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自民「派閥パーティー」全面禁止は抜け穴だらけ 政党支部・幹部の開催で“裏金の温床”は残る
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/335168
2024/01/24 日刊ゲンダイ
自民党の政治刷新本部会合であいさつする岸田首相(C)共同通信社
自民党の政治刷新本部(本部長・岸田首相)が23日、中間とりまとめ案を大筋で了承。派閥について「お金と人事から完全に決別する」とうたいながら、派閥存続が大前提の腰砕け。とりわけ、裏金づくりの温床となった政治資金パーティーの開催は、抜け穴だらけである。
あくまで「全面禁止」の対象は派閥単位のパーティーのみ。2022年分の政治資金収支報告書によると、解散する3派閥を含め、自民6派閥のパーティー収入は計9億2323万円。一方、共同通信の集計だと、国会議員の資金管理団体と関係する政党支部が開いた「特定パーティー」(1回1000万円以上を集金)の収入は少なくとも計52億円で、うち9割超を自民党議員が占めた。
派閥の開催禁止で途絶える自民党のパーティー収入は全体の約6分の1に過ぎず、8割以上の収入はがっちりキープ。喜ぶのはパー券販売のきついノルマから逃れられる派閥の議員くらいだ。
派閥の領袖にとっても、パーティーは大きな収入源。岸田首相は22年だけで1億5509万円をカキ集めた。いくら派閥単位の開催を禁じても、その実態が派閥の幹部クラスが開くパーティーに移行すれば、集金システムは温存される。ノルマ解放の議員たちも、ぬか喜びとなりかねない。
規制が強まるほどアングラ化
裏金事件を刑事告発した神戸学院大教授の上脇博之氏が指摘する。
「収支報告書をつぶさに調べると、パッと見は政治家関連の団体でなくとも、特定の政治家のパーティー開催だけを目的に設立された政治団体も、すでに散見されます。刷新本部は中間報告案に、会計責任者が逮捕・起訴された場合、その団体の代表を務める国会議員の処分を明記しましたが、議員に責任が及ばないよう代表の名義貸しが横行しかねません。それこそ無数の『ダミー団体』だらけになれば、資金の流れが今以上に不透明になる懸念もあります」
22年には薗浦健太郎・元自民党衆院議員が不記載額4900万円の政治資金規正法違反の罪で略式起訴。端緒は、上脇氏が収支報告書に収入の記載のない薗浦氏の「闇パーティー」を告発したことだった。裏金事件の捜査中には、西村前経産相の「架空パーティー」問題が週刊文春で取り沙汰された。「闇」や「架空」がはびこる悪の組織は、規制が強まるほどアングラ化していくのが世の常だ。
「萩生田前政調会長が会長を務める自民党都連も、パーティー収入の不記載が判明し、告発済みです。裏金づくりは都道府県連単位に及ぶ可能性があるのに、手つかずのまま。政治資金パーティーそのものを全て禁止しなければ裏金づくりは途絶えません」(上脇博之氏)
パーティー大好きの自民党議員がカネを欲しがる限り、裏金の温床は残り続ける。
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