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世界を買収、脅迫、暗殺、クーデター、軍事侵攻で動かす犯罪組織的な私的権力
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202406120000/
2024.06.12 櫻井ジャーナル
有力メディアを利用して偽情報を流布してユーゴスラビアを先制攻撃して破壊、存在しない「大量破壊兵器」を口実にしてイラクを先制攻撃し、西側の私的権力に従わないウクライナの政権をカラー革命、そしてネオ・ナチを使ったクーデターで2度倒してロシア語系住民を殺戮、言論や信教の自由を否定、アル・カイダ系武装集団を利用してリビアやシリアの体制を軍事的に倒し、イスラエルによるパレスチナ人虐殺を支援してきたのがアメリカをはじめとする西側の国々だ。
その西側を支配する私的権力は世界を支配するため、買収、脅迫、暗殺、クーデター、軍事侵攻といった手法を駆使する。暗殺やクーデターは情報機関、軍事侵攻は軍隊が実行するのだろうが、脅迫のための仕組みも存在している。
有力者の弱みを握り、操り、自分たちの利益を図る人たちは昔からいた。そのひとりが禁酒法時代に密造酒で大儲けしたルイス・ローゼンスティールだと言われている。
このローゼンスティールと「親子のように」親しく、犯罪組織ガンビーノ・ファミリーのメンバー、例えばジョン・ゴッチの法律顧問にもなっていたのがロイ・コーンなる弁護士。
コーンはコロンビア法科大学院を卒業後、親のコネを使ってマンハッタンの地方検事だったアービン・セイポールの下で働き始めたが、この検事はコミュニストの摘発で有名。1950年にソ連のスパイとして逮捕されたジュリアス・ローゼンバーグとエセル・ローゼンバーグの夫妻の裁判でコーンが重要や役割を果たしたことも知られている。
夫妻に原爆に関する機密情報を夫妻に渡したとするエセルの弟、デイビッド・グリーングラスの証言以外に容疑を裏づける証拠はなかったのだが、夫妻は1953年に処刑された。後にグリーングラスは検察側から偽証を強要されたと語っている。
コーンは1950年代にジョセフ・マッカーシー上院議員の側近として活動、反ファシスト派の粛清でも重要な役割を果たした。この粛清劇は「マッカーシー旋風」や「レッド・バージ」とも呼ばれている。マッカーシーの黒幕はFBI長官だったJ・エドガー・フーバーで、コーンはマッカーシーとフーバーの間に入っていた。
化粧品で有名なエステイ・ローダーもコーンが親しくしていたひとりで、エスティの息子であるロバート・ローダーはドナルド・とペンシルベニア大学時代からの友人。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と親しく、「世界ユダヤ人会議」の議長だ。1973年にコーンはトランプの法律顧問になり、AIDSで死亡する85年までその職にあった。
このコーンの後継者ではないかと疑われているのが2019年7月に性犯罪の容疑で逮捕され、同年8月に房の中で死亡たジェフリー・エプスタイン。自殺とされているが、その刑務所の事情に詳しい人はありえないとしている。
エプスタインの死に疑問を抱く人は少なくない。死亡する前日に同房者はほかへ移動、エプスタインが死んだときに看守は過労で居眠りしていただけでなく、監視カメラの映像は問題の部分が利用できない状態になっているのだとう。しかも房のシーツは紙のように弱く、首をつることは困難だという人もいる。首の骨が何カ所か折れているとも伝えられている。
エプスタインは大学をドロップアウトした後、1973年から75年にかけてマンハッタンのドルトンスクールで数学と物理を教えていたが、76年には教え子の父親の紹介で投資銀行のベア・スターンズへ転職、その時の顧客の中にエドガー・ブロンフマンがいたという。
大学をドロップアウトしたエプスタインを教師として雇い入れたのはドルトンスクールの校長をしていたドナルド・バー。司法長官を務めたウィリアム・バーの父親だ。ウィリアムはCIA出身で、その時代にはジョージ・H・W・ブッシュの部下だった。またドナルドはCIAの前身であるOSSに所属していた。
ところで、ロバート・ローダーの前に「世界ユダヤ人会議」の議長を務めたエドガー・ブロンフマンも密造酒の家系で、父親のサミュエル・ブロンフマンはローゼンスティールの仲間。エドガーの弟、チャールズが1991年に創設した「メガ・グループ」はイスラエル・ロビーとされているが、イスラエルの情報機関と緊密な関係にあると言われている。エドガー・ブロンフマンの関係でイスラエルの情報機関へ引き込まれたひとりがエプスタインだ。
エプスタインは未成年の女性と有力者を引き合わせ、ふたりの行為を盗撮し、それを利用して後に恫喝の材料に使っていたと言われている。そのエプスタインは2011年にビル・ゲイツと親しくしていたとニューヨーク・タイムズ紙が伝えたのは2019年10月12日のことだった。
エプスタイン、彼と親密な関係にあったギスレイン・マクスウェル、そして彼女の父親はイギリスのミラー・グループを率いていたロバート・マクスウェルはいずれもイスラエルの情報機関のために働いていたと言われている。マクスウェルはエプスタインをイランとの武器取引に加えようとしていたようだ。
イスラエル軍の情報機関ERDに所属、イツァク・シャミール首相の特別情報顧問を務めた経験のあるアリ・ベンメナシェによると、3名ともイスラエル軍の情報機関(AMAM)に所属していた。(Zev Shalev, “Blackmailing America,” Narativ, Septemner 26, 2019)
ロバート・マクスウェルがAMANのエージェントになったのは1960年代だとも言われ、ソ連消滅でも重要な役割を果たしたと言われいるが、ソ連消滅の前の月、つまり1991年11月にカナリア諸島沖で死体となって発見されている。
ギスレインとエプスタインは1990年代に知り合ったとされているが、ベンメナシェによると、ふたりは1980年代に親しくなっている。ニューヨーク・ポスト紙の元発行人、スティーブン・ホッフェンバーグによると、ふたりはあるパーティで知り合ったという。
世界の要人を操るだけでなく、苦境に陥った戦争から抜け出すためにもアメリカは脅迫という手法を使ってきた。例えばドワイト・アイゼンハワーは大統領に就任した1953年、中国に対し、朝鮮戦争の休戦に応じなければ核兵器を使うと伝えたとされている。そして同年7月に休戦は実現した。(Daniel Ellsberg, “The Doomsday Machine,” Bloomsbury, 2017)
アイゼンハワー政権で副大統領を務めたリチャード・ニクソンは泥沼化していたベトナム戦争から抜け出すため、国家安全保障補佐官だったヘンリー・キッシンジャーに対し、北ベトナムを核攻撃してはどうかと1972年4月に語ったとする記録が残っている。ニクソンは「狂人理論」の信者で、核攻撃しかねないと思わせればアメリカ主導の和平に同意すると考えていたようだ。(前掲書)
ウクライナにおけるロシアとの戦争で敗北することが決定的になったジョー・バイデン政権とその配下のNATO諸国も核戦争でロシアを脅して譲歩させ、あわよくば勝利を演出しようとしている。欧米諸国が戦争をエスカレートさせる主張をしている理由はそこにあると言われているが、それに応じるほどウラジミル・プーチン大統領は愚かでないだろうとも言われている。
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