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NATOのウクライナへの侵攻はバルバロッサ作戦の再現
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202404060000/
2024.04.06 櫻井ジャーナル
アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は4月4日、ウクライナはいずれNATOへ加盟すると語った。NATO加盟国の支持が「盤石」だからだというが、ウクライナはすでに国として機能していない。アメリカなど西側からの資金と兵器で辛じて立っているだけだ。
イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長はウクライナに対し、5年間で1000億ドル程度の軍事資金を提供するよう加盟国に約束させようとしているという。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は軍事支援に積極的で、40発のスカルプ巡航ミサイルと「数百発の爆弾」をキエフに送ると約束。2月26日に彼は将来、ウクライナへ西側諸国の軍隊を派遣する可能性があると述べているが、アメリカではジョー・バイデン大統領が求めた600億ドルの軍事支援が議会の抵抗にあった。
アメリカ陸軍の特殊部隊デルタ・フォース(第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊)やイギリス陸軍のSAS(特殊空挺部隊)も戦闘に参加していたとル・フィガロ紙のジョージ・マルブルノは語っていたが、今年1月にはフランスの傭兵がロシア軍の攻撃で死亡していると伝えられた。
ロシア国防省によると、同国軍は1月16日にウクライナのハリコフを攻撃、軍事施設のほか情報機関や軍関係者が滞在していた旧ハリコフ・パレス・ホテルを破壊したという。その旧ホテルには200人近くの外国人傭兵が滞在していたと言われるが、その大半はフランス人傭兵。そのうち60名が死亡、20人以上が医療施設に搬送されたと伝えられた。
アメリカやフランスを含むNATO諸国の支配層はウクライナを必死に支援しようとしているが、それはロシア軍の勝利が確定的だからだ。つまり、彼らの思惑がはずれ、無惨なことになっている。フランスの雑誌「マリアンヌ」によると、フランス国防省の分析でもウクライナ軍の敗北は決定的だ。ウクライナ軍の将兵は訓練が不十分で、3週間も訓練を受けていない状態でロシアの防衛ラインに対する攻撃に駆り出され、死傷者の山を築いてきた。
それに対し、ロシア軍は部隊が完全に消耗しないようにしている。新兵と経験豊富な部隊を融合させ、後方での定期的な休息期間を確保、不測の事態に対処するために常に予備部隊を用意しているともいう。西側ではNATO軍とロシア軍を直接戦わせようとしている人びとがいるが、そうした事態に対応する準備をしているとも言える。
ロシアにとって、2013年11月から14年2月にかけてウクライナで実行されたクーデターは新たな「バルバロッサ作戦」の始まりだった。それにもかかわらず、ウラジミル・プーチン大統領は8年の間、動かなかった。その期間を利用してアメリカ/NATOはクーデター体制の戦力を増強したのだ。そして新バルバロッサ作戦が本格的に始まろうとした直前にロシア軍が動いたわけだ。そしてウクライナの敗北は確定的になるのだが、それはアメリカやその従属国の敗北でもある。
旧バルバロッサ作戦では1942年11月にドイツ軍25万人がスターリングラードで包囲され、翌年の1月に降伏。その月にイギリスのウィンストン・チャーチル首相とアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領はモロッコのカサブランカで善後策を協議、シチリア島上陸作戦を決めている。1943年7月に実行されたこの作戦の目的は対ドイツではなく、対ソ連戦の始まりだ。ハリウッド映画で有名になったノルマンディー上陸作戦(オーバーロード作戦)は1944年6月になってからである。
しかし、現在のアメリカ/NATOはウクライナ支援で武器弾薬をすでに供給し、兵器庫は空だ。たとえNATO軍をウクライナへ投入できたとしても、世界規模の戦争へエスカレートする可能性が高い。西側の軍隊がそうした無謀な行為を拒否したなら、情報機関がロシア国内でテロ活動を展開するしかないだろう。実際、実行した。
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