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英国の暴動の背景には経済破綻に導いた政策への怒りをイスラムへ向けさせる団体
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2024.08.11 櫻井ジャーナル
イギリスのサウスポートで7月29日に3人の少女が刺殺された。ヨガとダンスのワークショップに参加していた子どもを襲った犯人はルワンダからの移民の子供だったが、Xの人気アカウントが書いた間違った情報が暴動に火をつけた。
そのアカウントは犯人の名前を「アリ・アル・シャカティ」だと断定、昨年、ボートでイギリスへ来た亡命希望者で、MI6の監視リストに載っていると投稿した。イスラム教徒と疑われているとした上で、イスラム教徒はいつも女性を標的にすると主張しているのだが、間違っていた。ところがこの話に少なからぬ人が飛びつく。
ほとんどのケースで暴徒は2009年6月に創設されたイングリッシュ防衛連盟(EDL)のメンバーだと警察はすぐに特定している。この団体は反イスラムの活動家とサッカーのフーリガンで構成された。
EDLがイギリスの街頭に現れたのは2009年6月のことで、発足当初からキプロス人、ギリシャ人、ヒンズー教徒、ユダヤ人、LGBT、パキスタン人のキリスト教徒の支持者が関係していたとされている。ユダヤ人は運動の中で目立っていたという。EDLの活動ではイスラエルの国旗が目立った。
こうした集団はイギリスで高まっている国民の不満を利用して社会を混乱させようとしている。イギリスを含む西側諸国は2014年にネオ・ナチを使ったクーデターでウクライナを支配下に置き、ロシアへの攻撃を始めようとしていた。アメリカ政府をはじめとする反ロシア派はウクライナとロシアを戦わせ、ロシアを疲弊させようとしたのだが、思惑通りに事態は進まず、西側が苦境に陥った。
アメリカがロシアからの安価な天然ガスの輸送を止め、経済活動を混乱させた結果、イギリスでも物価が高騰、人びとの生活水準が急激に低下している。貧困化が進み、教育もままならなくなっている。イギリスでもガザで住民を虐殺しているイスラエルに対する怒りも高まっていた。
その結果、7月4日に実施された総選挙でリシ・スナックが率いる保守党は敗北し、キア・スターマーが率いる労働党の政権が誕生したのだが、スターマーは自他とも見とめる親イスラエル派。イギリスの情報機関MI6と緊密な関係にあるとされている。スターマーがネオコンの好戦的な政策をやめる可能性は小さく、今回の暴動で適切な対応をしているとは思えない。
そうした状況を作り出したのはアメリカを中心とした西側諸国の支配層の政策だが、国民の怒りをそうした支配層でなく移民や難民といった弱者に向けさせようとしているのがイギリスでの暴動だ。怒りのエネルギーをシオニストが利用しようとしている。ドイツでナチスが台頭した当時と似ていると考える人もいる。
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