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裏金事件で聴取 松野前長官「帳簿見たことない」は「政治とカネ」渦中の人物の常套句だった?
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/333918
2023/12/25 日刊ゲンダイ
帳簿は見たことがない…(松野博一前官房長官)/(C)日刊ゲンダイ
自民党の最大派閥「安倍派」(清和政策研究会)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していたとされる政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部が同派幹部の松野博一前官房長官(61)や座長の塩谷立元文部科学相(73)などの任意聴取を続けている。
特捜部は、幹部が議員側へのキックバックによる裏金化の仕組みについて把握、指示していたのかや、派閥の政治資金収支報告書の不記載に関与したかなどを確認しているとみられる。
そんな中、ネット上で疑問の声が上がったのが、約2年間にわたって事務総長を務めた松野氏が、「派閥の通帳すらほぼ見たことがなく、お金のことはわからない」と周囲に説明している、などと報じられたことだ。
《何も知らないで最大派閥の事務総長ができるのか。飲み会の幹事だってカネの流れを把握しなければ務まらないが》
《事務を取り仕切る立場の人間が「通帳をみたことがない。お金の流れも知らん」と。その人が官房長官って。なるほど、どうりで国民の現状を知らない政治をやるはず》
「ロッキード事件」では中曽根康弘氏が同じ発言
SNS上では松野氏の発言の信ぴょう性を疑う投稿が少なくないが、「通帳を見たことがない」という言葉は「ロッキード事件」をめぐる過去の国会質疑でも出ていた。
1977年4月13日の衆院「ロッキード問題の調査特別委員会」で、発言が飛びだした経緯はこうだ。
木造住宅大手「殖産住宅相互」(現・殖産住宅)を創業した故・東郷民安氏が1973年、株式上場を巡る脱税で東京地検特捜部に逮捕、起訴され(殖産住宅事件)、その裁判で、東郷氏は中曽根康弘元総理の秘書の口座に5億円の金を振り込んだことを暴露。この真偽やカネの意味を問われた中曽根氏は特別委員会に証人として出席し、こういった発言をしていた。
「貯金通帳も見なければ印鑑ももちろん見ない、そういうことであったと(秘書)からも当時聞いておったところでございます」
今回の裏金事件とは発言に至った状況や経緯が異なるとはいえ、「政治とカネ」を巡る疑惑では「見ざる、言わざる、聞かざる」が政治家の常套句となっているようだ。
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