の近くにあり、多大な影響を及ぼしかねない富来川南岸断層。同様に再検証が必要なのが、原発の西4キロの海域で南北に延びる兜岩沖断層という。北陸電の資料によれば、「活動性が否定できない」とされ、長さは4キロとある。
◆「計算するまでもなく原発はもたない」地盤がズレたら…
・・・ 原発に及ぶ地震の脅威でいえば、揺れ以外にも思いを巡らせる必要がある。地盤のズレもだ。元東芝原発設計技術者の後藤政志氏は「メートル単位で上下や水平方向にズレが生じたら、計算するまでもなく原発はもたない」と指摘する。
原発は、揺れの大きさに対して耐震設計基準が示されている一方、地盤のズレなどにより「原子炉建屋が傾いたり、損壊したりすれば壊滅的な被害となる」。配管にズレが生じると取水できず、核燃料を冷却できなくなる可能性もある。
◆手放しで安心できぬ規制委の判断
志賀原発は2012年、直下に断層があり、これが動いて地盤のズレが生じうると指摘された。原子力規制委員会は昨年、直下断層の活動性を否定する北陸電の主張を妥当と判断した。
ただ、手放しで安心できるかといえば、そうではないと後藤氏は説く。「周囲の断層が起こす地震によって、直下断層の動きが誘発される恐れもある」
地震リスクの懸念が拭い去れない志賀原発。いま、何をすべきか。龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)は「原発が止まっているとはいえ、核燃料がプールで保管されている。金属製のキャスクに移すなどの対策が必要ではないか」と述べ、・・・核燃料の扱い方について早急に議論するよう求める。
地震リスクは他の原発にも潜むとし「現状で動いている原発も止めた上で断層の再評価など規制基準の見直しが必要だ」と訴える。・・・
◆デスクメモ
(省略。)
記事の抜粋はここまで。
志賀原発では、一部失った外部電源を含め、まだまだ完全復旧には程遠い。
現状の志賀原発は、安全面からは、極めて脆弱な状況にあるといえるのではないか。
この状態で、再び大地震が起こったら、停止中とはいえ、重大事故が起きないと、だれが言い切れるだろうか。
そうなる前に備え、対策が急務だと、記事でも警鐘を鳴らしている。
その通りだと思う。
しかし、電力会社はやらないだろう。
原発は、地震国日本には「あってはならないもの」というのが、国民誰しもが辿り着く結論だ。
原発に代わる電源はあるのだから。
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