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富と情報の独占で世界の覇者になろうとした米英の私的権力
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202405070000/
2024.05.07 櫻井ジャーナル
権力は情報と資金が流れる先に生まれ、強大化していく。新自由主義が世界を席巻していた1980年代、「トリクル・ダウン」なる政策が推進され、強者はより強く、弱者はより弱くなった。富裕層へ資金を流せば貧困層へも流れていくはずはないのだ。権力を握るためには資金と同じように情報を握ることも重要だ。支配者は情報を入手する仕組みを築く一方、被支配者が情報を入手できないようにする。
日本で導入された住民基本台帳ネットワークやマイナンバー制度は個人情報を集中管理するためのものだが、その情報は日本政府を経由してアメリカの私的権力へ伝えられるはずだ。
岸田文雄内閣は昨年10月13日、「マイナンバーカード」と健康保険証を一体化させ、現在使われている健康保険証を2024年の秋に廃止する計画の概要を発表したが、これは「カード取得の実質義務化」であるだけでなく、政府が接種を推進してきた「mRNAワクチン」の副作用を調べるためにも便利な制度だ。治験結果を集め、分析するためにもマイナンバーカード付きの健康保険証は必要なのだろう。
政府や自治体は個人情報を集め、保管しているが、銀行、クレジット会社、交通機関など私企業にも情報は存在している。それらを集めて一括管理、そして分析するシステムを米英の情報機関は開発してきた。おそらく中国やロシアでも研究されているだろう。
1970年代にアメリカではPROMISと名付けられたシステムがINSLAW社によって開発された。不特定多数のターゲットを追跡、情報を収集、蓄積、分析することができ、アメリカやイスラエルの情報機関だけでなく日本の検察も関心を持っていた。追跡するターゲットは反体制派、環境保護派、労働組合、ジャーナリスト、政敵、カネ、プルトニウム、あるいは全国民、全人類でもかまわない。
検察の人間でINSLAW社に接触したのは敷田稔。後に名古屋高検の検事長に就任する。敷田の上司だった原田明夫は後の検事総長。駐米日本大使館の一等書記官だった当時、原田もこのシステムを調べている。法務総合研究所は1979年3月と80年3月、このシステムに関する報告を概説資料と研究報告の翻訳として、『研究部資料』に公表している。
アメリカでは国防総省もそうしたシステムの研究開発を進めてきた。その中心であるDARPA(国防高等研究計画局)が開発したTIAは、個人の学歴、銀行口座の内容、ATMの利用記録、投薬記録、運転免許証のデータ、航空券の購入記録、住宅ローンの支払い内容、電子メールに関する記録、インターネットでアクセスしたサイトに関する記録、クレジット・カードのデータを含むあらゆる個人データが収集、分析されている。(William D. Hartung, “Prophets Of War”, Nation Books, 2011)2001年9月にはMATRIXと名づけられた監視システムの存在が報じられた。(Jim Krane, 'Concerns about citizen privacy grow as states create 'Matrix' database,' Associated Press, September 24, 2003)
MATRIXを開発、運用していた企業はフロリダ州を拠点とするシーズント社で、同州知事でジョージ・W・ブッシュ大統領の弟、ジェブ・ブッシュも重要な役割を演じたとされている(Jennifer Van Bergen, "The Twilight of Democracy," Common Courage Press, 2005)が、ACLU(アメリカ市民自由連合)によると、シーズント社はスーパー・コンピュータを使い、膨大な量のデータを分析して「潜在的テロリスト」を見つけ出そうとしていた。
どのような傾向の本を買い、借りるのか、どのようなタイプの音楽を聞くのか、どのような絵画を好むのか、どのようなドラマを見るのか、あるいは交友関係はどうなっているのかなどを調べ、個人の性格や思想を洗い出そうとしたのだ。図書館や書籍購入の電子化、スマートテレビの普及などと無縁ではない。勿論、インターネット上でのアクセス状況も監視される。
かつて封書が通信の中心だった時代もあるが、電話の時代も過ぎ、最近はインターネットが利用されている。電子メールやそれに類する手段が一般的になっているが、このインターネットの前身はARPA(後のDARPA)が1969年に開発したARPANET(高等研究計画局ネットワーク)だ。ネットワーク局NBCのフォード・ローワンは1975年にARPANETがアメリカ人を監視するために使われていると伝えた。(Yasha Levine, “Surveillance Valley,” Hachette Book Group, 2018)
電話やインターネットのような電子技術を利用した通信手段を傍受する情報機関が存在する。アメリカのNSAやイギリスのGCHQが代表格である。この2機関は連携、UKUSAという連合体を編成、地球規模の通信傍受システムECHELONを開発した。1988年、この通信傍受システムの存在をダンカン・キャンベルは明るみに出したが、このジャーナリストは1970年代にGCHQの存在も明らかにしている。
カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの電子情報機関もUKUSAに加わっているが、NSAやGCHQの下で活動しているだけ。米英の機関と同等の立場で連携しているのはイスラエル軍の8200部隊だと言われている。この部隊はイスラエル軍の情報機関AMANイスラエル参謀本部諜報局)のSIGINT部門だ。
8200部隊は少なからぬ「民間企業」を設立、その一つであるカービンはあのジェフリー・エプスタインと関係が深い。カービンの重役は大半が8200部隊の「元将校」だ。エプスタイン自身もAMANのエージェントだったと言われている。
個人情報を収集するセンサーは人間の体内へ入ろうとしている。国連でも推進されているデジタルIDはチップ化され、それを体内にインプラントする計画があるのだ。
例えば、WEFのクラウス・シュワブは2016年1月にスイスのテレビ番組に出演し、そこでマイクロチップ化されたデジタル・パスポートについて話している。チップを服に取り付けるところから始め、次に皮膚や脳へ埋め込み、最終的にはコンピュータ・システムと人間を融合、人間を端末化しようと考えているようだ。
人間をサイバー・システムの一部にしようということだろうが、シュワブたちは、そのサイバー・システムにコンピュータ・ウィルスを蔓延させ、「パンデミック」を引き起こそうとしている疑いがある。
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