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コンサート・ホール襲撃犯へウクライナから資金が流れていることを示すデータ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403310000/
2024.03.31 櫻井ジャーナル
モスクワ近くのクラスノゴルスクにあるクロッカス・シティ・ホールが3月22日に襲撃され、銃撃と火災で140名以上が死亡した。ホールで観客を自動小銃で殺傷した4名を含む相当数の共犯者がロシア国内だけでなく、トルコやタジキスタンで逮捕されている。
ロシア国家反汚職委員会のキリル・カバノフ委員長によると、実行グループが残したデータは、彼らがウクライナの特殊部隊/ネオ・ナチと連絡を取り合っていたことを示しているようだ。それが事実なら、自動的にアメリカやイギリスの情報機関、つまりCIAやMI6につながる。本ブログでは繰り返し書いてきたことだが、西側が犯人として扱っているダーイッシュ-ホラサン(IS-KP、ISIS-K)は他のイスラム系武装集団と同じように、CIAやMI6の傭兵だ。
こうしたイスラム系武装集団の仕組みは、1970年代にズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンで始めた秘密工作にともない、築かれた。イギリスの外務大臣を1997年5月から2001年6月まで務めたロビン・クックは05年7月、「アル・カイダ」についてCIAの訓練を受けた「ムジャヒディン」の登録リストだと説明している。なお、クックはこの指摘をした翌月、保養先のスコットランドで心臓発作に襲われて59歳で死亡した。
ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)もこの仕組みから生まれた武装集団。そうした集団の出現をアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)は2012年8月、ホワイトハウスに警告していた。オバマ政権が支援している反シリア政府軍の主力はアル・カイダ系武装集団のAQI(イラクのアル・カイダ)で、アル・ヌスラと実態は同じだと指摘、その中心はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団だとしているのだ。2012年当時のDIA局長はマイケル・フリン中将である。
また、すべてのNATO加盟国には秘密部隊が存在していることも知られている。1960年代から80年代にかけて爆弾テロや要人暗殺を繰り返したイタリアのグラディオは特に有名だが、NATOに加盟していないウクライナのネオ・ナチがこのネットワークに組み込まれていることは本ブログで指摘済みだ。
ダーイシュが出現したのは2014年1月。イラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧している。その際にトヨタ製小型トラック、ハイラックスの新車を連ねたパレードが行われ、その画像が世界に流されたのだが、このハイラックスを購入したのはアメリカの国務省だとも言われていた。こうした戦闘集団の動きをアメリカの軍や情報機関は偵察衛星、無人機、通信傍受、人間による情報活動などで知っていたはずだが、反応していない。
そのダーイッシュを含むイスラム武装勢力は2015年9月にシリア政府の要請で介入したロシア軍によって壊滅させられた。その際、アメリカの軍や情報機関がダーイッシュなどの幹部をヘリコプターなどで救出している。行くへは不明だったが、アフガニスタンへ運んだと言われていた。
その当時、FSB(連邦安全保障局)のアレクサンダー・ボルトニコフ長官は、ダーイッシュのメンバー約5000名がアフガニスタン北部に運ばれ、中央アジアの旧ソ連諸国を脅かしていると語っていた。
ウクライナでネオ・ナチを率いているひとりのドミトロ・ヤロシュは2007年からOUN-B(ステパン・バンデラ派)系のKUN(ウクライナ・ナショナリスト会議)のリーダーになり、そのタイミングでNATOの秘密部隊ネットワークに参加したと言われている。
ヤロシュはチェチェンやシリアで戦ったサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)などイスラム系の武装集団と関係があり、2007年5月にはウクライナのテルノポリで開かれた欧州のネオ・ナチや中東の反ロシア・ジハード主義者を統合するための会議で議長を務めている。こうした関係もあり、イスラム武装勢力はウクライナでも戦闘に参加してきた。
中央アジアの中で戦略上、最も重要国はカザフスタンだろう。そのカザフスタンで2022年1月2日から暴力的な反政府活動が始まり、暴動化して救急車やパトカーだけでなく市庁舎も放火される事態になる。外国人を含むジハード戦闘員2万名ほどが銃撃戦を始めたという。
カシムジョマルト・トカエフ大統領は外国が介入していると非難し、CSTO(集団安全保障条約)に平和維持部隊を派遣するように求めた。この部隊によって事態は沈静化、1月6日にはカザフスタンの安全保障会議で議長を務めていたカリム・マシモフが解任され、反逆罪で逮捕されたと伝えられた。暴動にはヌルスルタン・ナザルバエフ前大統領の甥も参加していたと言われていたが、ナザルバエフはトニー・ブレア元英首相からアドバイスを受けていた人物。1995年から投機家のジョージ・ソロスもカザフスタンへ食い込んでいた。
なお、ダーイッシュはタリバーンによってアフガニスタンから追い出され、タリバーンと外交的に連携していないタジキスタンへ移動したと言われている。
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