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大阪万博の延期・中止に現実味…政権浮揚へ起死回生のウルトラC、前売り販売不振も渡りに船
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/335118
2024/01/24 日刊ゲンダイ
大阪・関西万博会場の大屋根を視察する斎藤健経産相(手前中央)=18日、大阪市の夢洲(C)共同通信社
「英断」の時が近づいているのか。岸田首相は22日、首相官邸で斎藤経産相と面会。2025年大阪・関西万博の会場建設などに必要な資材調達について「需給を丁寧に把握して(能登半島地震の)復興に支障がないよう計画的に進めて欲しい」と指示した。
政府や経済界は「復旧・復興が最優先」としつつ、「万博準備と同時並行で進める」との立場だ。一方、建築資材や人員が万博に取られ、復興の妨げになるのではないかとの懸念が生じている。
昨年の臨時国会で岸田氏は万博について「延期・中止はない」と断言していたが、万博に対する世間の風当たりは強い。報道各社の最新の世論調査では内閣支持率が危険水域の20%台に沈んだまま。政権浮揚のキッカケを掴めずにいる。そこで、起死回生のウルトラCとして現実味を帯びてきたのが、万博の延期・中止だ。
現代ビジネス(22日付)が〈「岸田の乱」の後には万博中止を発表か…怖い物なしの岸田首相が打ち出す「次の一手」〉と題した独自記事を配信。1カ月ほど前に岸田氏と話をしたという自民党幹部の興味深いコメントを紹介している。
〈岸田首相は万博をこのまま開催していいのか、ちょっと首をかしげてたんだよ〉〈どうも岸田首相は万博の中止もしくは延期を決断する可能性が出てきた〉〈震災復旧、復興という理由なら国際的な理解も得られるので、縮小なり中止ということも十分、考えられる〉
前売り券の売れ行きはペースダウン
“岸田の乱”後の更なる一手に?(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
裏金事件では派閥解散を支持する世論に聞く力を発揮し、他派閥への相談なしに解散をブチ上げた岸田氏である。政権浮揚のためなら万博の延期・中止を言い出す可能性は否定できない。
万博会場の目玉である大屋根(リング)は5割が完成し、海外パビリオンの建設も本格化し始めているが、今なら延期・中止のタイミングにもってこい。万博チケットが販売不振だからだ。
前売り券の売れ行きは昨年11月30日の販売開始から今月17日までの約8週間で約26万枚。週平均3万2500枚だが、開始当初の週5万枚よりもペースダウンしている。
前売り券の目標枚数1400万枚のうち、経済界に押しつけられた700万枚はほぼメドがついた一方、残り700万枚を週3万2500枚のペースでさばいたとしても4年はかかる。こんなスローペースではミャクミャクだってしんどい。
万博準備が被災地の復興の妨げにならないかどうか本当に心配なら、いっそ延期・中止するべきだ。
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