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2024.01.15
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台湾では1月13日に総統選挙が実施され、蔡英文の政策を継承していると宣言している民主進歩党の頼清徳が40%を獲得して勝利した。中国国民党の侯友宜は33%、台湾民衆党の柯文哲は26%だ。頼清徳はハーバード大学を卒業した元医師で、2017年に蔡英文の下で行政院長(首相)に就任している。
蔡英文や頼清徳は中国からの独立を主張しているが、実際にはアメリカに従属する道を進むことになる。台湾から琉球諸島を経て日本列島につながる弧状列島はアメリカにとってユーラシア大陸の東岸を侵略する拠点であり、韓国は橋頭堡だ。民進党がいう「独立」とはアメリカの「不沈空母」になることを意味する。
ドナルド・トランプもジョー・バイデンもこうした政策を支援、政府高官を台湾へ派遣したり、中国に対する軍事的な恫喝を繰り返した。そして2022年8月2日、アメリカの下院議長だったナンシー・ペロシが台湾を訪問する。
1972年2月、アメリカの大統領だったリチャード・ニクソンは中国を訪問して米中の国交を正常化させた。その際、アメリカは中国を唯一の正当な政府と認め、台湾の独立を支持しないと表明する。「ひとつの中国」だ。台湾をアメリカの軍事基地にしないという表明でもあった。ペロシはそうした方針を壊すための使者だと言えるだろう。
同じ年の9月、総理大臣だった田中角栄が北京で日中共同声明に調印するが、その際、尖閣諸島の領土問題は「棚上げ」にすることにしている。日本の実効支配を認め、中国は実力で実効支配の変更を求めないというものだ。そして1978年8月に日中平和友好条約が結ばれ、漁業協定につながる。
この構図を壊したのは菅直人政権だった。この政権は2010年6月の閣議決定で尖閣諸島周辺の中国漁船を海上保安庁が取り締まれることに決め、2000年6月に発効した「日中漁業協定」を否定する。そして2010年9月、石垣海上保安部は中国の漁船を尖閣諸島の付近で取り締まり、日本と中国との関係は悪化し始めた。
こうした行為は田中角栄と周恩来が決めた尖閣諸島の領土問題を棚上げにするという取り決めを壊すものでもあるが、2010年10月に前原誠司外務大臣は衆議院安全保障委員会で「棚上げ論について中国と合意したという事実はございません」と発言している。この主張は嘘だ。
こうした政策の背後にはアメリカの好戦的な勢力が存在しているはずだが、その勢力は日本と中国との友好関係を壊すだけでなく、アメリカと中国との関係も壊し始めた。こうした政策は日本や台湾の経済界にダメージを与えたが、それはアメリカ支配層の目的のひとつでもあった。ウクライナでクーデターを仕掛け、EUを弱体化させたのと同じだ。
頼清徳が何を考えているか不明だが、アメリカの支配層は中国と台湾だけでなく、日本や韓国も共倒れにしようと目論んでいる。これは彼らアングロ・サクソンの歴史的な戦術だが、台湾にはこうしたアメリカの計画を拒否する勢力も存在、韓国では尹錫悦の検察人脈を使い、強引に軍事的な緊張を高めているが、綱渡りだ。
中国も台湾も戦争は望んでいないだろうが、アメリカは違う。ウクライナやガザで暴力的な政策が失敗して窮地に陥っているバイデン政権としては、東アジアへ「転進」したいだろう。東アジアに火がつけば、潜在的なライバルを全滅させることも可能だ。日本政府は戦争熱に浮かされ始めている。
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