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トランプ氏が締め出し図るゼレンスキー氏、ウクライナ国民の支持厚く/Bloomberg
Daryna Krasnolutska、Olesia Safronova
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97%E6%B0%8F%E3%81%8C%E7%B7%A0%E3%82%81%E5%87%BA%E3%81%97%E5%9B%B3%E3%82%8B%E3%82%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E6%B0%8F-%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E5%9B%BD%E6%B0%91%E3%81%AE%E6%94%AF%E6%8C%81%E5%8E%9A%E3%81%8F/ar-AA1A6ftj?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=c1cfc685d6154e1c81f964f7810ce424&ei=8
(ブルームバーグ): トランプ米政権は、ウクライナのゼレンスキー大統領が同国への支援の障害になっているとの認識を明確に示した。
問題は、ウクライナ国民がこれに同意するかどうかだ。
テレビカメラの前で異例の応酬となった2月28日の首脳会談後も、ゼレンスキー氏に対する米国側の圧力はエスカレートしている。トランプ、バンス正副大統領は会談の場で、ゼレンスキー氏の態度は失礼だと断じ、侵略したロシアではなく、妥協を拒むゼレンスキー氏の強硬姿勢こそが、米国が仲介を目指す停戦合意への妨げとなっているとの考えを強くにじませた。
ゼレンスキー氏の側近によると、同氏は大統領を辞任する意向はない。ゼレンスキー氏の政治的な将来はウクライナ国民が決めるものであって、他国には関係のない問題だと側近は語った。
ゼレンスキー大統領の支持率は2022年初頭のピークからは低下しているが、なお高い支持率を維持している。だが、3年に及ぶロシアの全面侵攻を耐え抜いてきた国民は疲れ果てており、新たな視点を望むとの声は強い。戦時下のウクライナでは選挙が無期限に延期されている。
レーティング・グループが米・ウクライナ首脳会談前の2月20日−21日に実施した調査によると、ゼレンスキー大統領を信頼していると答えた回答者の割合は、1月の57%から65%に上昇した。ゼレンスキー氏を超えて支持率トップに立ったのは現在駐英大使を務めるザルジニー前軍総司令官で、76%だった。ザルジニー氏はゼレンスキー氏との対立候補として選挙に出馬することを明確に否定していない。
米国のジレンマ
米・ウクライナ首脳会談以降、「MAGA(米国を再び偉大に)」派の攻撃は強まっている。ロシアのプーチン大統領をインタビューした元FOXニュースの司会者、タッカー・カールソン氏は一連の陰謀論や誤情報をソーシャルメディア、X(旧ツイッター)に投稿。その中には、ゼレンスキー政権が「深刻な犯罪を多数犯している」といった内容も含まれる。
ただ、トランプ、バンス両氏にとってジレンマとなるのは、ゼレンスキー氏を追い詰めるほど、ウクライナ国民の多くはむしろゼレンスキー氏支持で団結するとみられることだ。公開の場で言い争いに発展した異例の首脳会談後、ウクライナの首都キーウではゼレンスキー氏を擁護する声が目立った。
写真家のウラディスラフ・ムシエンコさん(52)は、トランプ氏は「われわれ全員を辱めようとした」とし、「私はゼレンスキー氏に投票しなかったが、今回の騒ぎでむしろ大統領への支持が高まった」と述べた。
ウクライナ陸軍のオレクサンドル・シルスキー司令官はXへの投稿で軍は「最高司令官と共にある」と述べ、ゼレンスキー氏への支持を表明した。
安保確約望む声
またウクライナの世論調査の結果からは、たとえトップが交代しても、トランプ氏が急ぐロシアとの停戦合意の計画に好意的な新大統領が誕生するとは限らないことがうかがわれる。レーティング・グループが実施した調査では、ウクライナ国民の83%が、安全保障の確約が提供されるという条件がなければ停戦に同意しないと回答。無条件で停戦に同意するとの回答はわずか2%だった。ゼレンスキー氏が譲らず、異例の首脳会談決裂となった背景にはこうした事情がある。
そのため、ゼレンスキー氏とトランプ氏の個人的な関係悪化に関わらず、事態のエスカレートは避けられないだろう。こう話すのはインターナショナル・ルネサンス財団の責任者、オレクサンドル・スシコ氏だ。同財団はジョージ・ソロス氏のオープン・ソサエティー財団がキーウに本部を置く慈善団体。
「いずれにしても起こっていただろう。今でなくでも、1−2カ月後にあり得た」と、スシコ氏はフェイスブックに投稿。トランプ氏が早期の和平合意を優先すれば、プーチン氏に優位な条件となるとし、「たとえ米国の支援を失うとの圧力にさらされても、そのような合意に署名するウクライナの指導者は誰もいない」と述べた。
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