http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/482.html
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4月1日以来、イランとイスラエルが互いに攻撃し合っている。私は、この事態の意味を考えて書いてはボツにしているうちに無駄に時間が過ぎた。だから今回は、最初の4月1日の話から書かず、まずは4月19日にイスラエルがイランのイスファハンなどを空爆した件の分析をする。
この攻撃は、意外にショボいものだったようだ。イスラエルの過激な極右の閣僚ベン・グビール(Ben Gvir)は、この攻撃について「弱すぎだ」と不満を表明している。ネタニヤフ政権を握るリクード極右(入植者たち)は、もっと攻撃対象を増やすなど徹底的にイランを攻撃すべきだったと考えている。
https://www.bloomberg.com/news/live-blog/2024-04-19/middle-east-latest
Israel’s hawkish national security minister, Itamar Ben Gvir, just suggested he’s not happy with his country’s apparent response.
イランは4月14日の攻撃で、イラン本土からイスラエル本土を破壊できる攻撃力を持っていることを示した。この示威が攻撃の目的だった。イランは事前にアラブ諸国を通じて米イスラエルに攻撃の日程や対象を伝えて迎撃を許すなど手加減をしていた。
4月19日にイスラエルがイランを思い切り攻撃していたら、次回イランは間違いなく、4月14日よりはるかに強く広範に、事前通告なしにイスラエルを攻撃する。より大きな破壊を受けたイスラエルはあとに引けなくなり、自滅的なイランとの全面戦争に入っていかざるを得ない。
https://www.rt.com/news/596150-israel-response-iran-us-call/
US call delayed Israeli ‘response’ to Iran attack - media
それを防ぐためネタニヤフは、4月19日のイラン攻撃を、与党内の極右から批判されるぐらい弱く小規模な範囲で挙行した。米バイデン政権はネタニヤフに反撃するなと加圧していたが、これは無視した。「必要な攻撃は米国に反対されてもやる」という態度を見せる必要があった(イスラエルは米国を見下すことで強い政治力を持てている)。
だが、イランを本気で大規模に攻撃してしまうと、イランからの本気の反撃を誘発し、あとに引けない全面戦争とイスラエル亡国(とイランの大破壊)を引き起こす。国土が広いイランは大破壊、狭いイスラエルは国家滅亡になる。イスラエルがレバノンみたいになり、テルアビブがガザみたいになる。これはまずい。
だからネタニヤフは、イランに反撃したものの、イランが自重してくれてイスラエルを再反撃しない程度の限定的な攻撃にした。ということでないか。
https://www.zerohedge.com/markets/futures-tumble-oil-and-gold-soar-reports-huge-explosions-central-iran-israeli-airstrikes
Futures Tumble, Oil And Gold Soar On Reports Of "Huge Explosions" In Central Iran, Israeli Airstrikes In Iraq And Syria
イランが自重して再反撃を控えるかどうか、まだわからない。だが、もともと今回の相互攻撃で、悪いのはイスラエルの方だ。イランは悪くない。イスラエルは4月1日にダマスカスのイラン大使館の別館を空爆したが、戦時であっても大使館(外交施設)への攻撃は国際法違反だ。
イスラエルに対するイランの反撃は、国際法に沿った正当なものだった。ネタニヤフは、イランに正当性を与える失策をした(エジプトと和解するため中東戦争でわざと負けたゴルダ・メイア首相と同様の、意図的な失策だった可能性はある)。
https://www.rt.com/news/596091-irans-attack-victory-or-defeat/
Middle East redefined: Iran’s retaliatory attack on Israel signaled a major change in the region
イランは正しい。だから余裕がある。イランは、再度の反撃をせずに自重するのでないか(RTなどは、イランが再反撃しそうだと書いているが)。
イスラエルは米国の軍事力と諜報力を私物化して強かったので、これまでシリアやレバノンのイラン系の民兵団や軍事施設を好き放題に攻撃してきた。イラン側は、イスラエルに攻撃されっぱなしだった。
だが、今後は多分違う。4月14日のイランからイスラエルへの攻撃が、すべてを変えた。もうイスラエルは、簡単にイラン側を攻撃できない。したら亡国のリスクに直面する。
イランとしては、イスラエルをそのような状態に陥れたことで、とりあえずの目的を達成している(イスラエルの方からゴルダ・メイア方式でそれを誘発した可能性もある)。IAEAも急にイランの味方をしはじめた。プーチンが満足そうに含み笑いしている。
https://www.rt.com/news/596170-iran-israel-middle-east-war/
Is all-out war in the Middle East now inevitable?
https://www.rt.com/news/596071-iaea-iran-nuclear-weapons/
‘No evidence’ Iran developing nuclear weapons - IAEA
延々と書いて結論がうまくいかずボツにするのは馬鹿馬鹿しいので、とても短いけどここで配信してしまう。
https://libertarianinstitute.org/articles/this-weekend-iran-changed-everything/
Last Weekend, Iran Changed Everything
この記事はウェブサイトにも載せました。
https://tanakanews.com/240419israel.htm
- イランとイスラエルの冷たい和平(田中宇)昨日の続き:イスラエルは、イランに対してある種の安全を確保した。イランも、イス… てんさい(い) 2024/4/20 17:46:09
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