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※紙面抜粋
※2024年1月12日 日刊ゲンダイ2面
繰り返される悲劇と不安 この地震大国で自民党政権では命がいくつあっても足りゃしない
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/334599
2024/01/12 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
過酷な避難所生活(上)、志賀原発(下)は本当に問題ないのか?(C)共同通信社
能登半島地震は12日で発生から12日目。政府は11日ようやく「激甚災害」に指定したが、半島という地形や道路が隆起や陥没で機能不全に陥っていることを差し引いても、政府の対応は遅いと誰もが感じているのではないか。
被災者の生活は過酷だ。11日時点で避難所には約2万3000人。自主避難者も少なくなく、極寒の中、農業用のビニールハウスで身を寄せ合い、「もう限界」と悲鳴を漏らしているという。
依然、広い範囲で断水が続き、トイレの水を流せないなど衛生状態は悪化の一途。停電で暖房も入らず、低体温症の危険もある。新型コロナやインフルエンザなど感染症も広がっている。
劣悪環境が影響しているのだろう。11日午後2時時点までの死者は213人で、うち8人が震災後の体調悪化に起因する災害関連死である。
昨夜、ぶらさがり取材に応じた岸田首相は、旅館やホテルなどを活用する「2次避難」の積極利用を呼びかけた。だが、週内に1万人分を確保できる見通しながら、10日時点で石川県内の宿泊施設に移ったのは182人にとどまっている。
最初は食料とトイレが足りず、そこへ寒波と降雪。時間の経過とともに衛生環境が悪化し、体力低下やウイルス感染などで命を落とす。あってはならないことだ。もう少し、なんとかならないのかと歯がゆい。
ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「ここまでの政府の震災対応を見て感じるのは、現場をきちんと把握できていないということです。『2次避難』の希望が少ないのも、現場から遠く離れた官邸の発想だからです。被災者にとっては、避難のためにもう一度移動するのは大変な労力。それより、いま居る避難所の環境を改善して欲しいでしょう。それに、『プッシュ型支援』も落とし穴です。現場にとってこんな迷惑なものはない。役所などに物資だけがどんどん届き、管理するスペースや職員を確保しなければならない。職員は避難所を回りたいのに、物資の管理に人手が取られてしまう」
「現場主義」こそ過去の教訓
現地に防災担当相などを派遣して「もうひとつの政府」をつくるべきだと話す鈴木哲夫氏は、過去の震災時の責任者らにインタビューして著書「期限切れのおにぎり 大規模災害時の日本の危機管理の真実」にまとめている。
阪神大震災時の官房副長官だった故石原信雄氏は、「政府は現場主義で責任者を派遣し、現地で即断即決できる仕組みをつくって自治体をバックアップするべき」と話している。
能登地震では多くの避難所で、支援物資のおにぎりやパンが全員分に足りない時点では、物資があっても「公平性」の観点から配布を止めていた。しかし、2004年の新潟県中越地震時に長岡市長だった森民夫氏は、「行政は通常は公平性が一番大事だが、非常時には直面している問題に対応するため、不公平を恐れない決断がリーダーには必要」と話している。
こうした過去の教訓や知見は、なぜ十分生かされないのか。大地震が起こるたびに、同じ悲劇が繰り返されるのか。
「あるベテラン政治家が、『防災は成功して当たり前。復興まで長い時間がかかり、政治家の仕事として評価されず、割に合わない』と言っていました。しかし『国民の命と財産を守る』というのなら、自然災害も有事ですよ。岸田政権はウクライナ支援に熱心で、台湾有事などと言いますが、戦争と違って、自然とは交渉できません。人間の手で止められない自然災害の方が、よほど国民の大敵です」(鈴木哲夫氏=前出)
官邸内の災害対策本部で、防災服を着て、やってる感の岸田は、パフォーマンスばかり。国民は二の次というのがよくわかる。
岸田政権では再び原発事故が起きるまで政策を変えられない
そんな政府が原発推進だけはシャカリキだ。斎藤経産相は、11日の記者会見で全国の原発再稼働について、「地元の理解を得ながら進める方針に代わりはない」と断言したからア然である。
能登地震の直撃を受けた北陸電力志賀原発1、2号機について、原子力規制委員会は10日、観測した揺れの加速度が、想定を一部で上回ったことを明らかにした。
運転休止中の同原発の原子炉建屋直下に活断層がある懸念も払拭できていない。昨年3月、規制委は北陸電力の「活断層ではない」という主張を認めてはいるが、今回の能登地震は東西150キロに延びる“未知”の活断層が動いて震度7の巨大地震を引き起こしたのだ。志賀原発にこの活断層は影響しないのか。2号機は現在、再稼働に向け審査が行われているが、想像力を働かせれば、狂気の沙汰である。
しかし、再稼働ありきだからだろう。震災後、志賀原発は不具合が続出しているのに、北陸電力は情報を小出しにして、後から修正を連発している。
故障した変圧器から漏洩した絶縁油について、当初3500リットルとしていたが、後に1万9800リットルに訂正。当初「水位の変動なし」としていたが、後に「最大3メートルの津波が到達していた」と訂正した。「外部への放射能漏れはない」と発表しているが、原発周辺のモニタリングポストは最大18カ所が測定不能になったのに、なぜ断定できるのか。
運転停止中とはいえ、核燃料を貯蔵する「使用済み燃料プール」は冷却し続けなければならない。今回、変圧器の故障で使えなくなった外部電源を非常用ディーゼル発電機でカバーしたが、全電源喪失が起きていたらと考えるとゾッとする。
元経産官僚の古賀茂明氏がこう言う。
「北陸電力の発表は、何があっても『問題ありません』ばかり。結論ありきで理屈を考えているからでしょう。海に流出した変圧器の油は当初数百ミリリットルだけと発表しましたが、場所が波打ち際で油がすでに分散して流れているのは明らかでした。後に別の水面で大量の油が見つかっても、『漏れたのは6リットルで、全部処理しましたから問題ありません』と何事もなかったかのように装う。これは、志賀原発を再稼働させることが岸田政権の大方針だからです。大地震が原因で志賀原発の再稼働方針が揺らげば、東京電力の柏崎刈羽原発など他原発の再稼働にも影響する。それを避けるために、志賀原発で一歩も譲れないのです」
不都合は「隠す」「歪める」「騙す」
志賀原発については、志賀町がまとめている「原子力災害避難計画」も破綻していることが、今回の能登地震でハッキリした。原発事故時に自動車やバスを使って逃げることになっているが、地震で道路はガタガタになって寸断されるのに、自動車やバスによる避難が機能するわけがない。
具体的な避難計画を作るのは地方自治体だが、首相が議長を務め、全閣僚からなる「原子力防災会議」がお墨付きを与えている。つまり、ズサンな避難計画は政府の責任なのだ。
「能登半島では群発地震が続いていて、専門家は警鐘を鳴らしていた。政府には、もっと対策を打っておくべきだったと強い懺悔の気持ちがあっていいのに、そうした雰囲気が全く感じられません。特に岸田政権というのは、何か起きたからそれを検証して政策を変えるということをしない政権です。不都合が出ると『隠す』『歪める』『国民を騙す』。地震大国のこの国でこれほどの被害を目の当たりにしたら、普通なら原発を動かしていいのかどうか立ち止まって考え直すものでしょう。しかし、凝り固まっている岸田政権では、再び原発事故が起きるまで政策を変えられない。そういう政権に日本の未来を託していいのか、私たちはよく考えなきゃいけない」(古賀茂明氏=前出)
自民党政権では命がいくつあっても足りゃしない。国民は見殺しだ。
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