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※2023年12月26日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2023年12月26日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
前代未聞のこの異常事態に謝罪もなし説明もなし(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
自民党の最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していたとされる事件で、東京地検特捜部が安倍派幹部の松野前官房長官、高木前党国対委員長、世耕前党参院幹事長、塩谷元文科相から任意で事情聴取したと報じられた。
任意とはいえ、ついこの間まで政権中枢にいた複数の国会議員が当局の聴取を受けるのは異常事態だ。しかも、捜査対象は組織ぐるみの裏金疑惑である。
立憲民主党の長妻政調会長は「前代未聞ではないか。自民党政治を終わらせていかないと、日本の政治は展望が開けない」と記者団の取材に話し、「まずは首相ができるかぎり国民に謝罪すると同時に、説明をすべきだ」と岸田首相の対応を批判。国民民主党の玉木代表は「異常かつ深刻な事態だ。裏金の使途も含めて徹底的に明らかにしなければ、国民の信頼は回復しない」とのコメントを発表した。
肝心の岸田はというと、相変わらずノホホンとして他人事みたいな言動を繰り返している。
25日夕方、麻生副総裁、茂木幹事長ら党幹部と裏金問題への対応を協議した岸田は、その後、官邸でのぶら下がり取材に応じ、「年明け、できるだけ早い時期に党の信頼回復のための組織を立ち上げる」と表明。
しかし、どういう組織で何をするつもりなのかについては、「さまざまな議論を積み重ねていきたい」と具体策ゼロだった。安倍派幹部が事情聴取を受けたことについても「捜査について私の立場から申し上げることは控える」と、何も語ろうとしなかった。
裏金事件が発覚して以来、岸田はよく「党としても強い危機感を持って、国民の信頼回復に努めなければならない」とか言うのだが、真っ先に党総裁としての謝罪ではなく「危機感」という言葉が出てくるあたりが岸田らしい。この問題でさらに内閣支持率が下がり、自分が首相を続けられなくなったらマズイ。そういう危機感なのだろう。
パー券購入の経団連には謝罪
「安倍派の裏金問題は自分には関係ないと距離を置き、責任を取らされないように距離を置くように見える岸田首相の対応には、党内からも不満の声が上がっています。この問題が浮上した臨時国会の期間内にリーダーシップを発揮して緊急の検証委員会を立ち上げることだってできたのに、年明けまで何もしないなんて、首相は認識が甘いのではないか。安倍派にかぎらず、多くの国会議員は年末年始に地元の有権者に自民党としての姿勢をどう説明すればいいのか困惑している。捜査の推移を見守るだけの岸田首相からは、国民の政治不信を何とかしなければならないという覚悟も苦悩も感じられません」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
もっとも、岸田もたまには神妙な面持ちでおわびをすることがある。25日昼間、経団連の会合に出席した際は、こう挨拶していた。
「国民の皆さまから疑念を持たれる事態を招いていること、これは大変遺憾なことであり、心からおわびを申し上げます」
「国民の信頼あっての政治の安定であり、政治の安定あっての政策の推進だと、改めて肝に銘じて対応していきたい」
一般国民に対しては説明も謝罪もしようとしない岸田だが、自民党に巨額の献金をし、パーティー券を大量に購入してくれる経団連の会員たちには「心からおわび」をするのである。
パー券問題で下手打って迷惑をかけて申し訳ない。企業献金あっての自民党政治だから今後もよろしくね。献金してくれれば政策的な見返りがあるから。持ちつ持たれつの自民党政権が続かないと皆さんだって困るでしょう──意訳すれば、こんなところだ。
「政治改革大網」を率先して無視してきた岸田首相
この経団連の会合で、岸田はバブル崩壊後の日本経済について「失われた30年」ではなく、「移りゆく30年」という見方を取っていると説明。「移りゆく30年の出口から日本がしっかりと抜け、来年には新たなステージの入り口のドアを開けられるように、政府として政策を総動員していく」と話した。
だが、この30年、何も変わっていないのが自民党の金権体質であり、それが国を停滞させてきた要因ではないのか。移ろってすらいない。
リクルート事件を契機に、1989年に自民党が取りまとめた「政治改革大綱」には、こう書かれている。
<いま、国民の政治不信、および自民党批判の中心にあるものは、@政治家個々人の倫理性の欠如A多額の政治資金とその不透明さB不合理な議員定数および選挙制度Cわかりにくく非能率的な国会審議D派閥偏重など硬直した党運営などである>
<なかでも、政治と金の問題は政治不信の最大の元凶である>
令和の時代になっても、裏金、政治家の倫理、企業献金、派閥の問題は何ひとつ解決も進歩もしていないことが分かる。
そもそも、この「政治改革大綱」では、<総裁、副総裁、幹事長、総務会長、政務調査会長、参議院議員会長、閣僚は、在任中派閥を離脱する>とうたわれているのだが、率先して派閥会長にとどまっていたのが岸田だ。副総裁、幹事長も派閥会長のままで、三頭政治とか言って麻生派、茂木派、岸田派のトップが毎週ひざを突き合わせて政権運営方針を決めてきた。派閥政治を完全復活させたのが岸田政権なのである。
30年前より劣化している自民党
「派閥の論理で権力の頂点に上りつめた岸田首相には派閥を解消する意思などさらさらないし、自分たちに都合のいい政治資金規正法も維持したいでしょうから、法改正に踏み込めるかも分からない。リクルート事件の際には自民党の若手議員が政治改革を訴えて執行部を突き上げ、その後も自民党を飛び出して新党を結成する動きがあったものですが、そんなエネルギーもない今の自民党は30年前より劣化している。『新たなステージ』どころの話ではなく、完全に機能不全に陥っています。いったん下野して解党的出直しをはかる以外に党再生の道はありません」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
安全性に関する試験の大規模不正が発覚したダイハツなど、企業の不正が横行しているのも、自民党の金権政治と無縁ではない。
自民党に巨額の献金をしたり、パー券を大量購入した業界は、補助金や税制で優遇される。そういう癒着関係が企業側にも驕りや甘え、増長を生む。大企業が公共事業や税金中抜き、円安誘導で安易に稼ぐことに頼るようになり、技術革新も生まれず世界市場から取り残されてしまった。
「30年間に及ぶ日本経済の停滞は、ほとんどの期間を担ってきた自民党政治の責任です。政治が将来像を示せないから、民間企業も迷走し、税制優遇など目先の利益にとらわれてパー券を必死で買うことが続いている。嵐が過ぎ去るのをただ待っているような“岸田丸”という船は沈没するしかない。国民には新しい船が必要です」(山田厚俊氏=前出)
求心力を失った岸田政権下で編成され、22日に閣議決定された来年度予算案もひどいものだ。
裏金問題でガタガタで財源問題も党内でロクに議論できないまま、一般会計総額は2年連続で110兆円を超え、財源の3割以上を新規の国債発行に頼る借金財政が続く。
岸田は何かあるたびに「国政の遅滞を生じないため」とか言うのだが、自分が首相に居座っていることが政治の停滞を生んでいるという自覚はないのか。このままズルズル岸田政権が続いても、時間が空費されるだけだ。
裏金問題にしても、自民党政権ではウヤムヤに蓋をされるだけ。政権交代してメスを入れないかぎり、膿を出し切ることはできないだろう。
岸田が日本のためにできることは、今すぐ辞めて野党に政権を差し出すことだけだ。
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