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米国の製造業、貿易赤字是正で「安全保障」支えられる状態にする必要…スティーブン・ミラン米大統領経済諮問委員会委員長/
読売新聞 によるストーリhttps://www.msn.com/ja-jp/news/money/%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A3%BD%E9%80%A0%E6%A5%AD-%E8%B2%BF%E6%98%93%E8%B5%A4%E5%AD%97%E6%98%AF%E6%AD%A3%E3%81%A7-%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BF%9D%E9%9A%9C-%E6%94%AF%E3%81%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E7%8A%B6%E6%85%8B%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E5%BF%85%E8%A6%81-%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%B3-%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%B3%E7%B1%B3%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E7%B5%8C%E6%B8%88%E8%AB%AE%E5%95%8F%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E5%A7%94%E5%93%A1%E9%95%B7/ar-AA1D8eel?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=2b2518ebb36140b1a2dfb86fb622772b&ei=9
[危機〜世界経済秩序]インタビュー<5>
トランプ大統領は、米国と貿易相手国で異なる関税率や市場開放の度合いを問題視し、相手国に関税を課すことで、その格差を是正しようと決意している。米国は過去数十年にわたり、モノの貿易赤字を蓄積してきた。米国の製造業はむしばまれており、問題への対処を始めることが極めて重要だ。
貿易赤字により、米国を守るために必要な防衛装備品を生産する能力は低下した。米国は世界の急激な環境変化に対応し、自国と同盟国を守らなければならない。そのために必要な武器の調達は、中国や中国によって貿易が遮断される可能性のある他国に依存してはいけない。米国の製造業が、国家安全保障上の優先事項を支えられる状態にしておく必要がある。
関税措置を巡る同盟国や友好国との交渉では、相手国・地域の関税率の大幅な引き下げや非関税障壁の撤廃を実現させ、貿易の増加につながる素晴らしい合意を実現できると期待している。中国は世界貿易を混乱させ、不公平な貿易環境を作り出している「最悪の加害者」であることは明白だ。米国の中国に対する追加関税が、他のどの国・地域よりも高い(計145%という)関税率になっていることは驚くべきことではない。
ただ、関税措置の見直しに向けた中国との協議について、大統領は「前向きだ」と述べている。市場の開放や貿易障壁の是正といった米国にとって重要な条件を中国が提示すれば、合意が成立する可能性は十分あり、中国の行動次第だ。
関税を巡る交渉で、外国為替市場でのドル高に関する問題は核心ではない。為替問題は確かに存在するが、過大に評価したりすることは避けたい。(米国の輸出を増やして製造業の競争力を高めるためにドル高の是正で各国が協調するという構想を示した)昨年11月公表の私の論文も、他人の考えを紹介したもので私の考えではない。トランプ政権の方針を示したものでもない。
貿易の決済で利用されるドルが基軸通貨の地位にあることで、米国は多大な利益を得ている。ただ、世界貿易のシステムは安全保障と密接に絡み合っており、米国がコストを負担している状況だ。(イエメンの反政府勢力フーシによる)紅海での船舶攻撃に対する米軍の対応が示すように、世界貿易のシステムが米国の軍事力に依存している部分は大きい。
大統領は、世界貿易で利益を得る国・地域もコストを公平かつ公正に分担する必要があると考えている。実現すれば、米国民からは幅広い支持が得られ、世界貿易のシステムを強力で持続可能なものにすることができるだろう。
(聞き手・ワシントン 田中宏幸)
◆Stephen Miran =米ハーバード大で経済学の博士号を取得。第1次トランプ政権では、米財務省で経済政策担当の上級顧問を務めた。米ヘッジファンドのシニアストラテジストなどを経て、今年3月から米大統領の経済ブレーンである大統領経済諮問委員会(CEA)の委員長。41歳。
ミラン氏へのインタビュー要旨
「障壁の格差、関税で是正」
米大統領経済諮問委員会(CEA)のスティーブン・ミラン委員長へのインタビュー要旨は以下の通り。
――「相互関税」などを相次いで導入した狙いは。
「トランプ米政権は、敵対国だけでなく、同盟国や友好国にも関税を課した。それは、米国と貿易相手国の間で貿易や市場参入の機会が対等になっていないからだ。大統領はそうした障壁の格差を関税によって是正しようと決意している」
「関税措置を巡る同盟国や友好国との交渉では、相手国・地域の関税率の大幅な引き下げや非関税障壁の撤廃を実現させ、貿易の増加につながる素晴らしい合意を実現できると期待している。そうしたことが可能になるのは、米国とそれらの国々が長年、強固な関係を築いてきたからだ」
「米国は過去数十年にわたり、モノの貿易赤字を蓄積してきた。米国の製造業はむしばまれており、問題への対処を始めることが極めて重要だ」
「貿易赤字により、米国を守るために必要な防衛装備品を生産する能力は低下した。米国は世界の急激な環境変化に対応し、自国と同盟国を守らなければならない。そのために必要な武器の調達は、中国や中国によって貿易が遮断される可能性のある他国に依存してはいけない。米国の製造業が、国家安全保障上の優先事項を支えられる状態にしておく必要がある」
――中国に対する追加関税は、計145%と非常に高い。何らかの政策意図があるのか。
「中国は世界貿易を混乱させ、不公平な貿易環境を作り出している『最悪の加害者』であることは明白だ。米国の中国に対する追加関税が、他のどの国・地域よりも高い関税率になっていることは驚くべきことではない。ただ、関税措置の見直しに向けた中国との協議について、大統領は『前向きだ』と述べている。市場の開放や貿易障壁の是正といった米国にとって重要な条件を中国が提示すれば、合意が成立する可能性は十分あり、中国の行動次第だ」
――米国東部から中西部の「ラストベルト(さびついた工業地帯)」に代表される製造業の衰退は、ドル高と米国に不利な貿易体制によってもたらされたと指摘している。トランプ政権はドル高の是正に動くのか。
「相互関税の目的は、貿易相手国の障壁の是正にある。私たちは、他国が米国市場にアクセスできているのと同じように、米国も他国の市場にアクセスできるようにしたいと考えている。米国と相手国の関税率を同等にして、米国製品を阻んでいる非関税障壁を引き下げることを進める」
「関税を巡る交渉で、外国為替市場でのドル高に関する問題は核心ではない。為替問題は確かに存在するが、過大に評価したりすることは避けたい」
「日本との関係は変わらず」
――日本の貿易政策や非関税障壁について、どのように考えるか。
「私は日本経済の専門家ではないが、日本と米国は何十年にもわたって非常に親しい友人だ。同盟国でもある。その関係が変わるとは思っていない。そして、大統領は第1次政権時、当時の安倍首相と新たな貿易協定を結ぶことに成功した。そのことはよく知られている。両国の結びつきは非常に強固であり、交渉の結果、日本と米国は、再び双方にとって満足のいく合意に達することができると非常に楽観的に考えている」
――高関税政策による輸入物価の上昇は、米国の消費者の負担にならないか。
「関税は、課された側の国の負担だ。中国で考えれば、2018、19年に人民元が安くなった。それによって米国へ輸出する商品の販売価格を下げ、関税による価格の上乗せ分を相殺した。元安で中国は貧しくなったが、私たちは多くの関税収入を得ることができた」
「為替と関税の関係というのは複雑だ。将来を予測するのは難しく、今後どのように展開するかを見守っていく必要がある」
「世界貿易は米軍事力に依存」
――あなたが昨年11月に公表した論文で、米国の輸出を増やして製造業の競争力を高めるためにドル高の是正で各国が協調するという構想「マール・ア・ラーゴ合意」に言及した。
「まずはっきりさせておきたいのは、マール・ア・ラーゴ合意は他人の考えを紹介したもので、私の考えではない。現在の役職に就く前のことで、従って、トランプ政権の方針を示したものでもない」
「大統領は、相互関税や市場アクセスに強い関心を持っており、他国と同じように、米国も公平に市場にアクセスできるようにすべきだと、はっきりと述べている。私が論文で書いたマール・ア・ラーゴ合意という案は、30以上ある政策の選択肢の中のひとつとして取り上げたにすぎない。リスクや効果、コストなどを検討するための一例として紹介した」
――ドルという基軸通貨に対する考え方は。
「貿易の決済で利用されるドルが基軸通貨の地位にあることで、米国は多大な利益を得ているのは事実だ。ただ、世界貿易のシステムは安全保障と密接に絡み合っており、米国がコストを負担している状況だ。(イエメンの反政府勢力フーシによる)紅海での船舶攻撃に対する米軍の対応が示すように、世界貿易のシステムが米国の軍事力に依存している部分は大きい」
「大統領は、世界貿易で利益を得る国・地域もコストを公平かつ公正に分担する必要があると考えている。実現すれば、米国民からは幅広い支持が得られ、世界貿易のシステムを強力で持続可能なものにすることができるだろう」
――米国は各国に対し、貿易と安全保障の両面で米国の負担を分担するように合意を迫っていくのか。
「それは誰かに何かを『強制する』という考えではない。私は米国市場に商品を売り込めるということは、『特権』と考えている。交渉の中で互いに利益のある合意が得られたならば、双方にとって有益なものとなり得るだろう」
「実際にどのような条件で各国と合意が結ばれるかは大統領や交渉官が決めることだ。私は経済学者であって、交渉官ではない」
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