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内政干渉をチェックするための法案を推進するジョージアの首相に対しEUから脅迫
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202405250000/
2024.05.25 櫻井ジャーナル
ジョージア(グルジア)議会は「外国の影響を透明にする法律」を可決した。国外から20%以上の資金提供を受けているNGO、メディア、個人に対し、「外国勢力の利益を促進する」団体として登録し、資金提供者を開示するよう求めているのだ。
この法案はアメリカのFARA(外国代理人登録法)をベースにしているのだが、ジョージアの法案について西側諸国から批判の声があがり、連動してジョージア国内でも「ロシアの法律」だとして反対運動が展開された。フランス生まれ、同国とアメリカで教育を受けたサロメ・ゾウラビチビリ大統領は拒否権を発動させたが、議会は拒否権を覆すと見られている。
ジョン・パーキンスが『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』(ジョン・パーキンス著、古草秀子訳、東洋経済新報社、2007年/John Perkins, “Confessions of an Economic Hit Man,” Berrett-Koehler, 2004)で書いたように、アメリカはターゲット国を支配するため、買収、スキャンダルを使った恫喝、社会的な抹殺、肉体的な抹殺、クーデター、軍事侵攻といった手段を組み合わせて使う。
アメリカ海兵隊の伝説的な軍人であるスメドレー・バトラー少将が指摘したように、第2次世界大戦の前はアメリカの巨大資本の利権のために海兵隊が使われていたが、大戦後にはCIAが中心的な役割を果たすようになった。その背後で買収や恫喝といった手法も使われたのだ。
ところが1970年代、アメリカ議会でCIAの秘密工作が問題にされた。1975年に上院で「情報活動に関する政府の工作を調べる特別委員会」(フランク・チャーチ委員長)が、下院で「情報特別委員会」(ルシエン・ネジ委員長、すぐにオーティス・パイクへ交代)が設置された。最も重要な証言をしたのはウィリアム・コルビー。CIA長官を務めていたが、それだけでなく、大戦前から破壊工作に従事していた人物だ。その当時は有力メディアにも気骨あるジャーナリストが存在、この問題にメスを入れていた。
そこで支配層はCIA内部の締め付けを強め、言論統制を強化する。規制緩和で有力メディアを少数の資本に統合するのはその一環。そしてロナルド・レーガン政権では秘密工作に「プロジェクト・デモクラシー」や「プロジェクト・トゥルース」というタグをつけ、1983年11月にはNED(ナショナル民主主義基金)が創設された。
NEDへは国務省のUSAID(米国国際開発庁)を含む政府の資金が流れ込むが、その実態はCIAの工作資金にほかならない。NEDからNDI(国家民主国際問題研究所)、IRI(国際共和研究所)、CIPE(国際私企業センター)、国際労働連帯アメリカン・センターなどを経由して各国に設置したNGO(非政府組織)へ流れる。
言うまでもなく、NGOは仕組みにすぎない。その仕組みを利用して人びとの利益のために活動することもできるが、強大な私的権力が自分たちの手先として他国の内政に干渉する道具として使うことも可能だ。
投機家として知られている富豪のジョージ・ソロスもこの仕組みを利用し、内政干渉のために資金を供給してきた。彼の人脈を見ると、ロスチャイルド資本との関係が見えてくる。
ソロスは1930年にハンガリーで生まれ、47年にイギリスへ移住、54年から金融の世界へ入っている。彼が生まれたハンガリーは大戦中、ナチスに占領されてユダヤ人は強制収容所へ送られた。
ソロスはユダヤ教徒だが、キリスト教徒を装い、ナチスに取り入ることでその時代を生き延び、ユダヤ系住民の富を手に入れることで財を築いたという。この話は彼自身も1998年12月20日、CBSの「60ミニッツ」でスティーブ・クロフトに話している。
そのハンガリーでソロスは1984年にソロス財団ブダペストを設立、反ソ連活動を開始した。ポーランドの「連帯」やチェコスロバキアの反体制運動へも資金を提供していた。
1991年12月にソ連が消滅した後、ウクライナやジョージアでいわゆる「カラー革命」に資金を提供、ロシア包囲網の構築に協力している。ジョージアでソロスはエドゥアルド・シェワルナゼ政権を倒し、配下のミヘイル・サーカシビリを2003年の「バラ革命」で後釜に据えた。
マーク・アーモンドによると、その際、ソロスに協力したのはUNDP(国際連合開発計画)や国際連合副事務総長を務めていたマーク・マロック・ブラウンだという。なお、2007年にマロック・ブラウンはソロスのヘッジファンドの副社長になる。
サーカシビリは1994年にコロンビア・ロー・スクールで学び、翌年にはジョージ・ワシントン大学のロー・スクールへ通い、ニューヨークの法律事務所パターソン・ベルクナップ・ウェッブ・アンド・タイラーで働いていた。そのサーカシビリは2008年8月、北京で夏季オリンピックが開催されるタイミングで南オセチアを奇襲攻撃、ロシア軍の反撃で粉砕された。本ブログで繰り返し書いてきたように、ジョージア軍はイスラエルとアメリカの軍事支援を受けていたわけで、同程度の戦力ならイスラエル軍やアメリカ軍はロシア軍に勝てないことがこの時点で明確だった。
ウクライナでアメリカ/NATOの代理軍はロシア軍に敗北、ウクライナ軍を率いてきたネオ・ナチは前線から逃走したと伝えられている。そこで、ウクライナでクーデターを仕掛けたネオコンはジョージアを新たな戦場にしようと目論んでいる疑いが濃厚だ。
そうした中、スロバキアのロベルト・フィツォ首相が銃撃され、一時は命が危ぶまれた。同国では国外の組織が関与していると言われているが、中でもウクライナの情報機関が怪しいと言う人が少なくない。ウクライナの情報機関はイギリスやアメリカの情報機関、つまりMI6やCIAを後ろ盾にしている。
ここにきてジョージアのイラクリ・コバヒゼ首相はEUからの脅しについて話し始めた。もしジョージア政府がNGOに外国からの資金提供の開示を義務づける法律を成立させようとするならば、西側諸国は彼に対して「多くの措置」をとるだろうと警告したと述べている。スロバキアのロベルト・フィツォ首相と同じ運命をたどることになるかもしれないと脅されたという。
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