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パリの夏季オリンピックの開幕セレモニーは大量殺戮を象徴する演出
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202407290000/
2024.07.29 櫻井ジャーナル
7月26日にパリで夏季オリンピックが開幕した。オリンピックは政治とカネがこびりついたドス黒いイベントだが、今回のオープニング・セレモニーは最悪だと批判する人が少なくない。
マリー・アントワネットが切り落とされた自分の首を抱えさせる演出はグロテスクとしか言いようがなく、またレオナルド・ダ・ビンチが描いた「最後の晩餐」をドラッグ・クイーンや同性愛者などにイエスやその使徒を演じさせ、新約聖書の「ヨハネの黙示録」に出てくる「青白い馬に乗った騎士」を登場させたことに注目する人もいる。
黙示録の第6章には「白い馬の騎士」、「火焔色の騎士」、「黒い馬の騎士」、そして「青白い馬の騎士」が出てくる。黙示録はギリシャ語の能力が全く違う複数の人物によって書かれていることは間違いないのだが、田川建三によると、第6章は原著者が書いている。
馬と騎士はローマ軍の象徴だと解釈すると、そのローマ軍が侵略して平和を奪い、インフレを引き起こして人びとを苦しめ、死をもたらすということになるだろう。アメリカを中心とする帝国主義国が行なっていることに重なるのだが、この記述を人類を破滅させる最終戦争への過程を示しているのだと信じている人もいるらしい。。
オリンピックは帝国主義者のイベントであり、その開幕の式典で帝国主義者を揶揄することはないはず。太刀、飢饉、死、地の獣によって人びとが殺されることをオリンピックの主催者は望んでいると思われても仕方がない。キリスト教を愚弄していると批判する人もいるが、それ以上の闇を感じさせる。
その主催者はロシアを排除したが、その理由は帝国主義国の利益に反することをしているからだ。アメリカは2001年9月11日から世界制覇戦争を開始、中立政策を掲げるウクライナを乗っ取るため、2004年の大統領選挙に介入した。この選挙で勝利したビクトル・ヤヌコビッチはアメリカへの従属を拒んでいたからだ。
そこで2004年から05年にかけて内政干渉し、「オレンジ革命」を引き起こした。この「革命」で大統領に就任したビクトル・ユシチェンコは金融資本の手先で、新自由主義的な政策を推進し、人びとの生活を破壊。有権者は2010年の選挙で再びヤヌコビッチを選ぶ。
それに対し、ネオコンは2013年11月から14年2月にかけてネオ・ナチを使ったクーデターをキエフで仕掛け、ヤヌコビッチ政権を倒すことに成功したが、拘束、あるいは殺害することはできなかった。
クーデター体制は西側が支援していたのだが、ウクライナ人の大多数はロシアと敵対する意思はなかったと見られている。2010年の選挙でヤヌコビッチが勝利したのはそのためであり、ウォロディミル・ゼレンスキーがロシアとの関係修復を訴えて大統領に選ばれたのもそのためである。ウクライナの軍や治安機関でも約7割がクーデター体制を拒否、離脱したと言われている。
クーデター後にクリミアはロシアの保護下に入り、東部のドンバスはロシアの支援を得られなかったことから武装闘争を開始、内戦に発展した。この反クーデター軍はキエフのクーデター軍より強く、アメリカはクーデター体制の戦力を増強するために時間稼ぎをする。それがミンスク合意だ。
アメリカ政府は8年かけてウクライナ軍の戦力を増強すると同時にドンバスの周辺に要塞線を築く。2022年に入ると十分に兵力を増強できたと判断したようで、ドンバスの周辺に兵力を集中させ、ドンバスの民間人に対する砲撃を激化させた。その年の春に大規模な攻撃を始める計画だったが、その直前にロシア軍が介入、ウクライナ軍を一気に壊滅させた。軍事介入から2週間ほどでキエフ政権が停戦に合意したのはそのためだ。戦争が続いたのはアメリカやイギリスが圧力をかけたからである。
しかし、アメリカ/NATOはロシアに圧倒されている。すでにウクライナ軍は壊滅状態で、戦争を続けるならNATO諸国が前面に出てロシアと直接戦わなければならない。オリンピックからロシアを追い出したのは、西側はロシアより強いというイメージを自分たちの国民に刷り込みたいのだろう。
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