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(回答先: そのうち、日本人の半分は日本語が読めないという世界に突入する 投稿者 中川隆 日時 2025 年 1 月 13 日 18:38:46)
小学校で英語を教える様になってから、日本語が読めない日本人ばかりになった:
日本人の3人に1人は日本語が読めない
集団ですぐれた意思決定をするための条件は、人種、民族、国籍、宗教、性別、性的指向などが異なるメンバーを集める多様性と、その全員が一定以上の能力をもっていることだ。このふたつの条件を満たすと、多様な意見が「化学反応」を起こし、とてつもないイノベーションが生まれる可能性がある。
ところが、自然に生まれる集団ではこれとは逆のことが起こる。
ひとは生得的に、自分と似た者に惹かれる性質があるので、アメリカのような多文化社会では、人種や民族、宗教ごとにコミュニティがつくられるが、知能や学力で選別するようなことはない。知識社会は産業革命以降に成立したので、そんなグループ分けをする本能は脳に埋め込まれていない。だからこそ有名大学やシリコンバレーのIT企業は、人為的な方法(入学試験や高報酬)で能力の高い者だけを集めているのだ。
その結果わたしたちは、なんの多様性もなく、知能・能力だけが大きくばらついている社会で暮らしている。これが、民主政を擁護するひとたちの期待に反して、「熟議」が混乱しか生まない理由だろう。
「読解力」「数的思考力」「ITスキル」を実際に調べてみた
では、知能はどの程度ばらついているのか。これについては「日本人の3人に1人は日本語が読めない?」として何度か書いたことがあるが、重要な「ファクト」にもかかわらずほとんど誰も触れようとしないので、ここであらためて述べておこう。
PIAAC(国際成人力調査)はPISA(学習到達度調査)の大人版で、OECD加盟の先進国を中心に、24カ国・地域の16〜65歳約15万7000人を対象に、2011〜12年に実施された(※1)。
ヨーロッパでは若者を中心に高い失業率が問題になっているが、その一方で経営者から、「どれだけ募集しても必要なスキルをもつ人材が見つからない」との声も寄せられていた。プログラマーを募集したのに、初歩的なプログラミングの知識すらない志望者しかいなかったら採用のしようがない。
そこで、失業の背景には仕事とスキルのミスマッチがあるのではないかということになり、仕事に必要な「読解力」「数的思考力」「ITスキル」を実際に調べてみたのだ。
5人のうち4人はツイッターの内容を理解していない可能性が
PIAACの問題はレベル1から5まであり、レベル3は「小学校5年生程度」の難易度とされている。
「読解力」のレベル3の問題例では、図書館のホームページの検索結果を見て、「『エコ神話』の著者は誰ですか」という問いに答える。あまりに簡単だと思うだろうが、正解するためには、問題文を正しく読めるだけでなく、「検索結果をスクロールし、そこに該当するものがなければ『次へ』の表示をクリックする」というルールに気づかなくてはならない。
この問題に正答できない成人は日本では27・7%で、3〜4人に1人になる。
レベル4の問題では、150字程度の本の概要を読んで、質問に当てはまる本を選ぶが、日本では8割近い(76・3%)成人がこのレベルの読解力をもっていない。ツイッターの文字数の上限は140字なので、5人のうち4人は書いてあることを正しく理解していない可能性がある。
「数的思考力」のレベル3は立体図形の展開で、日本の正答率は62・5%だ。レベル4は単純なグラフの読み取りで、ビジネスでは必須の能力だが、このレベルに達しているのは日本人の約2割(18・8%)しかいない。
「ITスキル」のレベル3では、メールを読んで会議室の予約を処理する。事務系の仕事では最低限必要な能力だと思うが、日本人でこれをクリアしたのはわずか8・3%だけだ。
惨憺たる結果でも日本人の成績は先進国で1位
この結果をまとめると、次のようになる。
(1)日本人のおよそ3分の1は「日本語」が読めない。
(2)日本人の3分の1以上が小学校3〜4年生以下の数的思考力しかない。
(3)パソコンを使った基本的な仕事ができる日本人は1割以下しかいない。
だが驚くのはこれだけではない。この惨憺たる結果にもかかわらず、日本人の成績は先進国で1位だったのだ。
OECDの平均をもとに、先進国の労働者の仕事のスキルを要約すると次のようになる。
(1)先進国の成人の約半分は簡単な文章が読めない。
(2)先進国の成人の半分以上が小学校3〜4年生以下の数的思考力しかない。
(3)先進国の成人のうち、パソコンを使った基本的な仕事ができるのは20人に1人しかいない。
だがこれは、一般に知られていないだけで、専門家には周知の事実だったはずだ。
日本人の6人に1人は偏差値40以下
PIAACに先んじて、アメリカでは仕事に必要な成人のリテラシーを計測するために、1985年、1992年、2003年に大規模な「全米成人識字調査」を行ない、「文章リテラシー」「図表リテラシー」「計算リテラシー」を調べている。その結果を要約すると、以下のようになる。
(1)アメリカの成人の43%は仕事に必要な文章読解力がない。
(2)同じく34%は仕事に必要な図表課題をクリアできない。
(3)同じく55%は仕事に必要な計算能力がない。
なお、この調査では学歴別の結果も調べており、高度な事務作業に必要な計算スキルをもつ成人は大卒では31%だが、高卒では5%、高校中退では1%しかいない。この「学歴(知能)格差」によって白人労働者層が仕事を失い、トランプ前大統領の岩盤支持層になった。
これらの結果は衝撃的だが、学力(偏差値)がベルカーブになることを考えれば当たり前でもある。
正規分布では、平均(偏差値50)から1標準偏差離れた、偏差値40〜60の範囲に68・3%の事象が収まる。2標準偏差離れた偏差値60〜70と30〜40はそれぞれ13・6%、3標準偏差離れた偏差値70〜80と20〜30はそれぞれ2・15%だ。
日本では高い偏差値ばかりが注目されるが、人口のおよそ6人に1人は偏差値40以下だ。だがこのひとたちは、高度化する知識社会のなかで「見えない存在」にされている。
この現実になぜ気づかないのか
問題は、知識社会が(無意識のうちに)ひとびとの知能を高く見積もっていることだろう。
税務申告書から生活保護の申請まで、説明を読んで役所の書類を正しく記入するためには、偏差値60(MARCHや関関同立)程度の能力が必要になる。そうなると、自力で申請できるのはせいぜい5人に1人で、残りは(お金を払って)誰かに頼るか、あきらめるしかない。
この現実に気づかないのは、社会を動かしているのが高学歴のエリートで、自分のまわりにも同じような高学歴しかいないからだ。
ダチョウは、追いつめられると頭を砂に埋めるという(事実ではないらしいが)。「民主主義」を信じているひとたちも、それがうまくいかないと、「知能の格差」という不愉快な事実から目を背け、このダチョウのように、「資本主義批判」という砂のなかに頭を突っ込んで安心しようとするのかもしれない。
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