<■373行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> 主張 周庭氏の亡命 中国当局の報復を許すな 2023/12/12 5:00 https://www.sankei.com/article/20231212-V32VHMBQGBLARLCWNAGIWYP72Y/ 日本語が堪能な香港民主活動家として知られた周庭(アグネス・チョウ)氏(27)が、2023年9月に香港を離れカナダの大学院に留学していることを公表した。 2023年12月末に香港の警察に出頭・報告する義務があったが、香港に戻らないことを決めた。 事実上の亡命と受け止められている。 周氏は 「香港の状況や自らの安全、健康を考慮した。とてもつらい決断だった」 と胸中を語った。 香港国家安全維持法(国安法)の施行後、様々な自由が奪われている香港に戻ってしまえば、2度と出られなくなるかもしれない。 ようやく手にした自由を失いたくない。 そう考えるのは当然のことである。 非難されるべきは、人権を侵害する中国・香港当局の政策だ。 しかし香港の警察当局は 「法律に挑戦する無責任な行為だ」 と周氏を批判した。 中国外務省の報道官も 「如何なる人にも法外の特権はなく、犯罪行為は必ず処罰される」 と強調した。 ならば、1989年に起きた天安門事件の際、民主化運動への武力弾圧を指示した責任者は処罰されたのか。 2019〜2020年に香港で相次いだ反香港政府・反中国共産党デモの際、治安部隊に過剰な暴力による取り締まりを命じた責任者は法の裁きを受けたのか。 周氏が挑戦したのは法律ではなく、香港を覆う 「恐怖による支配」 である。 今回、周氏が当局とのやり取りを明らかにしたことで、民主主義を求める人々を獄に入れ、移動の自由を制限し、市民を中国本土に連行して愛国教育を受けさせる 「香港の中国化」 の現状が改めて浮き彫りになった。 2023年12月10日には香港区議会選が行われたが、民主派を排除した選挙の直接投票枠の投票率は27.5%と過去最低となった。 中国による香港支配は十分な信任を得られなかったと言える。 現在、トロントで暮らす周氏は将来の夢について 「自由に生きたい」 と語るだけだ。 香港にはまだ、無数の周氏がいることを忘れてはならない。 香港トップの李家超行政長官は 「自首しなければ一生、逃亡者として追われることになる」 と周氏を脅した。 日本をはじめ国際社会は、周氏が身をもって示した香港の現状を直視し中国・香港当局が周氏に報復しないよう監視していくべきだ。香港区議会選 投票率は過去最低の27.5% 「愛国者統治」信任されず 2023/12/11 10:06 https://www.sankei.com/article/20231211-XSQSMMWBUFOWBAKW6WFZMISC4E/ 香港区議会(地方議会、計470議席)選が2023年12月10日、行われ、焦点だった直接投票枠の投票率は27.5%と過去最低だった。 香港国家安全維持法(国安法)が2020年に施行されて以降、中国の習近平政権が香港政府を通じて進める 「愛国者治港(愛国による香港統治)」 が十分な信任を得られなかった形だ。 中国返還後の区議会選で最低の投票率は1999年の35.8%だった。 反政府デモが本格化するなど、市民の政治意識が高まっていた2019年11月の前回区議会選では過去最高の71.2%を記録しており、今回は半分以下に落ち込んだ。 国安法施行後の2021年に実施された立法会(議会)選の投票率30.2%も下回った。 今回は、 「愛国者治港」 を進めることを目的に選挙制度が2023年7月、大幅に変更されてから初めて行われる選挙だった。 香港区議会選、10日に投開票 「沈黙の選挙」投票率は20%台か 2023/12/9 20:05 https://www.sankei.com/article/20231209-SJXZ3YPVT5P6LKDKJQ4KS3E2I4/ 4年に1度の香港区議会(地方議会)選は2023年12月10日、投開票が行われる。 選挙制度が民主派に不利になるように変更されてから初めて実施される区議会選で、既に親中派の圧勝が決まっている。 有権者の関心は極めて低く、2019年の前回選で過去最高の71%を記録した投票率がどこまで落ち込むのかが最大の焦点だ。 中国の習近平政権と、李家超行政長官率いる香港政府にとっては、2019〜2020年の反香港政府・反中国共産党デモ後に進めてきた 「愛国者治港」(愛国者による香港統治) を完成させる重要な選挙。 香港警察は2021年の立法会(議会)選、2022年の行政長官選を上回る過去最大の約1万2000人を動員して警戒に当たる。 「12・10はみんな投票しましょう!」 「皆さんの1票は重要です!」 香港の繁華街コーズウェイベイ(銅鑼湾)で2023年12月9日午後、区議会選に出馬した親中派陣営から掛け声が上がった。 しかし足を止める市民はいない。 20歳の女性は 「関心はありません。私の生活に関係する選挙とは思いませんから」 と冷たい。 2023年7月に変更された新たな選挙制度は、全18区で計479あった議席を計470に削減し、このうち住民による直接投票枠を452から88に減らすというものだ。 90%を超えていた直接投票枠の割合が19%に激減し、新たに行政長官が選ぶ委任枠などが設けられた。 しかも、直接投票枠で立候補するにはまず、親中派で構成される地区委員会などの委員の推薦が必要。 その上で、香港政府の幹部らから成る資格審査委員会による 「愛国者か否か」 の審査を突破しなければならない。 直接投票枠が大半を占めていた区議会選は、香港で最も民意を反映する選挙と位置付けられてきた。 2019年11月に行われた前回選は、当時、本格化していた反政府・反中デモの余勢を駆って民主派が圧勝。 全体の8割超の議席を獲得している。 今回、民主党など民主派政党は地区委などの推薦を得られず、1人も立候補できなかった。 民主派の元区議は 「区議会選を話題にする市民はいない」 「沈黙の選挙が今の香港を表している」 「(直接投票枠の)投票率は20%台に落ち込むのでは」 と話している。 カナダは国の威信かけ周庭氏守る 上久保誠人・立命館大教授 2023/12/6 11:19 https://www.sankei.com/article/20231206-PWLRJSNGCBOZPFSDMSF66LK74M/ 香港の元民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏(27)がカナダに拠点を移し、香港に一生戻らないと事実上の亡命を表明したことについて、周氏と交流のあった立命館大政策科学部の上久保誠人(かみくぼ・まさと)教授に話を聞いた。 上久保氏は周氏の表明について、安全の確保が保障されたためだろうとし、中国が身柄の引き渡しを求めてもカナダ政府は国家の威信をかけて周氏を守ると指摘した。 主な一問一答は以下の通り。 ーー周氏の今の状況について 香港にいても監視されていたわけだから、政治的発言は一切控えていて、引きこもりのような状態だった。 カナダに移り、勉強できているということなら良かった。 カナダの大学は周氏から願書が出され、政府、警察、公安当局と当然、打ち合わせをしたはずだ。 周氏を安全に受け入れる体制があった。 ーー中国側はどう判断した 中国はルールが民主的、人権保護の観点から全く滅茶苦茶とはいえ、香港国家安全維持法(国安法)のルールに従って対応し留学させたということだ。 中国側から見ると、カナダであれば中国からの移民が非常に多く、中国人ネットワークも発達している。 当局としては所在や動向の確認はできるので、泳がしてもいいという判断があっただろう。 ーー周氏がメッセージを発信した状況をどう見る 一定の安全の確保が保障されたのでメッセージを出したと思われる。 国安法の要求に従わないということをたった1人で決断したということはなく、全く安全とは言い切れないまでも、何らかの保護が確実になったのだろう。 中国当局の指示を拒否するという形を取るので、カナダ、もしくは英米の支援に何らかの確証を得たのだと思う。 周氏はかなり強かだ。 精神を病んだりしたことはあったとしても、周囲のスタッフもいるだろうから安全の確保はきちんとやっているはずだ。 ーー中国政府は厳しい対応を示唆している どの国も警察活動やスパイ活動を外国でやるということは公然とできない。 今回の事案は、1留学生の問題とは言えず、周氏が突然いなくなったりすれば国際問題になる。 カナダは身柄の引き渡しなどは当然しない。 カナダ政府は国家の威信をかけて査証(ビザ)を得ている周氏を守ることに自然となる。 もし何者かに拉致されるようなことがあれば、日本人が北朝鮮に拉致されるのと同じで、国家主権の侵害だ。 絶対に認められない。 カナダのシーク教指導者殺害事件でトルドー首相がインドの関与に抗議したのは主権国家として当然のことだった。 中国から香港の周氏の家族への圧力はあるかもしれないが、家族もそれを覚悟している。 ーー周氏に求めることは 個人的にはもう政治活動をしてほしくない。 元々、政治的な力があったわけではなく、広報マンであり、女神やシンボルと称されていただけだ。 彼女自身も完全な大人として逮捕された時、その現実に対して色々感じる所もあっただろう。 それは民主化運動を支持しないという意味ではない。 彼女がシンボルとして何かをするのは、非常に痛々しいものがあり、あの少女だった女性が背負う必要はないというのが私のメッセージだ。 もう彼女を利用するなという意味もある。 後ろに誰かいるのであれば、やはり他の大人がやらなければだめだ。 我々を含め、どうするかが問われている。 ーー国外に出る中国人学生が多い 香港、そして中国全体で留学先から帰りたくない学生が多い。 日本でも、論文の提出期限を2回も3回も延長する大学院生が増えている。 日本で就職したい人も明らかに増えた。 中国人学生はある意味、民主主義の難民だと思っている。 中国をより良い社会にしたいという思いで日本の民主主義を学んでいる学生もいるが、明らかに中国に帰りたくないという学生もいる。 ーー今後、中国はどうなるか 中国は指導者が変わればガラッと変わる国だ。 習近平国家主席の体制が続く限り無理だろうが、次に開明的な指導者が現れる可能性はゼロではない。 中国は20年ぐらい前から多くの学生が海外留学しており、開明的な民主主義が何かを分かっている人は山ほどいる。 中国はこれだけ諸外国とぶつかり、さして成果もなく陰口を叩かれているのだから、変わる可能性はある。 大事なのは、コツコツとそういう人間を増やしていくことで、日本での教育も含まれる。 私たちは目の前の学生に民主主義を説き、革命は無理でも人材を育てていく。 中国を排除するという考えもあるが、出来る限りの事をやっていきたい。 産経抄 上目づかいの日々終わらせるため 2023/12/6 5:00 https://www.sankei.com/article/20231206-BN7LHQ3TNJL6BNZNZ4FCAPIH3U/ 戦後を代表する詩人、茨木のり子に『もっと強く』という一編がある。 苦い読後感を覚える一節をここに引く。 <なぜだろう/萎縮することが生活なのだと/おもいこんでしまった村と町/家々のひさしは上目づかいのまぶた>。 ▼物を言えぬ時代は、我が国にもあった。 得難いはずの 「自由」 の上にあぐらをかく戦後の世の中を、詩人はそれ故厳しく批評した。 何物にも縛られぬ伸びやかな言葉と詩風が、 「萎縮」 の時代が生んだ反作用であったことは想像に難くない。 ▼上目遣いの人生に、終止符を打つためだろう。 留学先のカナダから 「香港には一生戻らない」 と悲壮な覚悟を打ち明けた。 香港で 「民主の女神」 と呼ばれた元民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏である。 その人の無事な姿に安堵を覚えつつも、複雑な思いを禁じ得ない。 ▼2014年の 「雨傘運動」 など香港民主化運動の先頭に立ち、逮捕、禁錮刑を経て2年余りの沈黙を続けていた。 再び司直の手に掛かるのではないかと、出所後も怯えていたと聞く。 春秋に富むはずの若者が負ったのは一生消えぬ心の傷だった。 ▼天安門事件など若者の血を吸った忌むべき歴史が中国にはあり、その支配は香港にも及んでいる。 周氏は、留学と引き換えに愛国教育を受けさせられた―と自身の体験も語った。 言論、人権、選挙。 今の香港は、全てが中国のコントロール下にあるとする指摘が重たく響く。 ▼上目遣いを装いながら、それでも当たり前の権利を願う若者はいよう。 遠くから同志を思う周氏の胸中は察するに余りある。 小紙に語った夢は 「自由に生きたい」 だった。 「普通」 を許されない人々が我々の近くにいる。 目を伏せてはならぬ現実である。 中国が周庭氏の亡命&\明を非難 2023/12/4 21:33 https://www.sankei.com/article/20231204-SRTZBRSSZZLJRFBI67LMTX56RU/ 香港の元民主活動家、周庭氏(27)がカナダに拠点を移し、香港に一生戻らないと事実上の亡命を表明したことを巡り、中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は2023年12月4日の記者会見で、 「香港警察は法の支配に挑戦する無責任な行動を強く非難した」 「中国、香港は法治社会だ」 「如何なる人にも法外特権はなく、違法行為は法で罰せられる」 と非難した。 「香港の現状 世界に知ってもらいたい」 周庭氏インタビュー詳報 将来は「自由に生きたい」 2023/12/4 18:54 https://www.sankei.com/article/20231204-ZNLSYB5VJRK73KBT7I6VTCFMXA/ 2023年9月に香港からカナダへ拠点を移した香港の元民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏(27)は2023年12月4日、オンラインで行われた産経新聞とのインタビューで、香港を離れたことを公表した理由について 「(刑務所を出所した後の)3年間の私の経験、特に中国大陸に連れて行かれたことを明らかにすることで、香港の現状を世界中の人々に知ってもらえると考えた」 などと語った。 主な1問1答は以下の通り。 ーー香港に戻らないことを決めた理由は 香港に戻ると、カナダに帰れなくなるのではないかという恐怖があった。 出境するための新たな条件を警察が出してくるかもしれない。 もう2度と中国大陸には行きたくない。 また外国から香港に戻って空港で逮捕された香港人も多い。 ーー一生戻らないつもりか そう思っているが、可能ならば、いつの日か香港に帰って自由に生きたい。 香港は私の家だから・・・。 ーーカナダに留学するために誓約書のようなものを書かされた 警察署の中で4〜5人の警官に囲まれ、恐怖しか感じなかった。 断ったら逮捕されるか、パスポートを返してもらえないと思った。 警察署内で反抗するのは難しい。 ーー日本での留学は考えなかったか 純粋に大学の評判や何を勉強するのかを考えて選んだ。 『外国で勉強するのなら英語圏で』 とも思っていた。 現在、学生ビザで滞在しているが、外国にいても身の安全がとても不安。 大学名や専門分野を公表していないのもそのためだ。 今は大学院の勉強に集中したい。 ーー将来の夢は 自由に生きたい。 多くの人にとって当たり前のことだろうが、私にはとても難しく、貴重な事だ。 これまでの3年間、何も出来ずにとても苦しんだ。 ーー香港の現状は 香港国家安全維持法(国安法)の下、政府に対し批判的なことは何も言えない。 選挙でも、親北京派しか立候補出来ない。 完全に中国にコントロールされ、言論の自由や人権が保障されていないような状況だ。 ■「雨傘運動」のリーダー 周庭氏は2014年の民主化運動 「雨傘運動」 のリーダーとして注目され、自由が奪われる香港を世界に発信してきた。 日本の漫画やアイドル好きが高じて日本語を独学で習得。 来日して会見を開いたり、X(旧ツイッター)に日本語で投稿したり、日本でも香港の危機を訴えてきた。 2020年6月の国安法施行後にはXの更新を一時中断したが、 「絶望の中にあっても強く生きなければ」 との最後の投稿は広く拡散された。 国安法違反容疑で拘束中、頭に浮かんだのは 「最後の最後まで抵抗し続ける」 と歌うアイドルグループ 「欅坂46」 の曲 「不協和音」 だったとも明かした。 2021年6月には無許可集会の扇動罪での刑期を終え釈放された当日、インスタグラムに黒一色の画像を投稿。 これを最後に沈黙を貫いていた。 周庭氏「外国にいても身の安全が心配」 産経新聞に語る カナダに留学 2023/12/4 18:23 https://www.sankei.com/article/20231204-IZDBA6LVLRNJVHH6OE3DRETAYE/ 日本語が堪能な香港民主活動家として知られた周庭(アグネス・チョウ)氏(27)は2023年12月3日、SNSを通じ、2023年9月に香港を離れてカナダの大学院に留学していることを明らかにした。 トロントに在住する周氏は2023年12月4日、産経新聞の取材に 「民主化活動を再開するかまだ決めていない」 「カナダに中国の秘密警察が置かれていると報じられている」 「外国にいても身の安全がとても心配だ」 などと胸中を語った。 周氏はSNSで 「香港には一生戻らない」 とも述べ、事実上の亡命宣言と受け止められている。 周氏は、2014年の香港民主化運動 「雨傘運動」 などの際に普通選挙の実現を求めて闘い、香港の 「民主の女神」 として知られた。 しかし2020年8月に、香港国家安全維持法(国安法)違反の容疑で逮捕。 その後、無許可集会を扇動した罪などで禁錮10月の判決を受けた。 2021年6月に出所した後は沈黙を貫いていた。 周氏はSNSで、出所後も再び警察に逮捕されるのではないか−と怯える日々が続いたと明かした。 医師の診断で、パニック障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)、鬱病であることが分かったという。 2023年に入り、このままじっとしているより外国に留学したいと考え、カナダの大学院への進学を決めた。 しかしパスポートは当局に没収されたままで、海外渡航できない状態が続いていた。 このため、香港警察の国安部門に申請すると、政治活動に再び関わらないことなどを約束する書面の提出を求められた。 更にパスポートを返却する条件として、国安担当者と共に中国本土の深圳に行くことも要求された。 周氏は2023年8月、5人の国安担当者と深圳に向かい、展覧会で中国共産党や歴代指導者の業績を見学させられた。 その後、 「祖国の偉大な発展を理解させてくれた警察に感謝します」 との文書を書かされたという。 こうして2023年9月からトロントでの生活を始めた周氏は2023年12月末、香港に戻るつもりで航空券も購入していた。 警察への報告義務があったためだ。 しかし香港に戻らないことを決めた。 周氏は産経新聞の取材に 「香港の状況や自らの安全、健康などを考慮した」 「とてもつらい決断だった」 と語った。 「諦めない」「志村さん大好きでした」亡命≠フ周庭さん、民主化の願いに日本への愛着も 2023/12/4 13:45 https://www.sankei.com/article/20231204-TQTFLOR24NG7NCRXPAA5COK65M/ 2014年の香港民主化運動 「雨傘運動」 でリーダーシップを発揮した周庭(アグネス・チョウ)さんが事実上、亡命を宣言した。 香港の 「民主の女神」 とも呼ばれるようになった周さんは、これまでに警察による弾圧など、香港政府側との闘いの日々をSNSなどで逐次発信。 その言動は世界中で注目を集めてきた。 独学で学んだという日本語が流暢で、日本への愛着を窺わせる発信も多い。 「日本は若者の投票率が低いと聞いている」 「民主選挙の大切さを訴えたい」 (2015年5月) 日本の学生らとの意見交換を目的とした翌2015年6月の初来日を前に、抱負をそう語った。 日本のアニメやアイドルグループのファンでもあり、日本語は独学で勉強。 当時は18歳で、 「秋葉原やコンサートなどに行って、日本の文化に触れたい」 と若者らしい思いも明かした。 ■「日本政府も圧力を」(2019年6月10日) 香港でこの前日に行われた、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする 「逃亡犯条例」 改正案に反対する大規模デモに参加後、来日して記者会見。 改正案が可決されれば、香港の一般市民だけでなく、在留邦人やビジネスマン、日本からの観光客の安全にも影響が及ぶとして、日本政府にも改正案撤回を香港政府に強く求めるよう訴えた。 ■「私たち香港人は諦めない」(2019年10月23日) 香港政府が逃亡犯条例改正案を正式に撤回したことを受けて、ツイッター(現X)にメッセージを投稿。 デモ参加者らに対する警察からの暴力的な制圧により、 「何人が重傷となったのか、目を失ったのか、性的暴力を受けたのか、殴られたのか、逮捕されたのか、もう数えきれません」 などと綴った。 その上で、 「改正案は撤回されましたが、私たちの命も、社会のシステムも、全て権力乱用の警察に支配されています」 「だから、私たちは引き続き反抗しないといけません」 「私たち香港人は諦めません」 と決意表明した。 「いつも志村どうぶつ園を観てました」 「大好きでした」 (2020年3月30日) 新型コロナウイルスに感染し入院していたコメディアン、志村けんさんが前日2020年3月29日に死去。 志村さんが生前、出演していたテレビ番組を挙げ、弔意を示した。 ■「最も怖かった」(2020年8月11日) 香港国家安全維持法(国安法)違反容疑で2020年8月10日に逮捕され、翌11日に保釈。 報道陣を前に、 「これまで香港の社会運動に参加してきて4回逮捕されたが、最も怖かった」 などと語った。 現地報道などによると、逮捕容疑は、インターネット上で外国政府が香港に制裁を加えるよう働き掛けたとされる。 1カ月半前に国安法が成立しており、周氏は当時所属していた政治団体の解散を宣言。 しかし、香港警察当局は同法可決後も容疑に該当する行為が続けられていたと強調した。 ■「痩せて衰弱したので休みたい」(2021年6月) 無許可集会を扇動した罪などで2020年12月に実刑判決を受け、2020年12月12日に出所。 その後、インスタグラムで心境を吐露した。 出所当日、待ち構えていた報道陣の問いかけには答えず、無言で迎えの車に乗った。 香港からのテレビ中継では、白いTシャツにマスク姿で、獄中生活でやつれたように見えていた。 周庭さん、カナダの大学院に留学 「一生香港に戻らない」と亡命宣言 2023/12/4 7:25 https://www.sankei.com/article/20231204-OTXEYIDZINO5DPQYD27BT3NQNM/ 日本語が堪能な香港の民主活動家として知られた周庭(アグネス・チョウ)さん(27)が2023年9月に香港を離れ、カナダの大学院に留学していたことが分かった。 交流サイト(SNS)で2023年12月3日、明らかにしたもので、トロントに在住する周さんは 「香港には一生戻ることはない」 と事実上の亡命を宣言した。 ■PTSDに 周さんは、2014年の香港民主化運動 「雨傘運動」 の際に普通選挙の実現を求めて闘った民主活動家として知られる。 香港の 「民主の女神」 のような存在だった。 2019年に大規模化した反香港政府・反中国共産党デモの際にも、得意の日本語を駆使して民主派の情報発信を行っていた。 しかし2020年8月に、香港国家安全維持法(国安法)違反の容疑で逮捕。 その後、無許可集会を扇動した罪などで、禁錮10月の実刑判決を受けた。 2021年6月に出所した後は沈黙を貫いていた。 周さんはSNSで、出所後、再び警察に逮捕され連行されるのではないかといった不安などに駆られ、大泣きしたり、震えが止まらなかったり、恐怖に怯えたりする日々が続いたと明かした。 医師の診断で、パニック障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)、鬱病であることが分かったという。 ■当局の交換条件 2023年に入り、このままじっとしているより外国に留学したいと考えるようになり、当たってみたところカナダの大学院が受け入れてくれることになった。 しかし、周さんは出所後もパスポートを当局に没収され、自由に海外渡航できない状態が続いていた。 このため、香港の国安当局に申請すると、 @これまで政治活動に関与してきたことを後悔し再びかかわらない A民主活動家たちと連絡を取らないこと などを約束する書面の提出を求められた。 周さんは、もし妥協することを断れば 「勉学のチャンスを失うか、警察署から出られなくなるかだった」 と振り返っている。 もう1つ条件があった。 それはパスポートを返却する代わりに、国安担当者と共に香港に隣接する中国本土の深圳に行くことだった。 周さんに 「拒絶する権利」 はなく、2023年8月、5人の国安担当者と深圳に向かった。 周さんは 「夢にまで見ていた香港からの出境が、まさか中国大陸行きになるとは」 と思ったという。 深圳では改革開放などの展覧会に連れて行かれ、中国共産党や歴代指導者の業績を見学させられた。 香港に戻った後、 「祖国の偉大な発展を理解させてくれた警察に感謝します」 との文書を書かされたという。 ■自由の貴重さ こうして周さんが香港からトロントに向かったのは2023年9月。 パスポートは出発の1日前に受け取った。 2023年12月末には香港に戻るつもりで航空券も購入していた。 警察への報告義務があったためだ。 しかし 「香港の状況や自らの安全、健康などを考慮して、戻らないことを決めた」 「恐らく一生戻ることはない」 という。 「この数年、恐怖から逃れる自由がどれだけ貴重なのかを切実に感じている」 「言いたいことも言えるし、したいことも出来る」 「自由は得難いものだ」 2023年12月3日、27歳の誕生日を自由な空の下で迎えた周さんは、現在の心境をこう綴っている。
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