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パレスチナ人を虐殺しているイスラエルは、アングロ・サクソンのプロジェクト
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202408060000/
2024.08.06 櫻井ジャーナル
パレスチナ人を虐殺、近隣国に対する軍事攻撃を繰り返してきたイスラエルはサウジアラビアと同じように、イギリスの金融資本がシオニストを利用して作り上げた国である。そのイスラエルはシオニストのネオコンと手を組み、世界を世界大戦へと引きずり込もうとしている。
イスラエルは自国を「ユダヤ人の国」だと主張しているが、イスラエルを作り上げたのはイギリスのシティ(金融資本)である。アメリカを支配しているウォール街はシティからスピンオフして出来上がった。現在のイスラエルを支えているのは米英金融資本を中心とする欧米の私的権力にほかならない。
19世紀のイギリスを支配していた私的権力はユーラシア大陸の内陸国を締め上げるため、大陸の周辺を海軍力で支配する戦略を立てた。そのために沿岸国の戦闘員を傭兵化したのだが、その中に明治体制下の日本も含まれる。
シオニズムという用語は1864年、ウィーン生まれのナータン・ビルンバウムによって初めて使われたというが、近代シオニズムの創設者とされているのは1896年に『ユダヤ人国家』という本を出版したセオドール・ヘルツルだ。
ヘルツルが崇拝していたというセシル・ローズは1870年に南アフリカへ移住、ダイヤモンドの取り引きで財をなし、81年にはデ・ビアスを創設した人物。資金はNMロスチャイルド&サンから得ていた。
ローズは優生学を信奉、アングロ・サクソンを最も高貴な人種だと考えていた。彼は1877年6月にフリーメーソンへ入会するが、その直後に書いた『信仰告白』にもその主張が記されている。最も優秀な人種であるアングロ・サクソンの居住地が広がれば広がるほど人類にとって良いことで、領土を拡大して大英帝国を繁栄させることは自分たちの義務だというのだ。(Cecil Rhodes, “Confession of Faith,” 1877)
ローズは1890年にロンドンでナサニエル・ド・ロスチャイルド、ウィリアム・ステッド、レジナルド・ブレット(エシャー卿)、アルフレッド・ミルナー(ミルナー卿)、ロバート・ガスコン-セシル(サリスバリー卿)、アーチボルド・プリムローズ(ローズベリー卿)たちへ自分のアイデアを説明、1891年2月に「選民秘密協会」を創設したと言われている。(Gerry Docherty & Jim Macgregor, “Hidden History,” Mainstream Publishing, 2013)
ステッドによるとローズはチャールズ・ダーウィンの信奉者で、トーマス・マルサスの『人口論』から影響を受けたという。(Edited by W. T. Stead, “The Last Will And Testament Of Cecil J. Rhodes,” “Review Of Reviews” Office, 1902)そのマルサスによると、人口の増加は等比級数的である一方、食糧の増加は等差級数的なため、その不均衡が飢饉、貧困、悪徳の原因になる。そこで人口を削減する必要が生じる。
ダーウィンの従兄弟にあたるフランシス・ゴールトンは優生学の創始者だが、その優生学は人口論と結びつく。人口の爆発的増加を防ぐために「劣等」な人間を削減の対象にしようというわけだ。ハーバート・スペンサーもダーウィンの仮説を社会へ持ち込んだ人物である。
ライオネル・ド・ロスチャイルドと親しく、ロシア嫌いのユダヤ人支持者だったベンジャミン・ディズレーリは首相時代の1875年、スエズ運河運河を買収している。その際、資金を提供したのは友人のライオネル・ド・ロスチャイルドだった。(Laurent Guyenot, “From Yahweh To Zion,” Sifting and Winnowing, 2018)
ディズレーリの一族はポルトガル系のコンベルソ、つまり迫害を逃れるためにキリスト教へ改宗していた。彼はベニスへ移住した際にユダヤ教へ戻るが、1748年に祖父がロンドンへ移り住んだ後、父親のイサクがキリスト教へ改宗し、その際にベンジャミンも洗礼を受けている。ベンジャミンはシオニズムをイギリス帝国主義の道具と位置付けていた。
イギリスでは16世紀に自分たちを「失われた十支族」の後継者だと信じる人が現れた。そのひとりがスチュワート朝のジェームズ6世で、自分はイスラエルの王だと信じていたという。そのジェームズ6世の息子であるチャールズ1世は「ピューリタン革命(17世紀半ば)」で処刑されたが、その「革命」で重要な役割を果たした人物がカルバン派のオリバー・クロムウェル。
彼の私設秘書だったジョン・サドラーも同じように考え、彼は1649年に作成されたパンフレット『王国の権利』の中でイギリス人はイスラエルの失われた部族のひとつであり、ユダヤ人と同族であると主張、イギリス・イスラエル主義の始まりを告げている。
ちなみに、旧約聖書の記述によると、イスラエル民族の始祖はヤコブだとされている。彼には12人の息子があり、それぞれ支族を形成、そのうちユダ族とベニヤミン族の後裔とされる人びとが「ユダヤ人」と呼ばれているのだ。残りは行方不明で、旧約聖書を信じる人びとから「失われた十支族」と呼ばれているのだが、それは神話だ。
クロムウェルの聖書解釈によると、世界に散ったユダヤ人はパレスチナに再集結し、ソロモン神殿を再建することになっていた。この解釈に基づいて彼は政権を樹立し、1656年のユダヤ人のイングランド定住禁止令を解除、パレスチナにイスラエル国家を建国することを宣言したのだが、その後、ピューリタン体制は倒されてシオニズムは放棄される。
クロムウェルを支持する人びとの一部はアメリカへ亡命、ジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファーソン、ベンジャミン・フランクリンらはその後継者だと主張したというが、19世紀の終わり近くまでユダヤ人でシオニズムを支持していたのはエリートだけで、大多数のユダヤ教徒はシオニズムを非難していたとされている。
アメリカではウィリアム・ブラックストーンなる人物が1891年にユダヤ人をパレスチナに送り出そうという運動を展開し、ベンジャミン・ハリソン米大統領に働きかけていた。ワシントンがイスラエルの建国を揺るぎなく支持する根拠としたのはブラックストーンの神学だ。
シオニズムはアングロ・サクソンのプロジェクトである。その目的はユダヤ人をアングロ・サクソンと結びつけ、米英金融資本の帝国主義を勝利させることにあるとも言われている。イスラエルとユダヤ人を一体化させて考えるべきではない。
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