http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/843.html
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https://dot.asahi.com/articles/-/210770
能登半島地震に被災し、命を落とした人の数が、今にも200人を越える勢いで増えている。
発災から一夜明けた2日以降のテレビニュースを見ていた多くの人は、原形を留めない瓦礫の下で、これほど多くの人が亡くなっているとは、或いは倒壊した家屋の下で、これほど多くの人がひたすら救助を待っているとは想像もしなかったのではないだろうか。
国民にそう感じさせるほど、それほど、政府の救助・救援活動は、これまで以上に「緩慢」だった。
まるで、原発の直近で起きた今回の地震を、意識的に過少評価しようとしていたかに見えなくもない。
救出活動が届かず、そのことで命を落とした人の無念さは、想像だに出来ない。
ここまでの惨状、もはや「人災」と言うべきや。
振り替えれば、地震発生時、テレビでは津波の危険を報じ、懸命の避難を呼びかけていた。
その瞬間、福島の原発事故を思い起こさなかった人はいないだろう。
志賀原発のある志賀町では震度7と報じられていた。
古賀氏が早鐘で警鐘を鳴らす。
「やはり原発はやめるべきだ。」
ほとんどの国民は同じ思いなのではないだろうか。
私もその中の一人だ。
記事は長い。
長文が苦手な人には辛いかも知れないが、読むべき一文だ。
特に、今はまだ「原発賛成の人」は絶対に読むべきだろう。
全文は、上記URLで確認してもらうことにして、ここでは「耐震性」に的を絞って、抜粋しながら引用したい。
以下は記事からの抜粋。
・・・実は、今回の地震の結果を見るまでもなく、日本の原発は「危ないから」止めるべきだと考える十分な根拠がある。
私は、これを「原発の不都合な真実」と呼んでいる。・・・
・・・「原発の不都合な真実」の中で、もっとも重要なのは、原発の耐震性に関する事実だ。
・・・日本の国土は世界のわずか0.25%しかないのに、2011年〜2020年でみると全世界のマグニチュード6.0以上の地震の17.9%が日本周辺で発生するという、世界で最も危険な地震大国だと言って良いだろう。
・・・日本の原発は地震に極めて弱い。それをわかりやすく説明したのが、関西電力大飯原発を止めたことで有名な樋口英明元福井地裁裁判長だ。
・・・日本の原発は、民間のハウスメーカーが販売する耐震住宅よりもはるかに耐震性が低い。たとえば、三井ホーム、住友林業の耐震性は、各々最大約5100ガル(ガルは加速度の単位、大きいほど強い揺れを示す)、約3400ガルに耐える設計になっている。
一方、たとえば、四国電力の伊方原発の耐震基準は650ガル、高浜原発は700ガルと、日本の原発の耐震性は民間住宅の数分の1しかない。北陸電力志賀原発も建設当時は490ガル、その後600ガルに引き上げられ、現在は1000ガルということで安全審査を申請している。・・・
・・・日本では2000年から20年までの間に、1000ガル以上の地震が17回、700ガル以上は30回起きていた。つまり、原発の耐震基準を超える地震はごく普通に起きるのである。ちなみに、日本で記録された最大加速度は2008年の岩手・宮城内陸地震の4022ガルである。2番目が2011年の東日本大震災の時の2933ガル。・・・
・・・しかし、日本の原発の耐震基準の大半は1000ガル以下である。・・・
・・・今回の能登半島地震の最大加速度は、原発のある石川県志賀町の観測点で、東日本大震災に匹敵する2828ガルだったことがわかった。1000ガル以上も計7地点で確認されている。
だが、・・・北陸電力の発表を鵜呑みにすると、志賀原発1号機原子炉建屋地下2階で399.3ガルだったということだ・・・。近隣に比べて何故かずいぶん小さな揺れだったということになる。・・・
・・・その割には、かなり深刻な被害が出たのが驚きだ。使用済み燃料プールの水が大量に溢れる、冷却ポンプが一時停止する、複数の変圧器付近で配管の破損による大量の油漏れがあり、その影響で外部電源の一部系統が使用不能になるなどかなりの異常が発生した。
・・・当初、モニタリングポストでは放射能漏れは観測されていないと発表されて胸を撫で下ろした。だが、なぜか4日になって、原発の北15キロ以上離れたところにあるモニタリングポスト14カ所でデータが確認できていないことが発表された。他のモニターの値が信用できるのか、・・・。
・・・そして、何よりも気になるのが、北陸電力や政府の情報の出し方である。
・・・原発の状況について政府が具体的に触れたのは事故から2時間以上経過した後だった。林芳正官房長官が会見で、「現時点で異常なし」と木で鼻を括ったような発言をしたのだ。だが、記者の質問が飛ぶと、突然、変圧器で火災が発生と驚くような話をして、すでに消火と言い添えた。変圧器で火災なら重大事故なのではないか・・・。現に、外部電源が一部断たれたわけだから、「異常事態」であるのは疑いようがない(火災については、のちに北陸電力が否定したが、官房長官は訂正せずに放置した。・・・ちなみに、北陸電力は、爆発音と焦げ臭いにおいがしたことやスプリンクラーが作動して水浸しになったことは認めたが、それでも火災はなかったと主張している)。・・・
・・・今回の原発での異常事態や周辺地域の壮絶な被害状況を見れば、日本のような地震大国で原発を動かす、いや、保有するだけでもいかに大きなリスクになるのかがはっきりわかる。・・・
・・・これだけのわかりやすい材料を与えられて、なお、金に目が眩んで原発推進の方針を撤回できないことなどありえないと信じたいところだ。・・・
・・・国民は、与えられたこの機会に真剣に考え直して、政府に対して「原発をやめろ」と迫るべきである。
引用はここまで。
改めてそら恐ろしくなる。
「日本の原発の耐震基準の大半は1000ガル以下である。」
このことを放置している政府、規制委員会、そして、電力会社の無責任さよ。
どのように育てられれば、そこまで無責任な人間になれるものなのか。
「・・・北陸電力志賀原発は建設当時は490ガル、その後600ガルに引き上げられ、現在は1000ガルということで安全審査を申請している。・・・」
という。
今回の地震では、「・・・志賀原発1号機原子炉建屋地下2階で399.3ガルだったという・・」
が、俄かには信じがたい。
もし事実がそうだとしたら、もっと問題ではないか。
因果関係が分かり易い「使用済み燃料プールの水が大量に溢れる」事象を見ても、400ガルの揺れにも耐えられないプールの設計だったということが実証されたことになる。
「現在は1000ガルということで安全審査を申請している。・・・」
規制委員会は、何をしているのか、どこを見ているのか、どっちを向いているのか。
IAEA同様、電力会社の都合に合わせて、「お墨付きを与える」機関なのか。
「・・・日本では2000年から20年までの間に、1000ガル以上の地震が17回、700ガル以上は30回起きていた。・・・」
「・・・日本で記録された最大加速度は2008年の岩手・宮城内陸地震の4022ガルである。2番目が2011年の東日本大震災の時の2933ガル。・・・」
「・・・今回の能登半島地震の最大加速度は、原発のある石川県志賀町の観測点で、東日本大震災に匹敵する2828ガルだったことがわかった。1000ガル以上も計7地点で確認されている。・・・」
そして民間の耐震住宅はどうかと見れば・・・
「・・・三井ホーム、住友林業の耐震性は、各々最大約5100ガル(ガルは加速度の単位、大きいほど強い揺れを示す)、約3400ガルに耐える設計になっている。・・・」
それでも「日本の原発の耐震基準の大半は1000ガル以下である。」
そして、400ガルの揺れで「使用済み燃料プールの水が大量に溢れる」。
これは喜劇か?
これほどの無責任な政府、規制委員会、そして、電力会社が支配する日本に暮らす国民にとっては「悲劇」でしかない。
話が僅かながら、逸れるかもしれないが、
少し前に、鳩山由紀夫氏が、志賀原発の火災をツイートし、北陸電が「訂正し、否定している」のに鳩山由紀夫氏が撤回しないと非難されていた記事を目にした。
これについては、政府の報道官でもある林官房長官が記者会見で国民に向かって報告し、その後「訂正されていない」。
少なくとも、政府の認識は「火災」の発生があり、消火作業が行われ、消火出来た、という認識だろう。
鳩山由紀夫氏が非難される謂われは微塵も無い。
個人的に穿った見方をすれば、北陸電が「消防当局の現場検証」を受けることに重大な不都合があったために、慌てて「火災」の発生を否定したという顛末ではないか。
総務省消防庁の火災の定義によれば、
「火災とは、人の意図に反して発生し若しくは拡大し、又は放火により発生して消火 の必要がある燃焼現象があって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の 効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反して発生し若しくは拡大 した爆発現象をいう。」
そして、火災を発見した場合には、発見者は消防署への(努力義務ではあるが)通報義務を負う。・・・世間の常識だ。
本件も、常識に従って、当然消防署への通報がなされ、原発内の火災ということで、政府・官邸まで報告が上がったものだろう。
消防訓令に「火災調査規程」というものがある。
そこには、
「調査は、すべての火災の原因及び損害並びに関係者の行動等を明らかにすることにより、火災予防施策及び警防対策に必要な基礎資料等消防行政を推進するためのあらゆる情報の収集を図り、もって市民生活の安全を確保することを目的とする。」
と規定されている。
この訓令通りに行動すれば、「火災の原因及び損害並びに関係者の行動等を明らかにする」ために少なくとも消防署の調査が行われるはずだ。
全ての火災・・・と記されている・・・。
そのことによって「市民生活の安全を確保する」責任と義務を負っているからに他ならない。
果たして、消防署の「火災調査」は行われたのだろうか。
志賀原発内では、
使用済み燃料プールの水が大量に溢れる、冷却ポンプが一時停止する、複数の変圧器付近で配管の破損による大量の油漏れがあり、その影響で外部電源の一部系統が使用不能になるなどかなりの異常が発生した。
そこまでの事は報じられている。
いずれも重大事象に違いない。
北陸電としては、基本的には「火災調査」を拒む理由は無いはずだが・・・。
消防署としても、通報を受けた「火災」の「火災調査」をやらない正当な理由は無いはずだが・・・。
そこにはもう一つの「不都合な真実」が隠されているのか?、いないのか?。
「火災は無かった」ことにする動機が、消防署の「火災調査」を阻止することにあったとすれば許しがたい。
そして、当局が「火災調査」を止めたとすれば、「国民の安全」よりも「原子力ムラの住民の安全」を優先したことになり、到底許されるものではない。
国民には知る権利がある。
政府は国民に知らせる義務がある。
メディアは、国民の知る権利に奉仕する責任がある。
改めて思う。
「やはり原発はやめるべきだ。」
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