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米国の世界戦略を実現、さらにガザ沖に天然ガスを奪うこともガザで虐殺する理由
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2023.10.28 櫻井ジャーナル
イスラエルはアメリカの戦略において、これまで以上に重要な位置を占めている。ガザやヨルダン川西岸に住むパレスチナ人がこれまで以上に邪魔な存在になったということだ。
アメリカのバラク・オバマ政権がネオ・ナチを使ったクーデターでウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除した翌年、ロシアのウラジミル・プーチン大統領は中国のBRI(一帯一路)とユーラシア経済連合(アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、ロシア)を連結し、多極的な関係を築くと宣言している。
ロシアは9月10日から13日にかけてウラジオストクでEEF(東方経済フォーラム)を開催、今年は朝鮮の金正恩労働党委員長も出席したが、その直前の9月8日、ニューデリーでG20サミットが開かれている。その席上、インドのナレンドラ・モディ首相はIMEC(インド・中東・欧州経済回廊)プロジェクトを発表した。
IMECはインド、UAE(アラブ首長国連邦)、サウジアラビア、イスラエルを結び、さらにギリシャからEUへ伸びるルートだ。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相によると、アメリカがイスラエルにこの計画を持ちかけたという。インドは以前からイスラエルやサウジアラビアとの関係を強化、サウジアラビアもイスラエルに接近していた。アメリカの属国と化したヨーロッパを繋ぎ止めるため、ヨーロッパと西アジアをつなぐわけだ。その中核になるのがイスラエルにほかならない。
イスラエルはパレスチナ人を隔離するため、ガザを収容所にしたが、そのガザ沖に天然ガス田が存在することは以前から知られていた。その利権をイスラエルやアメリカは奪おうとしている。
1995年9月、イスラエルのイツァク・ラビン首相とPLOのヤセル・アラファト議長が「オスロ2合意(ヨルダン川西岸地区とガザ地区に関する暫定合意)」に調印、それによってパレスチナ自治政府に海岸から20海里までの海域の海洋管轄権を与えた。
パレスチナ自治政府は1999年にブリティッシュ・ガスと25年間のガス探査契約を結び、その年に大規模なガス田を発見したのだが、パレスチナ人は何の利益も得ていない。
2006年にガザで行われた選挙でハマスが勝利した後、イスラエルの首相だったアリエル・シャロンの顧問、ドブ・ワイスグラスはガザを兵糧攻めにすることを決める。それまでもガザはイスラエルに支配されていたのだが、2007年以降、弾圧の度合いは格段に強まった。そしてイスラエルはガザ沖の天然ガスの支配権を確立する。
ハマス(イスラム抵抗運動)は1987年12月、シーク・アーメド・ヤシンによって創設された。ヤシンはムスリム同胞団の一員としてパレスチナで活動していた人物だが、シン・ベト(イスラエルの治安機関)の監視下、ムジャマ・アル・イスラミヤ(イスラム・センター)を1973年に創設、76年にはイスラム協会を設立。このイスラム協会の軍事部門として1987年に登場してくるのがハマスである。
イスラエルがハマスの創設に深く関与しているわけだが、その理由はPLO(パレスチナ解放機構)の中心的な組織、ファタハ(パレスチナ民族解放運動)を率いるヤセル・アラファトを抑え込むためだった。アラファトのライバルを育て、内部対立させることで運動を弱体化させようとしたのだ。
イスラエルは2004年3月にヤシンを殺害、その年の11月にはアラファトも死亡した。アラファトは毒殺された可能性が高い。アラファトが死んでからPLOの影響力は大きく低下、ハマスが主導権を握った。
イスラエル北部で推定埋蔵量約4500億立方メートルの大規模なガス田を発見したとノーブル・エナジーが発表したのは2010年。USGS(アメリカ地質調査所)の推定によると、エジプトからギリシャにかけての海域には9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が眠っている。ビル・クリントン元米大統領はノーブル・エナジーのロビイストだった。
オバマ政権はこの地域でムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ主義者やタクフィール主義者と渾然一体)を使って2010年の終盤から始められた「アラブの春」。その工作は2010年8月にPSD(大統領研究指針)11を承認したところから始まる。その3カ月後にはイギリスとフランスはランカスター・ハウス条約を締結。この地域に親イスラエル国が誕生させることになっていた。
欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官を務めたウェズリー・クラークによると、1991年に国防次官だったポール・ウォルフォウィッツはイラク、イラン、シリアを殲滅すると口にし、9/11から10日ほど後には統合参謀本部で見た攻撃予定国のリストにイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランが載っていたという。(3月、10月)中東からアフリカにかけての地中海沿い地域を植民地化するつもりだったのだろう。
今回、アメリカ/NATO/イスラエルはガザを建物を破壊、住民を虐殺し、残った人びとをエジプトへ追い出そうとしていたが、エジプト政府が思い通りに動かなかったようだ。パレスチナ人もガザから離れることを拒否した。ガザから逃げ出すと難民化し、再びガザへ戻ることはできない。
彼らは民族浄化を済ませた後、シリア、レバノン、イランを破壊するつもりだったのかもしれないが、ガザに対する攻撃に対する怒りは世界で高まり、イスラエルを支えている日米欧の支配者は厳しい状況に陥った。IMECの実現も難しくなったと見られている。
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