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自国の兵士をウクライナへ派遣したくない独政府は長距離ミサイルの供給を拒否
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403010000/
2024.03.01 櫻井ジャーナル
ドイツのオラフ・シュルツ首相はウクライナへ長距離ミサイル「タウルスKEPD 350」を提供しないとしている。このミサイルはドイツ/スウェーデンのタリウス・システムズが製造している空中発射型の巡航ミサイルで、射程距離は500キロメートル、最大速度はマッハ0.95。そのシステムを動かすためにはドイツ兵を派遣しなければならず、そうしたことをドイツ政府は行えないとしている。しかもウクライナでアメリカ/NATOは負け戦だ。
要員を派遣する必要性を示すため、シュルツはイギリスやフランスのケースを口にした。英仏両国はミサイルを供給するにあたり、目標管制や目標管制の支援を行う要員を送り込んでいると説明しているのだ。つまりイギリスやフランスは目標管制や目標管制支援のために自国の兵士をウクライナへ送り込んでいるということになる。こうしたことは常識だが、イギリス下院の国防委員会で委員長を務めていたビアス・エルウッドはシュルツの発言を批判した。
本ブログでも書いてきたことだが、アメリカ/NATOは兵士や情報機関員をウクライナへ送り込んでいる。兵器の操作だけでなく、軍事情報を提供し、最前線で戦闘に参加している兵士もいるようだ。フランスのル・フィガロ紙のジョージ・マルブルノは、ウクライナでアメリカ陸軍の特殊部隊デルタ・フォース(第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊)やイギリス陸軍のSAS(特殊空挺部隊)も戦闘に参加しいるとしていた。ポーランドやバルト諸国からも戦闘員が入っていると言われている。
今年1月16日にロシア軍が軍事施設とともに破壊した旧ハリコフ・パレス・ホテルは情報機関や軍関係者が利用していたと言われている。攻撃を受けた当時、この建物には200人近くの外国人傭兵が滞在、相当数の死傷者が出たという。その際にフランス人傭兵約60名が死亡、20人以上が医療施設に搬送されたと伝えられている。その日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は40発のスカルプ巡航ミサイルと「数百発の爆弾」をキエフに送ると約束している。
もしドイツがタウルスをウクライナへ供給した場合、オペレーターを派遣することになるだろうが、やはりフランスの場合と同じようにロシア軍から攻撃される可能性が高い。
アメリカの世界制覇戦争はソ連が1991年12月に消滅した直後から始まり、ウクライナでは2004年から05年にかけて実行されたのが「オレンジ革命」で新自由主義政権を成立させた。その「革命」を指揮していたのはアメリカ政府で、現地の拠点はアメリカ大使館だが、政権転覆工作を指揮するのはCIAの破壊工作部門である。
新自由主義は富を外国の巨大資本やその手先に集中させ、国民を貧困化させるが、そうした事実を知ったウクライナの有権者はビクトル・ヤヌコビッチを選ぶ。そこでアメリカのバラク・オバマ政権は2014年2月にクーデターを成功させたのだが、それを指揮していたのはネオコンであり、CIAが暗躍していた。
そのクーデターではネオ・ナチが実働部隊として利用されたが、そのメンバーは2004年からバルト3国にあるNATOの訓練施設で軍事訓練を受けていたと伝えられている。またポーランドの外務省は2013年9月にクーデター派の86人を大学の交換学生を装って招待、ワルシャワ郊外にある警察の訓練センターで4週間にわたり、暴動の訓練を受けたとも報道されていた。
そうした訓練だけでなく、オバマ政権はCIAやFBIの専門家数十名を顧問として送り込み、傭兵会社「アカデミ(旧社名はブラックウォーター)」の戦闘員約400名もウクライナ東部の作戦に参加させていた。2015年からはCIAがウクライナ軍の特殊部隊をアメリカの南部で訓練している。
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