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最も闇の要素が強いカネ・官房機密費は政府を「反モラル」の活動に導く 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/333083
2023/12/07 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
東京五輪招致のために「金はいくらでも出す」(安倍元首相と、講演する石川県の馳浩知事=右)/(C)日刊ゲンダイ
今の日本の政治を堕落させているのは何か。政府のバラまくカネと脅しである。第2次安倍政権や、続く菅政権で顕著だった。その実態は今も闇の中にある。使われている主なカネが官房機密費だからである。官房機密費(内閣官房報償費)は、「国の事務または事業を円滑かつ効果的に遂行するため、当面の任務と状況に応じその都度の判断で最も適当と認められる方法により機動的に使用する経費」とされ、誰にどのような形で使用されたかについて明確にされない。
官房機密費の中でも「政策推進費」は官房長官にカネが渡った時点で「支出完了」となる。何に使ったかを知るのは官房長官のみ。官房機密費の中でも、最も闇の要素が強いカネである。言い換えれば、「闇のカネ」を操ることが出来るがゆえに官房長官やその経験者は政界で力を持つのである。
話は少し変わるが、外交活動には外交官が行う活動と、情報機関の行う活動がある。
かつて私は外国の情報機関員(スパイ)に「あなた方の活動と、外交官の活動はどこが違うのか」と問うたことがある。
相手はしばらく考えてこう答えた。
「我々は目的の達成のため、非合法、反モラルの活動を行う」
目的の達成には手段を選ばない。殺人も行うし、一般市民の巻き添えも平気になる。支出されるカネの「秘密性」がもたらす、なれの果てである。
おそらく官房機密費も「非合法、反モラルを行う」ために使われているのだろう。
マスコミを例に挙げる。米国で一流紙と呼ばれるメディアの関係者らは政府要人から食事を招待されることを厳しく禁じている。仮に応じれば「工作」をされたとみなされる。
ところが日本では違う。政府が大手メディアの記者に豪華な食事を提供することが度々みられる。
その費用はどこから出ているのかといえば、官房機密費が財源のひとつであろう。こうした「饗応」は、政府の視点からみれば「国の事務または事業を円滑かつ効果的に遂行するため」という目的に合致するのだろうが、権力を監視する役割を担ったメディアとの関係で考えれば相反する。いわば反モラルの関係である。
石川県の馳知事は、東京都内の会合で講演した際、安倍晋三首相(当時)が「オリンピック招致を必ず勝ち取れ」「金はいくらでも出す」「官房機密費もあるから」と発言したことを明かした。
安倍、馳両氏そろって官房機密費を「反モラル」に使うことに何の躊躇もなかった。つまり、それが官房機密費の怖さなのである。縮小・廃止するべきなのは言うまでもない。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
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