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2024.01.18
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202401180000/
イランのIRGC(イスラム革命防衛隊)は1月15日、イラクのクルド人支配地域にあるイスラエルの基地とシリアのイドリブにあるダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)の訓練キャンプ、後方支援ネットワーク、医療施設を攻撃したと伝えられている。イランのケルマンやラスクにおけるテロ攻撃やダマスカスにおけるIRGC司令官の暗殺に対する報復だという。クルドはシリアで盗掘した石油をイスラエルへ供給しているが、その取り引きにおける中心人物のひとり、ペシュラウ・ディザイが今回の攻撃で死亡したとされている。
イスラエルがガザやヨルダン川西岸で繰り広げているパレスチナ人虐殺に対し、イラクのカタイブ・ヒズボラ、アサイブ・アル・アルハク、バドルなどのシーア派の戦闘集団がイスラエルやアメリカに対する攻撃を始めつつあり、レバノンのヒズボラはイスラエルを攻撃、イエメンのフーシ派はイスラエルへ向かう船舶を攻撃している。これまでイランは静かにしていたのだが、1月15日に動いたというわけだ。
12月にラスクで自爆テロがあり、イランの警察官11人が死亡、1月3日にはケルマーンでも爆破事件があり、約100人が死亡している。ケルマーンではカセム・ソレイマーニーの追悼集会が行われていた。
ソレイマーニーはIRGCの特殊部隊と言われるコッズ軍の司令官だった人物で、2020年1月3日、PMU(人民動員軍)のアブ・マフディ・ムハンディ副司令官と共に、イスラエルの協力を得たアメリカ軍の攻撃で暗殺されている。その時、ソレイマーニーはサウジアラビア宛の返書を携えていたという。イランとサウジアラビアは関係修復に向かい、動き始めていた。
ケルマーンで爆弾テロを実行したダーイッシュはイラクからシリアにかけての地域で活動していたアル・カイダ系武装集団から生まれたとされ、チェチェンや中国の新疆ウイルグル自治区などからも戦闘員は集められ、サダム・フセイン体制の軍人や情報機関員も参加、資金はカタールやトルコが提供していたともいう。
アメリカ軍はアブ・グレイブ刑務所での虐待や拷問が発覚した後、イラク南部に建設したキャンプ・ブッカへ囚人を移動させた。ここでの虐待も広く知られている。ダーイッシュの少なからぬ指導者がこの刑務所に拘束されていた。ダーイッシュの関係者によると、そこでアメリカ軍は囚人にテロ組織に加わることを誓約させていたという。アメリカの情報法機関は支配地域をダーイッシュの戦闘員が移動することを許していた。
ダーイッシュの戦闘員はトルコ、ヨルダン、リビアの軍事基地でアメリカの特殊部隊やCIA、そしてイスラエルのモサドから訓練を受けたと中東では伝えられている。2011年7月から14年7月までトルコ駐在アメリカ大使を務めていたフランシス・リチャールドーネがダーイッシュの軍事作戦を調整していたとされている。(F. William Engdahl, “Whom The Gods Would Destroy,” mine.Books, 2016)
ダーイッシュは首を切り落とすといった映像を流して残虐性を誇示、そのイメージを利用してアメリカのバラク・オバマ政権はシリアへの軍事侵略を正当化しようとしていたが、そのダーイッシュはイスラエルを攻撃しない。その背景を見れば、当然だ。
シリアをアメリカ/NATO軍を直接侵略させるための準備として、オバマ大統領は「アル・カイダ」系武装集団への支援は危険だと警告していたDIA(国防情報局)のマイケル・フリン中将を2014年8月に退役させ、15年には2月に国防長官がチャック・ヘーゲルからアシュトン・カーターへ、また9月には統合参謀本部議長がマーチン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ替えた。慎重派から好戦派への交代だ。
デンプシーが退任した直後の9月30日にロシアはシリア政府の要請を受けて軍事介入、ダーイッシュや「アル・カイダ」系武装勢力を敗走させ、アメリカは軍事介入するタイミングを逸した。それでもアメリカ軍をシリア領内へ侵入させ、基地を建設、敗走したダーイッシュに替わってクルドを手先として使い始めた。
ダーイッシュはアメリカが編成した傭兵集団であり、その名称はタグにすぎない。アメリカが存在している限り、戦闘員がいなくなっても消滅しない。ここにきてジョー・バイデン政権はイランを攻撃するため、ダーイッシュを復活させたようだ。
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