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イスラエル軍がイランの首都を攻撃したが、テヘランは平穏で、ミサイルは撃墜
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202410260001/
2024.10.26 櫻井ジャーナル
イスラエル軍は10月25日にイランの首都テヘランの軍事目標を空爆したいう。F-35戦闘機を含む100機以上の航空機が使われたと伝えられているが、テヘランは平穏で、現地で住民が撮影した映像の大半は攻撃を感じさせない。例外的な映像には相当数のミサイルが迎撃されている様子が撮影されている。ロシアの防空システムが使われたと思われ、迎撃ミサイルが発射されただけでなくECM(電子対抗手段)も利用されたのだろう。イランのミサイルを撃墜できなかったイスラエル/アメリカの防空システムとの違いが明確になったようだ。
イランにしろ、イエメンのアンサール・アッラー(西側では蔑称のフーシ派を使っている)にしろ、レバノンのヒズボラにしろ、イスラエルを攻撃している原因はパレスチナにおける住民虐殺にある。
イスラエルは1948年5月の「建国」以来、「大イスラエル」の実現を目指して侵略、破壊、略奪、殺戮を繰り返してきた。そうした犯罪的な行為を「国際社会」を自称する西側諸国は受け入れ、現在、アメリカやイギリスは積極的に支援し、虐殺の範囲をパレスチナからレバノンへ広げつつある。
昨年10月からガザで殺された住民は4万5000人を超えたと言われ、その約4割が子どもで、女性を含めると約7割に達するというが、そのほか相当数の遺体が瓦礫の下に埋まっている。
これだけでも大量殺戮だが、ランセット誌が今年7月に掲載した論文は「間接的な死者は直接的な死者の3倍から15倍に及ぶ」と指摘している。当時報告されていた「死者37,396人に直接的な死者1人につき間接的な死者4人という控えめな推定を当てはめると、ガザにおける戦闘による死者は最大18万6000人、あるいはそれ以上」とした。
その惨状はテレグラムなどを通じて世界に発信され、イスラエルに対する怒りは高まっている。パレスチナ人虐殺を支援しているアメリカで行われている大統領選挙の候補者、カマラ・ハリスはインタビューの中で「人びとが抱く強い感情を否定するつもりはありません」と言わざるをえなかった。そして「画像を見た人の中で、何が起こったのか強い感情を抱かない人がいるとは思いません」と語っている。
しかし、その後に彼女の本音が現れる。「この問題に関心を持つ多くの人々は食料や雑貨の価格を下げることにも関心がある」うえ、「私たちの民主主義」を気にしていて、「ファシスト」がアメリカ大統領にならないように願っていると主張している。ハリスの周辺が作成したシナリオだけに集中し、イスラエルによる侵略、破壊、略奪、殺戮を機にするなと言っているように聞こえる。
いわゆる「グローバル・サウス」の人びとはイスラエルの背後にアメリカやイギリスをはじめとする西側諸国が存在していることを熟知している。イスラエルはそうした西側諸国の手先として機能、その役割を利用して自分たちの利益を図ってきた。
その結果、中東で大規模な戦争が勃発する方向へ進んでいる。そうした状況を先日のBRICS首脳会議でもロシアのウラジミール・プーチン大統領が警告していたが、そのロシアはイスラエルに配慮し、積極的に介入することはなかった。2015年にアメリカがシリアへ軍事介入する直前にロシアは介入したが、それも限定的だ。今後、ロシアがイランをどこまで支援するか注目されている。戦争反対、和平実現と叫んでも米英やイスラエルのような国には通用しない。
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