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ガザ地区の戦争がアメリカ大統領選を左右する 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/339957
2024/05/09 日刊ゲンダイ
米コロンビア大学構内で反イスラエル抗議集会をする大学生たち(C)Niyi Fote/The NEWS2 via ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ
米国の大学が今、荒れている。契機はガザ地区に対する戦争だ。ガザの保健当局は4月、イスラエル軍の攻撃によるガザ地区の死者数が計3万4000人を超えたと発表した。国連によると死者の3分の1が女性だという。そのうち、6000人が母親で1万9000人の子供が孤児になったという。
この悲惨な状況を前に、世界各地でイスラエルに対する抗議デモが起きた。
米国はイスラエルに武器供与を行っており、米国の若者は武器供与を止めるようデモをした。
米国の著名大学は潤沢な資金を持ち、企業に投資し、大学運営にあてている。コロンビア大学では、学生が大学に対し、イスラエルの企業への投資を引き揚げることを求めた。学生は大学敷地内にテントを張り、座り込み等、抗議運動の拠点とした。
米国では1960年代末から70年代にかけ、ベトナム戦争、黒人問題などで学生運動が燃え上がり、社会改革に貢献した。その時、中心になったのがコロンビア大学である。
それだけに、コロンビア大学の学長は運動が拡大しないうちに芽を摘むことを行った。
4月18日、ニューヨーク警察がコロンビア大学の親パレスチナ抗議活動の野営地を撤去し、100人以上のデモ参加者を逮捕した。大学は一部の学生を停学処分とし、抗議に参加した教職員を解雇したが、これを契機に全米の大学で抗議運動が燃え上がった。ニューヨーク市立大学、テキサス大学、エール大学など全米の大学で抗議が勃発し、逮捕者は5月初めの時点で2000人以上に上っている。
歴史的に米国はイスラエルを強く支援してきている。今、イスラエルがイスラム社会に対して圧倒的な軍事的優位を築いているのも米国からの武器支援のおかげだ。米国の対イスラエル軍事支援がなかったら、ガザ地区での大量虐殺はない。
こうした中で、米国の若者は特異な傾向を示している。今回のガザ地区に対する戦争では、米国の若者はパレスチナ人に同情的である。
米国調査機関PEWによると、18〜29歳では、イスラエルに同情が14%、パレスチナに同情が33%である。
11月の米大統領選はバイデン陣営とトランプ陣営の激しい対立がある。この対立を左右する要因としてガザ地区の戦争が深く関わり始めた。若者はバイデン支持が強かったが、ガザ地区の戦争で若者のバイデン支持は減少しつつある。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
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