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ボリビアのクーデター未遂は背後にCIAが存在している可能性
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202406290000/
2024.06.29 櫻井ジャーナル
ボリビアのルイス・アルセ大統領は6月26日、軍事クーデターの試みを防いだと発表した。軍の一部が装甲車でラパスの中央広場を占拠し、大統領官邸に突入したのだが、約3時間で兵士は撤収、クーデターを企てたフアン・ホセ・ズニガ陸軍司令官は逮捕された。
2025年の次期大統領選挙にエボ・モラレス前大統領が立候補したなら、軍はモラレスを逮捕するとズニガは6月24日に宣言、25日に司令官の職を解かれ、ホセ・ウィルソン・サンチェスが新司令官に就任した。その前、モラレスはズニガを軍事組織パチャチョの司令官だと告発していた。
モラレスとアルセはクーデターに対抗するよう国民に呼びかけ、数百人が広場からズニガ軍を追放したが、軍事蜂起が失敗した主因は軍隊側にあるとも言われている。ボリビアでは2019年11月にクーデターでエボ・モラレス大統領が排除され、その後20年11月までヘアニネ・アニェスが「暫定大統領」を名乗っていた。
このアニェスは後に逮捕され、クーデターの主犯格のひとりだったルイス・フェルナンド・カマチョなども獄中にあり、今回のクーデター失敗につながったとも見られている。
ベネズエラの場合とは違い、ボリビアの与党である「社会主義運動(MAS)」はクーデター派将校を軍から粛清することができず、不安定な状態が続いている。軍は今でもアメリカの手先だということに他ならない。実際、ボリビア軍にはCIAのエージェントが深く浸透していると言われている。
元CIA分析官のラリー・ジョンソンはボリビアのクーデター未遂について、アルセ大統領が今月初めにロシアで開催されたサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)に出席したことが直接的な原因で、アメリカ政府が関与した可能性が高いとしている。
アメリカがボリビアでクーデターを目論んでいる理由のひとつはリチウム利権だとも言われている。この資源はボリビア、チリ、アルゼンチンにまたがる「リチウム・トライアングル」と呼ばれる地域に集中、ボリビアだけで埋蔵量は世界全体の5割から7割という。電池自動車の実用化が進んでいる中国がボリビアとの関係を強めていた一因はそこにある。モラレス政権は中国へリチウムを輸出するだけでなく、ロシアやドイツをパートナーにしたがっていたとも言われている。
モラレスを排除した2019年のクーデター直後、イギリス政府は新体制を支持していた。その前年、ボリビアのイギリス大使館は某企業のボリビア進出を後押ししているが、その企業はイギリスの情報機関(対外情報機関のMI6、治安機関のMI5、電子情報機関のGCHQ)がアメリカのCIAと協力して設立したものだった。
イギリス政府は2019年6月にリチウム電池の技術を産業戦略の優先事項だと宣言、クーデター政権は中国との契約を見直すと発言している。クーデターはイギリスの戦略に沿うものだった。
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