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※紙面抜粋
※2024年1月23日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
幹部の逃げ切り、付け焼刃の改革案、国民は自民党に匙を投げている(自民「政治刷新本部」第4回会合=昨22日)/(C)日刊ゲンダイ
▽政治刷新本部に期待できますか──「期待できない」75%(読売新聞)
▽「政治刷新本部」の議論で、政治と金の問題の再発防止に期待するか──「期待しない」69.5%(FNN・産経合同世論調査)
▽政治刷新本部は再発防止につながるか──「つながらない」74%(テレビ朝日)
自民党派閥の裏金事件をめぐる東京地検特捜部の捜査が事実上終結したのを受け、報道各社が先週末に実施した世論調査の結果だ。総裁の岸田首相が設置した政治刷新本部に対する有権者の大半の反応が「何でアンタらが?」。政治資金を組織的にくすねた盗人連中がそれを取り締まるというのだから、どうなるかはお見通し。骨抜きは確実だと見透かされているのである。ところが、な〜んにもわかっちゃいない自民党は連日、党を挙げて猿芝居に興じている。
22日の刷新本部の第4回会合は、全議員対象としては2回目だった。メンバー外からは山下貴司元法相(茂木派)が「岸田派解散の真意を説明してほしい。ぶら下がり取材で言う話ではないのではないか」との声を上げたほか、リクルート事件に端を発した1990年代の政治改革議論に若手ながら積極参加した石破茂元幹事長(無派閥)も発言。「派閥が担ってきた資金集めや選挙支援を党本部が担うのならば、党の組織をどう変えるのかを示さないと若い議員は安心できない」などと言っていたが、やっぱり自民党内の議論はコップの中の嵐の域を出ない。
党内議論の前に全容の説明が筋
通常国会が召集される前日の25日に公表する中間報告の原案はスッカスカだ。それによると、実態の伴った派閥解消は棚上げ。「派閥」を「政策集団」と言い換え、政策集団による政治資金パーティーや閣僚人事などの推薦名簿作成を禁止し、政治資金規正法違反が判明した場合は党から解散や活動休止を要求。政治資金収支報告書の外部監査とオンライン提出を導入。議員が規正法違反で逮捕・起訴された際の党処分を厳格化し、会計責任者が立件された場合は議員の処分を検討しているという。派閥から一時的にでもカネと人事を引きはがせば、党に一元化されて総裁の力が強まる。つまり、岸田の焼け太りだ。ザル法と呼ばれる政治資金規正法改正については、「政治資金の透明化」と丸めてお茶濁し。肝心要には当たらず触らずなのがアリアリだ。
岸田は刷新本部会合で「各派閥や議員がケジメをつけ、説明責任を果たすことが大変重要だ」と一席ぶち、さまざまな派閥改革案が出ていると報じられているが、大笑いである。
ジャーナリストの青木理氏はこう言う。
「改革案にしろ、刷新案にしろ、自民党に『政治とカネ』をめぐる問題を議論する資格があるのか。裏金事件に関与していたのは、一部の議員にとどまらない。長年にわたり、派閥を通じて組織的に堂々と違法行為を繰り返し、不透明な資金をつくってきたことが判明した。違法性を認識しなかったとしたら政治家失格。認識しつつも手を染めていたとしたら、政治家になる資質を欠いている。そもそも、党内議論を始める前に、裏金事件の全容を明らかにするのが先でしょう。渦中の議員は『捜査中なのでお答えできない』と口をそろえていましたが、地検の捜査は一区切りした。まずは国民に対する説明責任を果たすのが筋です」
国民が自民党の自浄作用に匙を投げたのは当然なのだ。
「派閥が」「秘書が」で免れない政治的責任
裏金事件をめぐっては、規正法違反(虚偽記載)の罪で最大派閥の安倍派、第5派閥の二階派、第4派閥かつ総裁派閥の岸田派の関係者が立件された。時効が未成立の18年からの5年間の裏金総額は、安倍派が約6億8000万円、二階派が約2億6000万円、岸田派が約3000万円。先月まで岸田派会長に居座っていた岸田が派閥解散を宣言したことで安倍派と二階派も道連れになったが、岸田は「事務処理上の疎漏」「事務的なミスの積み重ね」などとスッとぼけ。最も悪質な安倍派は座長の塩谷元文科相と事務総長の高木前国対委員長が並んで会見したほか、高木を含む「5人衆」の中では世耕前参院幹事長、西村前経産相、萩生田前政調会長が個別に会見したものの、一様に「派閥が」「秘書が」「会長が」と口にして責任逃れに終始している。
自民党の辞書に「反躬自省」の言葉なし。政権中枢から追われる安倍派一掃を連中が受け入れたのは、お縄になるリスクを誰よりも認識していたからではないのか。法的責任は問われなくとも、政治的責任は問われ続ける。事の顛末をつまびらかにしない限り、だ。それすら果たさない我利我利亡者の集団の刷新案なんか、見るに値しない。付け焼き刃でゴマカし、逃げ切ろうとする国民愚弄政権にはもはや下野以外につける薬はない。
能登半島地震への対応をめぐっては24日、衆参両院の予算委員会で集中審議が行われる。「政治とカネ」については、通常国会召集後の29日。再発防止に向けた政治改革が焦点で、野党の勝負どころだ。
企業献金、パーティー全面禁止
「数の力を頼みにする自民党に主導権を握らせたままでは、『政治とカネ』をめぐる問題はいつまでたっても解消されません。規正法に手を入れるまでは受け入れても、根本的には改めず、『抜け穴』をこしらえるでしょう」と言うのは、立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)だ。こう続ける。
「企業団体献金と政治資金パーティー開催の全面禁止は必須。60年代の八幡製鉄事件をめぐっては最高裁判決で企業による献金が認められましたが、憲法の観点からは解釈は割れている。主権者ではない企業が献金やパーティー券購入を通じ、政治に影響を及ぼすのは適切ではないからです。見返りを追求すれば限りなく買収に近づく。法改正で献金とパー券を完全に潰さなければ、自民党はほとぼりが冷めたころを見計らって再び資金集めに精を出すでしょう。政党が党幹部に毎年億単位で支出する政策活動費も廃止すべきです。特定の人間にしか渡らないカネは、必ず腐敗を招く。政治資金の透明化も早急に実現しなければならない。制度に反対する共産党以外の国政政党は税金が原資の政党交付金を受け取り、収入の大半を占めている。公金を受領している以上、政治家には1円単位で収支を報告する義務があるし、国民は知る権利があるのです」
パー券購入者の公開基準引き下げなんて生ぬるい。汚いカネの供給源を断たなければ、元の木阿弥。会計責任者が有罪になれば議員が失職する「連座制」の導入も待ったなしだ。政治資金の規制を検討する特別委員会を国会に設置し、与野党が侃々諤々やらなきゃ始まらない。
「当事者の議員だけで審議するのではなく、与野党それぞれが推薦する有識者も加わる形がいい。国権の最高機関である国会には頭脳と良識が集まっているはずで、国民が納得する対策を打ち出す責任があります」(金子勝氏=前出)
金権腐敗にまみれた政治をキレイさっぱり払拭し、特権化した政治の民主化を進めなければ、この国は沈みゆくのみだ。
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<もう何をやってもダメ>岸田内閣支持率は過去最低…裏金問題の対応「評価せず」75% =朝日・読売調査(日刊ゲンダイ)
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