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なぜカザフスタンでのSCOサミットはゲームチェンジャーとなったのか(耕助のブログ)
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投稿者 HIMAZIN 日時 2024 年 7 月 16 日 12:59:09: OVGN3lMPHO62U SElNQVpJTg
 

https://kamogawakosuke.info/2024/07/16/no-2209-%e3%81%aa%e3%81%9c%e3%82%ab%e3%82%b6%e3%83%95%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%81%a7%e3%81%aesco%e3%82%b5%e3%83%9f%e3%83%83%e3%83%88%e3%81%af%e3%82%b2%e3%83%bc%e3%83%a0%e3%83%81%e3%82%a7/


No. 2209 なぜカザフスタンでのSCOサミットはゲームチェンジャーとなったのか

投稿日時: 2024年7月16日

Why the SCO Summit in Kazakhstan Was a Game-Changer

by Pepe Escobar

今週、カザフスタンのアスタナで開催された上海協力機構(SCO)2024年首脳会議の重要性を誇張することはできない。来年10月にカザンで開催されるBRICS首脳会議(ロシアが議長国)の前哨戦と解釈して間違いないだろう。

まずは最終宣言から始めよう。SCO加盟国は、地政学と地球経済学において「地殻変動が進行中」であり、「国際法の規範が組織的に侵害され、権力行使が増加している」と述べると同時に、これらの国は「民主的で公正な、政治的・経済的な新しい国際秩序の構築におけるSCOの役割を強化する」ことに全面的に従事している。

一方的に押しつけられた「ルールに基づく国際秩序」とこれほど対照的なものはないだろう。

新たにベラルーシを加盟国としたSCO10は、「パレスチナ問題の公正な解決」に明確に賛成している。彼らは「一方的な制裁に反対」である。彼らはSCO投資ファンドの創設を望んでいる(イランはモクベール大統領代行を通じて、BRICSのNDBのようなSCO共通銀行の創設を支持している)。

さらに、「核拡散防止条約(NPT)の締約国である」加盟国は、その条項の遵守を支持している。そして決定的に重要なのは、「SCO内の相互作用が、ユーラシア大陸における新たな安全保障アーキテクチャーの構築の基礎となる可能性がある」という点で一致していることだ。

最後の点が実際の問題の核心である。これは、先月ロシアの主要外交官を前にしたプーチンの提案が、アスタナで十分に議論された証拠であり、ロシアが北朝鮮と戦略的な取り決めをしたことで、アジアの安全保障がヨーロッパの安全保障と事実上不可分なものとなったことに続くものだ。これは、西側諸国にとって理解しがたいことであり、これからも理解できないだろう。

ユーラシア全域の新たな安全保障アーキテクチャーは、ロシアの大ユーラシア・パートナーシップの概念をアップグレードしたものであり、一連の二国間および多国間保証を含んでいる。プーチン自身の言葉を借りればNATO加盟国を含む「参加を希望する全てのユーラシア諸国」に開かれている。

SCOは、CSTO、CIS、ユーラシア経済連合(EAEU)とともに、「ルールに基づく秩序」とはまったく対照的な、この新たな安全保障体制の主要な推進力のひとつとなるはずだ。

これからのロードマップにはもちろん、社会経済の統合や国際輸送回廊の開発はロシア・イラン・インドのINSTCロシア・イラン・インドから、中国が支援する中回廊(ミドル・コリドー)まで含まれる。

しかし2つの重要な点は軍事と金融である:ユーラシア大陸における外部勢力の軍事的プレゼンスを段階的に縮小していくことと、西側支配の経済メカニズムに代わるものを確立し、決済における自国通貨の使用を拡大し、独立した決済システムを確立することである。

つまりパックス・アメリカーナ(米国の力による平和)に致命的な打撃を与えるためにロシアが行った綿密なプロセスを本質的にすべてのSCO加盟国が共有している{2}。

SCO+へようこそ

プーチン大統領は、「国連の中心的役割と主権国家の互恵的パートナーシップへのコミットメントに基づく公正な世界秩序の形成に対する全加盟国のコミットメント」を確認した際、さらにその先に基本的な考え方を示した。

プーチンは、「政治、経済、エネルギー、農業、ハイテク、イノベーションにおける協力のさらなる拡大の長期目標は、2035年までのSCOの発展戦略プロジェクトに記載されている」と付け加えた。

これは長期戦略計画に対する極めて中国的なアプローチである: 中国の5カ年計画はすでに2035年まで描かれている。

習主席がさらに強化したのはロシアと中国の優れた戦略的パートナーシップであり、両国はユーラシア大陸における「包括的な戦略的協調を強化し、外部からの干渉に反対し、平和と安定を共同で維持する」べきだと述べた。

繰り返すが、これがユーラシア統合のリーダーとしてのロシアと中国であり、マルチ・ノードな世界への動きなのだ。

アスタナでのサミットは、インド、パキスタン、イラン、そして今回ベラルーシ{4}を新メンバーに加えたSCOが、いかにゲームをステップアップさせたかを示した。これに加えてトルコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、アゼルバイジャンといった主要国が対話パートナーとして、オブザーバーとして戦略的なアフガニスタンとモンゴルが参加した。

2001年にロシア、中国、中央アジアの3つの “スタン “からなる上海ファイブが、基本的に反テロ/分離主義組織として設立してからずいぶんと進化したものだ。SCOは本格的な地理経済協力へと発展し、たとえばサプライチェーンの安全保障問題などを詳細に議論している。

SCOは今やハートランドに焦点を当てた経済・安全保障同盟の域をはるかに超え、ユーラシア大陸の80%をカバーし、世界人口の40%以上を擁し、世界GDPの25%を占め、さらに増えつつある。中国政府の発表によれば、2022年の世界貿易額は8兆ドルを超える。さらにSCO加盟国は世界の石油埋蔵量の20%、天然ガスの44%を保有している。

だからアスタナのインディペンデンス宮殿で今年「多国間対話の強化」をテーマにSCO+の初会合が開かれたのも不思議ではない。

SCOパートナーの真の重要人物がそこにいた。アゼルバイジャンのイリハム・アリエフ大統領、カタールのタミーム・ビン・ハマド・アル・タニ首長、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領から、首長国連邦のシェイク・サウド・ビン・サクル・アル・カシミ最高評議会メンバー、トルクメニスタンのグルバングリー・ベルディムハメドフ人民評議会議長、国連のアントニオ・グテーレス事務総長、SCOのチャン・ミン事務総長まで。

ロシアはこれらSCO+関係者の多くと二国間協議{5}を行ったが、その内容はかなり充実したものだった。

インドのモディ首相はアスタナには行かず、ラブロフ外相と素晴らしい関係を維持しているジャイシャンカール外相を派遣した。モディ首相は先月3期目の再選を果たしたが、BJPが議会で過半数を大きく割り込んでいるため、国内戦線では首の皮一枚つながった状態だ。来週月曜日にはモスクワを訪れ、プーチンと会談する予定だ。

おなじみの分割統治を得意とする記者たちはアスタナでのモディの欠席をインドと中国の深刻な亀裂の証拠だと捉えた。ナンセンスだ。ジャイシャンカールは王毅との二国間会談の後、非常に中国的な比喩で、「3つの相互、すなわち相互尊重、相互気配り、相互利益、が我々の二国間関係を導くだろう」と述べた。

これは、いまだ解決されていない両国の国境線の対立にあてはまる。インド太平洋にこだわる米国との微妙なバランスをニューデリーは見つけなければならない(アジアでインド太平洋という言葉は使わない。アジア太平洋だ)。

中国は自らをグローバル・サウスの一部とみなしている{7}。人民大学のワン・イーウェイは「一帯一路構想(BRI)」に関する最良の本の著者であるが、彼は、北京はグローバル・サウスを代表しているという事実によってもたらされる「アイデンティティの感覚」を歓迎し、ワシントンの覇権主義と「脱グローバル化」のレトリックに抵抗する義務があったと論じている。

新たなマルチ・ノード・マトリックス

アスタナは、エネルギー協力から国境を越えた輸送回廊に至るまで、SCOの主要な推進役がいかに急速に前進しているかを改めて明らかにした。プーチンと習近平は、大規模なガスパイプライン「パワー・オブ・シベリア2」の建設の進捗状況や、中央アジアが自国の経済を発展させるための資金や技術の提供者として中国を必要としていることについて話し合った。

中国は現在、カザフスタンにとって最大の貿易相手国である(双方向の貿易額は410億ドルを数える)。極めて重要なことは、習近平はカザフのカシム・ジョマルト・トカエフ大統領と会談した際、アスタナのBRICS+への加盟を支持したことだ。

トカエフは喜びに満ちた。中国との友好的・戦略的協力の深化は、カザフスタンにとって揺るぎない戦略的優先事項なのである。そしてそれはBRIの下でより多くのプロジェクトが行われることを意味する。

新疆ウイグル自治区と1,700km以上の国境を接するカザフスタンは、BRI、SCO、EAEU、もうすぐBRICS、そして最後がカスピ海横断国際輸送ルートのすべてにおいて中心的存在なのだ。

それがカザフスタン、カスピ海、グルジア、トルコ、黒海を経由して中国とヨーロッパを結ぶ有名な中回廊である。

そう、この回廊はロシアをスキップする。主な理由は、中国とヨーロッパの貿易業者が米国の二次的制裁を恐れているからだ。北京は現実的に、2022年以降のBRIプロジェクトとしてこの回廊の建設を支持している。習近平とトカエフは、ビデオリンク経由で中国-ヨーロッパ・カスピ海横断高速道路とも呼べるものを実際に開通させ、カザフのカスピ海港への道路に到着した最初の中国製トラックを見た。

習近平とプーチンは、もちろん回廊について話し合った。ロシアは中国の制約を理解している。そして結局のところ、ロシアと中国の貿易は独自の、制裁を受けることのない回廊を使っている。

ユーラシア統合の細かい点は言うに及ばず、明白なことにも気づかない分割統治にこだわる人々は、またしても同じような古ぼけたシナリオに頼っている。再び、ナンセンスだ。

すべての現場が並行して進んでいる。SCO開発銀行は当初、中国が提案したものだ{8}。ロシア財務省は10人の次官を抱える巨大組織だが、中国の資本が中央アジアに殺到するという理由であまり乗り気ではなかった。今、それが変わった。ロシアと中国の両方と戦略的パートナーシップを結んでいるイランがかなり乗り気だからだ。

戦略的に重要な中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道{9}(BRIプロジェクト)はゆっくりと発展してきたが、プーチン-習近平の相互決定によってこれから本格化するだろう。モスクワは、制裁の津波を恐れる北京がシベリア鉄道をヨーロッパへの主要な陸上貿易ルートとして利用できないことを知っている。

そのため、キルギス・ウズベキスタン間の新鉄道はヨーロッパまでの距離を900キロ短縮する解決策となるのだ。プーチンはキルギスのサディル・ジャパロフ大統領に、ロシアの反対はない、それどころか、モスクワはBRICSが立ち上げる相互接続プロジェクトや、EAEUが資金を提供するプロジェクトを全面的に支援している、と自ら伝えた。

SCOのような多国間組織の中心で、ロシアと中国の力学が働いているのを見るのは興味深い。モスクワは、自らを厳密には「グローバル・サウス」のメンバーとは考えていないとしても、来るべき多極的秩序のリーダーであると考えている(ラブロフは「グローバル・マジョリティ」を主張している)。

ロシアの「東方への軸足」に関しては実際に始まったのは2010年代でキエフのマイダン以前{10}からであり、モスクワはグローバル・サウスとの関係を真剣に強化し始めたときだった。

SCOとSCO+、BRICS10とBRICS+、EAEU、ASEAN、INSTC、新たな貿易決済プラットフォーム、新たなユーラシア安全保障アーキテクチャーなどを、ロシアがパックス・アメリカーナの支配を綿密に打ち砕くという複雑で長期的な戦略における鼓動として捉えているのも不思議ではない。

Links:

{1} https://sputnikglobe.com/20240703/sco-a-strong-voluntary-economic-forum-for-confidence-building-1119233237.html

{2} https://sputnikglobe.com/20240704/new-eurasian-security-system-to-be-mentioned-at-sco-summit—kremlin-1119237768.html

{3} https://sputnikglobe.com/20240704/putin-russia-is-entitled-to-start-manufacturing-medium–and-short-range-missiles-1119245086.html

{4} https://sputnikglobe.com/20240620/report-by-russian-and-belarusian-foreign-ministries-unveils-wests-duplicity-in-human-rights-sphere-1119072296.html

{5} https://karlof1.substack.com/p/off-to-astana-and-sco-summit

{6} https://sputnikglobe.com/20231227/lavrov-jaishankar-talks-moscow-and-new-delhi-to-boost-specially-privileged-ties-1115835693.html

{7} https://sputnikglobe.com/20240701/growing-russia-china-interest-in-africa-to-provide-economic-boost-to-continent—us-investor–1119200700.html

{8} https://sputnikglobe.com/20240702/nato-should-not-harm-asia-pacific-region—chinese-foreign-ministry-1119220567.html

{9} https://www.scmp.com/economy/china-economy/article/3180900/will-chinas-rail-link-between-xinjiang-kyrgyzstan-and?module=inline&pgtype=article

{10} https://www.scmp.com/economy/china-economy/article/3180900/will-chinas-rail-link-between-xinjiang-kyrgyzstan-and?module=inline&pgtype=article

https://www.unz.com/pescobar/why-the-sco-summit-in-kazakhstan-was-a-game-changer/  

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