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腐敗が進むアメリカで大統領候補が銃撃された
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2024.07.15 櫻井ジャーナル
アメリカのペンシルベニア州バトラーで演説中のドナルド・トランプが7月13日に銃撃されて負傷、銃撃したとされる人物はシークレット・サービスの隊員に射殺されたという。
演説会場をシークレット・サービスは数日前に調べていたはずだが、無能なための見落としか、意図的なものなのか、会場の外で狙撃できる場所をチェックできていなかったとCIAの元分析官のラリー・ジョンソンは指摘。またアメリカ陸軍の元心理戦将校であるスコット・ベネットはシークレット・サービスの動きが鈍かったと指摘、近くの屋根の上に銃を手にした人物が這っているという報告に対応しなかったともしている。
この事件の背景は不明だが、ジョー・バイデン自身が銃撃を指示した可能性は小さい。少なからぬ医師がパーキンソン病による認知症を疑っているような人物がそうした指示を出すようには思えない。ワシントンDCで開かれたNATOの首脳会議でバイデン大統領はウクライナのウォロディミル・ゼレンスキーを「プーチン大統領」と呼び、カマラ・ハリス副大統領を「トランプ副大統領」と呼んだと話題になっていた。
ただ、バイデンの周辺に銃撃を指示した人物がいる可能性はある。認知症を患っているように見える人物を大統領として担ぎ、再選させようとしているのだ。正気とは思えない。この人びとはバラク・オバマ政権の時代からロシアを外交的、そして軍事的に挑発し、その時に副大統領だったバイデンは大統領へ就任した直後にルビコンを渡った。ロシアに戦争で勝利するか、破滅するかという領域へ入ったのだ。ウクライナでロシアが勝利することを彼らは受け入れられない。それは自分たちの破滅を意味するからだ。
バイデンやオバマだけでなく、ジョージ・W・ブッシュもトランプも外交や安全保障問題はネオコン、つまりシオニストの一派が仕切っている。この一派が1992年2月に国防総省のDPG(国防計画指針)草案という形で世界制覇計画を作成した。いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」だ。ヨーロッパでアメリカはNATOを東へ拡大させるが、これは新たなバルバロッサ作戦にほかならず、ユーゴスラビアを先制攻撃で破壊するという形でスタートしている。
このドクトリンに基づいてネオコン系シンクタンクPNACは2000年に「アメリカ国防の再構築」を発表、それに従ってジョージ・W・ブッシュ政権は軍事政策を進めるのだが、その政策を実行する引き金になったのが2001年9月11日の世界貿易センターや国防総省本部庁舎への攻撃。これを利用してアメリカ政府は中東を戦争で破壊し始めた。
新バルバロッサ作戦はウクライナに到達、アメリカへの従属を拒んだビクトル・ヤヌコビッチ政権を2度に渡って転覆させる。2004年の大統領選挙でヤヌコビッチが勝利すると、それをひっくり返すためにジョージ・W・ブッシュ政権は04年から05年にかけてウクライナの内政に干渉。いわゆる「オレンジ革命」だ。
この革命で大統領に就任したビクトル・ユシチェンコは金融資本の手先で、新自由主義に基づく政策を進め、大多数の国民は貧困化。西側の正体を知ったウクライナ人は2010年の選挙でヤヌコビッチを選ぶ。
しかし、ネオコンはその結果を許さない。そこで2013年11月から14年2月にかけてネオ・ナチを使ったクーデターを実行したのだが、ヤヌコビッチの支持基盤である東部と南部の住民はクーデター体制を拒否、クリミアはロシアの保護下に入り、ドンバスでは内戦が始まったのだ。
クーデター体制は西側を後ろ盾とするネオ・ナチが動かす。その体制ではネオ・ナチ体制に批判的な政治家や体制に都合の悪い情報を流すメディアは許されず、ロシア語を公用語として使うことも禁じられた。ロシア正教も弾圧されている。
ウォロディミル・ゼレンスキーは戦乱を終結させ、ロシアとの関係を改善すると主張して当選したが、その主張はネオ・ナチ勢力が許さない。ネオ・ナチのドミトロ・ヤロシュやアンドリー・ビレツキーはゼレンスキーを脅し、政策を撤回させている。
ヤロシュとビレツキーはネオ・ナチの「右派セクター」を2013年11月に組織、13年から14年にかけてのクーデターで中心的な役割を果たした。クーデター後の2014年5月、右派セクターが中心になって内務省に「アゾフ大隊(アゾフ特殊作戦分遣隊)」が発足した。
この組織がネオ・ナチだということは当初、西側の有力メディアもアメリカのFBIも日本の公安当局も認めていたが、ネオコンをはじめとする西側の好戦派が手先として使っていたことから、そうした事実を西側では口にしなくなったようだ。
イスラエルの場合、バイデンもトランプも絶対的に支援すると公言してきた。それは先住民であるアラブ系のパルスチナ人をこの世から抹殺することを意味する。「民族浄化」だ。
昨年10月7日にハマスなどがイスラエルへ攻め込んだ直後、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は「われわれの聖書(キリスト教における「旧約聖書」と重なる)」を持ち出し、パレスチナ人虐殺を正当化した。「アマレク人があなたたちにしたことを思い出しなさい」(申命記25章17節から19節)という部分を引用、この「アマレク人」をパレスチナ人に重ねて見せたのだ。
旧約聖書には、アマレク人を家畜と一緒に殺した後、イスラエルの民は「天の下からアマレクの記憶を消し去る」ことを神に命じられたと記述されている。
サムエル記上15章3節には「アマレクを討ち、アマレクに属するものは一切滅ぼし尽くせ。男も女も、子供も乳飲み子も牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ。容赦してはならない。」ということが書かれている。これこそがガザでイスラエルによって行われていることだ。
ところで、ハマスは1987年にムスリム同胞団の中から生まれた。その際にイスラエルが重要な役割を果たしたことを本ブログでも繰り返し書いてきた。PLOを率いていたヤセル・アラファトの力を弱めるため、ライバルを作り上げることにしたのだ。
そこでイスラエルが目をつけたのがムスリム同胞団のシーク・アーメド・ヤシン。イスラエルの治安機関であるシン・ベトの監視下、ヤシンは1973年にムジャマ・アル・イスラミヤ(イスラム・センター)を、そして76年にはイスラム協会を設立。そしてハマスは1987年にイスラム協会の軍事部門として作られた。
しかし、時間が経過するにつれ、ハマスの内部にパレスチナ解放を目指そうというメンバーが増えてくる。元々のメンバーはカタールで保護されているが、パレスチナ解放を目指すメンバーはレバノンなどへ移動させられているようだ。
シーモア・ハーシュによると、2009年にネタニヤフは首相へ返り咲いた際、PLOでなくハマスにパレスチナを支配させようとした。そのため、ネヤニヤフはカタールと協定を結び、カタールはハマスの指導部へ数億ドルを送り始めたという。イスラエルとハマスとの関係は切れていないということだろう。
昨年10月7日のハマスによる攻撃は偽旗作戦ではないかという噂が当初から流れていた。
攻撃の準備に1年程度は必要だと見られているが、ガザの内部にはイスラエルの情報機関がスパイのネットワークを張り巡らせている。それで察知できなかったのなら、情報機関の大変な失態だ。ガザを収容所化している壁には電子的な監視システムが設置され、人が近づけば警報がなるはずであり、そうした面からも気づかなかったとは考えにくい。
また、アメリカ政府はハマスの奇襲攻撃から数時間後、2隻の空母、ジェラルド・R・フォードとドワイト・D・アイゼンハワーを含む空母打撃群を地中海東部へ移動させた。それほど早く艦隊を移動できたのは事前に攻撃を知っていたからではないかと考える人もいる。
ハマスもイスラエル政府も一枚岩ではない。内部では複雑な動きがあるだろうが、アメリカの政界は「イスラエル支持」、つまりパレスチナ人虐殺で一致している。
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